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ellipticPi

完全および不完全な第 3 種楕円積分

説明

ellipticPi(n,m) は、第 3 種完全楕円積分を返します。

ellipticPi(n,phi,m) は、第 3 種不完全楕円積分を返します。

第 3 種不完全楕円積分の計算

以下の数値について第 3 種不完全楕円積分を計算します。これらの数値はシンボリック オブジェクトではないため、結果は浮動小数点数となります。

s = [ellipticPi(-2.3, pi/4, 0), ellipticPi(1/3, pi/3, 1/2),...
ellipticPi(-1, 0, 1),  ellipticPi(2, pi/6, 2)]
s =
    0.5877    1.2850         0    0.7507

同じ数値をシンボリック オブジェクトに変換して第 3 種不完全楕円積分を計算します。ほとんどのシンボリックな (厳密な) 数値について、ellipticPi は未解決のシンボリックな呼び出しを返します。

s = [ellipticPi(-2.3, sym(pi/4), 0), ellipticPi(sym(1/3), pi/3, 1/2),...
ellipticPi(-1, sym(0), 1),  ellipticPi(2, pi/6, sym(2))]
s =
[ ellipticPi(-23/10, pi/4, 0), ellipticPi(1/3, pi/3, 1/2),...
0, (2^(1/2)*3^(1/2))/2 - ellipticE(pi/6, 2)]

ここで、ellipticE は第 2 種不完全楕円積分を表します。

vpa を使用して、この結果を浮動小数点数で近似します。

vpa(s, 10)
ans =
[ 0.5876852228, 1.285032276, 0, 0.7507322117]

第 3 種不完全楕円積分の微分

第 3 種完全楕円積分を含む式を微分します。

syms n m
diff(ellipticPi(n, m), n)
diff(ellipticPi(n, m), m)
ans =
ellipticK(m)/(2*n*(n - 1)) + ellipticE(m)/(2*(m - n)*(n - 1)) -...
(ellipticPi(n, m)*(- n^2 + m))/(2*n*(m - n)*(n - 1))
 
ans =
- ellipticPi(n, m)/(2*(m - n)) - ellipticE(m)/(2*(m - n)*(m - 1))

ここで、ellipticK および ellipticE は第 1 種および第 2 種の完全楕円積分を表します。

行列入力に対する積分の計算

スカラーおよび行列に対して ellipticPi を呼び出します。1 つの引数が行列である場合、ellipticPi によってスカラー引数は、すべての要素がそのスカラーと等しい、同じサイズの行列に拡張されます。

ellipticPi(sym(0), sym([1/3 1; 1/2 0]))
ans =
[ ellipticK(1/3),  Inf]
[ ellipticK(1/2), pi/2]

ここで、ellipticK は第 1 種完全楕円積分を表します。

入力引数

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入力。数値、ベクトル、行列、または配列、あるいはシンボリック数、変数、配列、関数、または式で指定されます。

入力。数値、ベクトル、行列、または配列、あるいはシンボリック数、変数、配列、関数、または式で指定されます。

入力。数値、ベクトル、行列、または配列、あるいはシンボリック数、変数、配列、関数、または式で指定されます。

詳細

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第 3 種不完全楕円積分

第 3 種不完全楕円積分は、次のように定義されます。

Π(n;φ|m)=0φ1(1nsin2θ)1msin2θdθ

定義によってはパラメーター m の代わりに楕円係数 k またはモジュラー角 α が使用されることに注意してください。これらには、m = k2 = sin2α という関係があります。

第 3 種完全楕円積分

第 3 種完全楕円積分は、次のように定義されます。

Π(n,m)=Π(n;π2|m)=0π/21(1nsin2θ)1msin2θdθ

定義によってはパラメーター m の代わりに楕円係数 k またはモジュラー角 α が使用されることに注意してください。これらには、m = k2 = sin2α という関係があります。

ヒント

  • ellipticPi は、シンボリック オブジェクトではない数値引数に対し浮動小数点の結果を返します。

  • ほとんどのシンボリックな (厳密な) 数値について、ellipticPi は未解決のシンボリックな呼び出しを返します。vpa を使用して、結果を浮動小数点数で近似することができます。

  • 非スカラー引数はすべて同じサイズでなければなりません。1 つまたは 2 つの入力引数が非スカラーの場合、ellipticPi はスカラーを、非スカラー引数と同じサイズの、すべての要素が対応するスカラーと等しいベクトルまたは行列に拡張します。

  • ellipticPi(n, pi/2, m) = ellipticPi(n, m).

参照

[1] Milne-Thomson, L. M. “Elliptic Integrals.” Handbook of Mathematical Functions with Formulas, Graphs, and Mathematical Tables. (M. Abramowitz and I. A. Stegun, eds.). New York: Dover, 1972.

バージョン履歴

R2013a で導入