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iztrans

説明

iztrans(F)F逆 Z 変換を返します。既定では、独立変数は z、変換変数は n です。Fz が含まれない場合、iztrans は関数 symvar を使用します。

iztrans(F,transVar) は、n の代わりに transVar を変換変数として使用します。

iztrans(F,var,transVar) は、zn の代わりに vartransVar をそれぞれ独立変数および変換変数として使用します。

シンボリック式の逆 Z 変換

2*z/(z-2)^2 の逆 Z 変換を計算します。既定では、n に関して逆変換されます。

syms z
F = 2*z/(z-2)^2;
iztrans(F)
ans =
2^n + 2^n*(n - 1)

独立変数および変換変数の指定

1/(a*z) の逆 Z 変換を計算します。既定では、独立変数と変換変数はそれぞれ zn です。

syms z a
F = 1/(a*z);
iztrans(F)
ans =
kroneckerDelta(n - 1, 0)/a

変換変数として m を指定します。関数を 1 つだけ指定した場合、その変数が変換変数になります。独立変数は z のままです。

syms m
iztrans(F,m)
ans =
kroneckerDelta(m - 1, 0)/a

独立変数と変換変数を am として、第二、第三引数にそれぞれ指定します。

iztrans(F,a,m)
ans =
kroneckerDelta(m - 1, 0)/z

クロネッカーのデルタ関数を含む逆 Z 変換

以下の式の逆 Z 変換を計算します。結果にはクロネッカーのデルタ関数が使用されます。

syms n z
iztrans(1/z,z,n)
ans =
kroneckerDelta(n - 1, 0)
f = (z^3 + 3*z^2)/z^5;
iztrans(f,z,n)
ans =
kroneckerDelta(n - 2, 0) + 3*kroneckerDelta(n - 3, 0)

配列入力の逆 Z 変換

行列 M の逆 Z 変換を求めます。同じサイズの行列を使用して、各行列エントリの独立変数と変換変数を指定します。引数が非スカラーである場合、iztrans は各要素に適用されます。

syms a b c d w x y z
M = [exp(x) 1; sin(y) i*z];
vars = [w x; y z];
transVars = [a b; c d];
iztrans(M,vars,transVars)
ans =
[ exp(x)*kroneckerDelta(a, 0), kroneckerDelta(b, 0)]
[       iztrans(sin(y), y, c),   iztrans(z, z, d)*1i]

iztrans がスカラーと非スカラーの両方の引数で呼ばれた場合、スカラー拡張を使用して非スカラーと一致するようスカラーを拡張します。非スカラー引数のサイズは同じでなければなりません。

syms w x y z a b c d
iztrans(x,vars,transVars)
ans =
[ x*kroneckerDelta(a, 0),       iztrans(x, x, b)]
[ x*kroneckerDelta(c, 0), x*kroneckerDelta(d, 0)]

シンボリック関数の逆 Z 変換

シンボリック関数の逆 Z 変換を計算します。1 番目の引数がシンボリック関数を含む場合、2 番目の引数はスカラーでなければなりません。

syms f1(x) f2(x) a b
f1(x) = exp(x);
f2(x) = x;
iztrans([f1, f2],x,[a, b])
ans =
[ iztrans(exp(x), x, a), iztrans(x, x, b)]

逆 Z 変換が求まらない場合

iztrans が逆変換を計算できない場合は、未評価の呼び出しを返します。

syms F(z) n
F(z) = exp(z);
f = iztrans(F,z,n)
f =
iztrans(exp(z), z, n)

ztrans を使用して元の式を返します。

ztrans(f,n,z)
ans =
exp(z)

入力引数

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シンボリック式、シンボリック関数、シンボリック ベクトルまたはシンボリック行列で指定される入力。

独立変数。シンボリック変数、シンボリック式、シンボリック ベクトルまたはシンボリック行列として指定します。この変数は、多くの場合 "複素周波数変数" と呼ばれます。変数を指定しない場合、iztransz を使用します。Fz が含まれない場合、iztrans は関数 symvar を使用します。

変換変数。シンボリック変数、シンボリック式、シンボリック ベクトルまたはシンボリック行列として指定します。多くの場合 "時間変数" または "空間変数" と呼ばれます。既定では、iztransn を使用します。nF の独立変数の場合、iztransk を使用します。

詳細

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逆 Z 変換

R が正の数値であり、関数 F = F(z) は円 |z| = R の円周上および外部で解析的となる場合、逆 Z 変換は次のようになります。

f(n)=12πi|z|=RF(z)zn1dz,n=0,1,2...

ヒント

  • いずれかの引数が配列である場合、iztrans は配列の全要素について要素単位で動作します。

  • 1 番目の引数がシンボリック関数を含む場合、2 番目の引数はスカラーでなければなりません。

  • 直接 Z 変換を計算するには、ztrans を使用します。

バージョン履歴

R2006a より前に導入