研究分野 - MATLAB & Simulink

地震学

世界中の地震学者が、地殻変動あるいは人為的要因による地震活動の調査、火山活動の監視、さまざまなセンサーネットワークからの地震波形データの解析に MATLAB を活用しています。専門家たちは地震データを利用して分析するために MATLAB をカスタマイズするツールボックスを開発しています。

たとえば、以下を行うことができます。

  • MATLAB と Signal Processing Toolbox を活用した、地震波形の読み取り、解析、比較 (信号処理入門)
  • 信号アナライザーアプリを使用した、対話的な波形解析と自動コード生成 (ドキュメンテーション)
  • RDMSEED および MKMSEED 関数を使用した miniSEED ファイルの読み取りと書き込み (ツールボックス)
  • ISC Earthquake Toolbox for MATLAB を使用した、ISC Bulletin からの地震データのダウンロードと処理 (ツールボックスと API)
  • MATLAB アプリ ZMAP7 GUI を使用した、地震データの可視化、統計解析、地震カタログデータの研究 (ツールボックス)
  • MATLAB 測地ツールボックス StavelGridstrain を活用して、GNSS データから速度フィールドとひずみ速度フィールドを導出 (ツールボックス)

関連情報

応力の変化を示す、緯度方向と経度方向にプロットされたグラフ。

Coulomb は、オープンソースの MATLAB ツールボックスで、地震、地殻変動、火山の研究と教育向けに開発されました。Toda et al., 2005 (引用数 600 件) では、研究チームが南カリフォルニアで Coulomb ツールボックスを使用して、応力変化、変形パターン、地震誘発をシミュレーションしています。

海洋と気候

MATLAB は、研究者が複雑な海洋と大気のシステムを解析してモデル化できるようにすることで、気候変動や環境への影響に関する知見を得られるようにします。

  • Climate Data Toolbox: 過去のデータを調査し、気温の傾向や時空間的な気候パターンを解析 (論文、G3 誌)
  • Tide Model Driver 3.0: 潮汐モデルデータを基に潮汐を予測 (TMD 入門)
  • Ocean Data Tools: 広く利用されている海洋学データサイトのデータに API 経由でアクセス (ツールボックス)
  • jLab: 海洋学での応用向けに、ビックデータ解析、信号処理、波形解析、マッピングの実行 (ツールボックス)

関連情報

水文学

MATLAB は、水文学における複雑なシミュレーション、統計解析、データのグラフィカルな表現を可能にし、流域モデリング、洪水や地すべりの予測、水質評価といったタスクを支援します。


Topotoolbox を使用して作成した 3D 地形プロット。

Topotoolbox は、オープンソースの地形データ解析ツールボックスです。数値標高モデル (DEM) を処理するツールとインターフェイスを提供することで、地形発達の研究、水文学モデリング、地形解析を可能にします。

農業

MATLAB には、データ解析、画像処理、スマート農業向けツールがあり、収穫量予測、土壌の水分量解析、高度な画像ベース解析が可能になります。たとえば、以下のような方法があります。

  • ハイパースペクトル画像処理関数を使用して、土地被覆の変化を検出 (コード例)
  • ThingSpeak と IoT センサーを使用してデータを収集・解析し、機械学習モデルを用いた植物病害の早期発見を実現 (ケーススタディ)
  • MATLAB を使用して、電磁スペクトルのさまざまな部分から取得した画像信号を解析し、植生検出とマッピングを実行 (ケーススタディ)

モバイル機器を持って畑でかがむ男性。

Li et al., 2020 では、自動画像処理に MATLAB を実装して、植物の成長を測定しました。MATLAB Mobile アプリを使用して収集したさまざまな収穫日の画像を、ローカル コンピューターに保存して解析しました。次に、MATLAB スクリプトによって共有フォルダーから画像が抽出・処理され、葉面積が推定されました。データはクラウドに保存され、スマートフォン上で可視化されました。