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ilaplace

説明

f = ilaplace(F)F逆ラプラス変換を返します。既定では、独立変数は s、変換変数は t です。Fs が含まれない場合、ilaplace は関数 symvar を使用します。

f = ilaplace(F,transVar) は、t の代わりに transVar を変換変数として使用します。

f = ilaplace(F,var,transVar) は、st の代わりに vartransVar をそれぞれ独立変数および変換変数として使用します。

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1/s^2 の逆ラプラス変換を計算します。既定では、t に関して逆変換されます。

syms s
F = 1/s^2;
f = ilaplace(F)
f = t

1/(s-a)^2 の逆ラプラス変換を計算します。既定では、独立変数と変換変数はそれぞれ st です。

syms a s
F = 1/(s-a)^2;
f = ilaplace(F)
f = teat

変換変数として x を指定します。関数を 1 つだけ指定した場合、その変数が変換変数になります。独立変数は s のままです。

syms x
f = ilaplace(F,x)
f = xeax

独立変数と変換変数を ax として、第二、第三引数にそれぞれ指定します。

f = ilaplace(F,a,x)
f = xesx

ディラック関数およびヘヴィサイド関数を使用する、次の逆ラプラス変換を計算します。

syms s t
f1 = ilaplace(1,s,t)
f1 = δdirac(t)
F = exp(-2*s)/(s^2+1);
f2 = ilaplace(F,s,t)
f2 = heaviside(t-2)sin(t-2)

2 つの関数 f(t)=heaviside(t)g(t)=exp(-t) を作成します。laplace を使用して、2 つの関数のラプラス変換を求めます。ラプラス変換は片側変換として定義されるため、領域 t0 の信号にのみ適用されます。

syms t positive
f(t) = heaviside(t);
g(t) = exp(-t);
F = laplace(f);
G = laplace(g);

2 つの関数のラプラス変換の積の逆ラプラス変換を求めます。

h = ilaplace(F*G)
h = 1-e-t

因果信号の畳み込みの定理によれば、この積の逆ラプラス変換は 2 つの関数の畳み込み、つまり t0 での積分 0tf(τ) g(t-τ ) dτ に等しくなります。この積分を求めます。

syms tau
conv_fg = int(f(tau)*g(t-tau),tau,0,t)
conv_fg = 1-e-t

ラプラス変換の積の逆ラプラス変換がこの畳み込みと等しいことを示します。ここで、hconv_fg に等しくなります。

isAlways(h == conv_fg)
ans = logical
   1

行列 M の逆ラプラス変換を求めます。同じサイズの行列を使用して、各行列エントリの独立変数と変換変数を指定します。引数が非スカラーである場合、ilaplace は各要素に適用されます。

syms a b c d w x y z
M = [exp(x) 1; sin(y) 1i*z];
vars = [w x; y z];
transVars = [a b; c d];
f = ilaplace(M,vars,transVars)
f = 

(exδdirac(a)δdirac(b)ilaplace(sin(y),y,c)δdirac(d)i)

ilaplace がスカラーと非スカラーの両方の引数で呼び出された場合、スカラー拡張を使用して非スカラーと一致するようスカラーを拡張します。非スカラー引数のサイズは同じでなければなりません。

syms w x y z a b c d
f = ilaplace(x,vars,transVars)
f = 

(xδdirac(a)δdirac(b)xδdirac(c)xδdirac(d))

シンボリック関数の逆ラプラス変換を計算します。1 番目の引数がシンボリック関数を含む場合、2 番目の引数はスカラーでなければなりません。

syms F1(x) F2(x) a b
F1(x) = exp(x);
F2(x) = x;
f = ilaplace([F1 F2],x,[a b])
f = (ilaplace(ex,x,a)δdirac(b))

ilaplace は、逆変換を計算できない場合、未評価の呼び出しを ilaplace に返します。

syms F(s) t
F(s) = exp(s);
f(t) = ilaplace(F,s,t)
f(t) = ilaplace(es,s,t)

laplace を使用して元の式を返します。

F(s) = laplace(f,t,s)
F(s) = es

入力引数

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シンボリック式、シンボリック関数、シンボリック ベクトルまたはシンボリック行列で指定される入力。

独立変数。シンボリック変数、シンボリック式、シンボリック ベクトルまたはシンボリック行列として指定します。この変数は、多くの場合 "複素周波数変数" と呼ばれます。変数を指定しない場合、ilaplaces を使用します。Fs を含まない場合、ilaplace は関数 symvar を使用して独立変数を決定します。

変換変数。シンボリック変数、シンボリック式、シンボリック ベクトルまたはシンボリック行列として指定します。多くの場合 "時間変数" または "空間変数" と呼ばれます。既定では、ilaplacet を使用します。tF の独立変数の場合、ilaplacex を使用します。

詳細

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ヒント

  • いずれかの引数が配列である場合、ilaplace は配列の全要素について要素単位で動作します。

  • 1 番目の引数がシンボリック関数を含む場合、2 番目の引数はスカラーでなければなりません。

  • 直接ラプラス変換を計算するには、laplace を使用します。

  • 信号 f(t) について、ラプラス変換 (laplace) を計算し、その結果を逆ラプラス変換 (ilaplace) しても、t < 0 に対する元の信号が結果として返されるわけではありません。これは laplace の定義が片側変換を使用するためです。この定義は、信号 f(t) がすべての実数 t ≥ 0 に対してのみ定義されていることを前提としています。したがって、逆変換の結果は t < 0 に対して一意ではなく、負の t に対する元の信号とは一致しない場合があります。元の信号を取得する 1 つの方法は、ilaplace の結果をヘヴィサイド ステップ関数で乗算することです。たとえば、次の両コード ブロック

    syms t;
    laplace(sin(t))

    さらに

    syms t;
    laplace(sin(t)*heaviside(t))

    は、1/(s^2 + 1) を返します。しかし、その逆ラプラス変換

    syms s;
    ilaplace(1/(s^2 + 1))

    は、sin(t)*heaviside(t) ではなく sin(t) を返します。

バージョン履歴

R2006a より前に導入