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RegressionTreeCoderConfigurer

回帰用の二分決定木モデルのコーダー コンフィギュアラー

R2019b 以降

説明

RegressionTreeCoderConfigurer オブジェクトは、回帰用の二分決定木モデル (RegressionTree または CompactRegressionTree) のコーダー コンフィギュアラーです。

コーダー コンフィギュアラーには、コード生成オプションの設定、C/C++ コードの生成、および生成されたコード内のモデル パラメーターの更新を行うための便利な機能があります。

  • コード生成オプションを設定し、オブジェクトのプロパティを使用して木モデル パラメーターのコーダー属性を指定します。

  • generateCode を使用して、回帰木モデルの関数 predict および update の C/C++ コードを生成します。C/C++ コードの生成には MATLAB® Coder™ が必要です。

  • コードを再生成せずに、生成された C/C++ コードのモデル パラメーターを更新します。この機能により、新しいデータまたは設定で木モデルに再学習をさせるときに、C/C++ コードの再生成、再展開および再確認に必要な作業が低減されます。モデル パラメーターを更新する前に、validatedUpdateInputs を使用して更新対象のモデル パラメーターを検証および抽出します。

次のフロー チャートは、コーダー コンフィギュアラーを使用するコード生成のワークフローを示します。

Two code generation workflows: the first after training a model, and the second after retraining the same model. First workflow, Step 1: Create a coder configurer. Step 2: Generate code. Step 3: Verify the generated code. Second workflow, Step 1: Check if the update is valid. If yes, go to Step 2; if no, go to the first step of the first workflow. Step 2: Update the model parameters in the generated code.

回帰木モデルのコード生成に関する使用上の注意および制限については、CompactRegressionTreepredict および update の「コード生成」の節を参照してください。

作成

fitrtree を使用して回帰木モデルに学習させた後で、learnerCoderConfigurer を使用してモデルのコーダー コンフィギュアラーを作成します。コーダー コンフィギュアラーのプロパティを使用して、predict および update の引数のコーダー属性を指定します。その後、generateCode を使用して、指定したコーダー属性に基づく C/C++ コードを生成します。

プロパティ

すべて展開する

predict の引数

この節に記載されているプロパティは、生成されるコードにおける関数 predict の引数のコーダー属性を指定します。

回帰木モデルの関数 predict に対して生成される C/C++ コードに渡す、予測子データのコーダー属性。LearnerCoderInput オブジェクトとして指定します。

関数 learnerCoderConfigurer を使用してコーダー コンフィギュアラーを作成する場合、入力引数 XLearnerCoderInput のコーダー属性の既定値を決定します。

  • SizeVector — 既定値は入力 X の配列サイズです。

  • VariableDimensions — この値は [0 0] (既定) または [1 0] です。

    • [0 0] は、SizeVector の指定に従って配列サイズを固定することを示します。

    • [1 0] は、配列の行が可変サイズ、列が固定サイズであることを示します。この場合、SizeVector の 1 番目の値は行数の上限、SizeVector の 2 番目の値は列数です。

  • DataType — この値は single または double です。既定のデータ型は、入力 X のデータ型に依存します。

  • Tunability — この値は、生成される C/C++ コードの predict に必ず予測子データを入力として含めることを意味する true でなければなりません。

コーダー属性は、ドット表記を使用して変更できます。たとえば、3 つの予測子変数の 100 個の観測値が含まれている予測子データを受け入れる C/C++ コードを生成するには、コーダー コンフィギュアラー configurerX のコーダー属性を次のように指定します。

configurer.X.SizeVector = [100 3];
configurer.X.DataType = 'double';
configurer.X.VariableDimensions = [0 0];
[0 0] は、X の 1 番目および 2 番目の次元 (それぞれ観測値の個数と予測子変数の個数) が固定サイズであることを示します。

生成される C/C++ コードが、最大 100 個の観測値がある予測子データを受け入れるようにするには、次のように X のコーダー属性を指定します。

configurer.X.SizeVector = [100 3];
configurer.X.DataType = 'double';
configurer.X.VariableDimensions = [1 0];
[1 0] は、X の 1 番目の次元 (観測値の個数) が可変サイズであり、X の 2 番目の次元 (予測子変数の個数) が固定サイズであることを示します。指定した観測値の個数 (この例では 100) は、生成される C/C++ コードで許容される観測値の最大数になります。任意の個数の観測値を可能にするには、上限として Inf を指定します。

回帰木モデルの関数 predict に対して生成される C/C++ コードから返される出力引数の個数。1 または 2 を指定します。

predict の出力引数は、順番に Yfit (予測された応答) および node (予測のノード数) です。生成された C/C++ コードの predict は、関数 predict の最初の n 個の出力を返します。nNumOutputs の値です。

コーダー コンフィギュアラー configurer を作成した後で、ドット表記を使用して出力の個数を指定できます。

configurer.NumOutputs = 2;

NumOutputs プロパティは、codegen (MATLAB Coder) のコンパイラ オプション '-nargout' と等価です。このオプションは、コード生成のエントリポイント関数における出力引数の個数を指定します。オブジェクト関数 generateCode は、回帰木モデルの関数 predict および update 用に predict.m および update.m という 2 つのエントリポイント関数をそれぞれ生成し、この 2 つのエントリポイント関数の C/C++ コードを生成します。NumOutputs プロパティについて指定した値は、エントリポイント関数 predict.m の出力引数の個数に対応します。

データ型: double

update の引数

この節に記載されているプロパティは、生成されるコードにおける関数 update の引数のコーダー属性を指定します。関数 update は、学習済みモデルと新しいモデル パラメーターを入力引数として受け入れ、新しいパラメーターが含まれている更新されたバージョンのモデルを返します。生成コード内のパラメーターを更新できるようにするには、コード生成の前にパラメーターのコーダー属性を指定する必要があります。各パラメーターのコーダー属性を指定するには、LearnerCoderInput オブジェクトを使用します。既定の属性値は、learnerCoderConfigurer の入力引数 Mdl のモデル パラメーターに基づきます。

ツリーの各ノードの子ノード (回帰木モデルの Children) のコーダー属性。LearnerCoderInput オブジェクトとして指定します。

LearnerCoderInput オブジェクトの既定の属性値は、learnerCoderConfigurer の入力引数 Mdl に基づきます。

  • SizeVector — 既定値は [nd 2] です。ndMdl 内のノードの数です。

  • VariableDimensions — この値は [0 0] (既定) または [1 0] です。

    • [0 0] は、SizeVector の指定に従って配列サイズを固定することを示します。

    • [1 0] は、配列の行が可変サイズ、列が固定サイズであることを示します。この場合、SizeVector の 1 番目の値は行数の上限、SizeVector の 2 番目の値は列数です。

  • DataType — この値は 'single' または 'double' です。既定のデータ型は、Mdl の学習に使用する学習データのデータ型に一致します。

  • Tunability — この値は true でなければなりません。

SizeVector の最初の次元を newnd になるように変更すると、プロパティ CutPointCutPredictorIndex、および NodeMean について、SizeVector 属性の最初の次元が newnd になるように変更されます。同様に、VariableDimensions の最初の次元を 1 になるように変更すると、これらのプロパティについて VariableDimensions 属性の最初の次元が 1 に変更されます。

ツリーの各ノードの切り取り点 (回帰木モデルの CutPoint) のコーダー属性。LearnerCoderInput オブジェクトとして指定します。

LearnerCoderInput オブジェクトの既定の属性値は、learnerCoderConfigurer の入力引数 Mdl に基づきます。

  • SizeVector — 既定値は [nd 1] です。ndMdl 内のノードの数です。

  • VariableDimensions — この値は [0 0] (既定) または [1 0] です。

    • [0 0] は、SizeVector の指定に従って配列サイズを固定することを示します。

    • [1 0] は、配列の行が可変サイズ、列が固定サイズであることを示します。この場合、SizeVector の 1 番目の値は行数の上限、SizeVector の 2 番目の値は列数です。

  • DataType — この値は 'single' または 'double' です。既定のデータ型は、Mdl の学習に使用する学習データのデータ型に一致します。

  • Tunability — この値は true でなければなりません。

SizeVector の最初の次元を newnd になるように変更すると、プロパティ ChildrenCutPredictorIndex、および NodeMean について、SizeVector 属性の最初の次元が newnd になるように変更されます。同様に、VariableDimensions の最初の次元を 1 になるように変更すると、これらのプロパティについて VariableDimensions 属性の最初の次元が 1 に変更されます。

ツリーの各ノードの切り取り予測子インデックス (回帰木モデルの CutPredictorIndex) のコーダー属性。LearnerCoderInput オブジェクトとして指定します。

LearnerCoderInput オブジェクトの既定の属性値は、learnerCoderConfigurer の入力引数 Mdl に基づきます。

  • SizeVector — 既定値は [nd 1] です。ndMdl 内のノードの数です。

  • VariableDimensions — この値は [0 0] (既定) または [1 0] です。

    • [0 0] は、SizeVector の指定に従って配列サイズを固定することを示します。

    • [1 0] は、配列の行が可変サイズ、列が固定サイズであることを示します。この場合、SizeVector の 1 番目の値は行数の上限、SizeVector の 2 番目の値は列数です。

  • DataType — この値は 'single' または 'double' です。既定のデータ型は、Mdl の学習に使用する学習データのデータ型に一致します。

  • Tunability — この値は true でなければなりません。

SizeVector の最初の次元を newnd になるように変更すると、プロパティ ChildrenCutPoint、および NodeMean について、SizeVector 属性の最初の次元が newnd になるように変更されます。同様に、VariableDimensions の最初の次元を 1 になるように変更すると、これらのプロパティについて VariableDimensions 属性の最初の次元が 1 に変更されます。

ツリーの各ノードの平均応答値 (回帰木モデルの NodeMean) のコーダー属性。LearnerCoderInput オブジェクトとして指定します。

LearnerCoderInput オブジェクトの既定の属性値は、learnerCoderConfigurer の入力引数 Mdl に基づきます。

  • SizeVector — 既定値は [nd 1] です。ndMdl 内のノードの数です。

  • VariableDimensions — この値は [0 0] (既定) または [1 0] です。

    • [0 0] は、SizeVector の指定に従って配列サイズを固定することを示します。

    • [1 0] は、配列の行が可変サイズ、列が固定サイズであることを示します。この場合、SizeVector の 1 番目の値は行数の上限、SizeVector の 2 番目の値は列数です。

  • DataType — この値は 'single' または 'double' です。既定のデータ型は、Mdl の学習に使用する学習データのデータ型に一致します。

  • Tunability — この値は true でなければなりません。

SizeVector の最初の次元を newnd になるように変更すると、プロパティ ChildrenCutPoint、および CutPredictorIndex について、SizeVector 属性の最初の次元が newnd になるように変更されます。同様に、VariableDimensions の最初の次元を 1 になるように変更すると、これらのプロパティについて VariableDimensions 属性の最初の次元が 1 に変更されます。

他のコンフィギュアラーのオプション

生成される C/C++ コードのファイル名。文字ベクトルを指定します。

RegressionTreeCoderConfigurer のオブジェクト関数 generateCode は、このファイル名を使用して C/C++ コードを生成します。

オペレーティング システムの構成によってはコード生成に失敗する可能性があるので、ファイル名には空白を含めないでください。また、名前は有効な MATLAB 関数名でなければなりません。

コーダー コンフィギュアラー configurer を作成した後で、ドット表記を使用してファイル名を指定できます。

configurer.OutputFileName = 'myModel';

データ型: char

詳細レベル。true (logical 1) または false (logical 0) を指定します。詳細レベルは、コマンド ラインにおける通知メッセージの表示を制御します。

説明
true (logical 1)パラメーターのコーダー属性に対する変更によって他の従属するパラメーターが変化する場合、通知メッセージが表示されます。
false (logical 0)通知メッセージは表示されません。

生成コード内の機械学習のモデル パラメーターを更新できるようにするには、コード生成の前にパラメーターのコーダー属性を構成する必要があります。パラメーターのコーダー属性は互いに依存するので、依存関係が構成の制約として保存されます。コーダー コンフィギュアラーを使用してパラメーターのコーダー属性を変更するときに、構成の制約を満たすために他の従属するパラメーターも変更する必要がある場合、従属するパラメーターのコーダー属性が変更されます。詳細レベルは、これらの引き続いて起きた変更についてメッセージを表示するかどうかを決定します。

コーダー コンフィギュアラー configurer を作成した後で、ドット表記を使用して詳細レベルを変更できます。

configurer.Verbose = false;

データ型: logical

コード生成のカスタマイズのオプション

コード生成ワークフローをカスタマイズするには、関数 generateCode を使用するのではなく、関数 generateFiles と以下の 3 つのプロパティを codegen (MATLAB Coder) で使用します。

関数 generateFiles を使用して 2 つのエントリポイント関数ファイル (predict.m および update.m) を生成した後で、独自のコード生成ワークフローに従って、これらのファイルを変更できます。たとえば、predict.m ファイルを変更してデータの前処理を含めたり、これらのエントリポイント関数を別のコード生成プロジェクトに追加したりできます。その後、関数 codegen と、変更したエントリポイント関数またはコード生成プロジェクトに適した codegen (MATLAB Coder) の引数とを使用して C/C++ コードを生成できます。引数 codegen を設定するための出発点として、このセクションで説明されている 3 つのプロパティを使用します。

この プロパティ は読み取り専用です。

codegen (MATLAB Coder) の引数。cell 配列を指定します。

このプロパティにより、コード生成ワークフローをカスタマイズできます。ワークフローをカスタマイズする必要がない場合は関数 generateCode を使用します。

generateCode をコーダー コンフィギュアラー configurer に対して使用する代わりに、次のようにして C/C++ コードを生成できます。

generateFiles(configurer)
cgArgs = configurer.CodeGenerationArguments;
codegen(cgArgs{:})
コード生成ワークフローをカスタマイズする場合、それに応じて、codegen を呼び出す前に cgArgs を変更します。

configurer の他のプロパティを変更すると、それに従って CodeGenerationArguments プロパティが更新されます。

データ型: cell

この プロパティ は読み取り専用です。

コード生成用のエントリポイント関数 predict.m の入力引数。coder.PrimitiveType (MATLAB Coder) オブジェクトの cell 配列を指定します。coder.PrimitiveType オブジェクトには、X プロパティに格納されている予測子データのコーダー属性が含まれています。

予測子データのコーダー属性を変更すると、それに従って coder.PrimitiveType オブジェクトが更新されます。

PredictInputscoder.PrimitiveType オブジェクトは、コーダー コンフィギュアラー configurerconfigurer.CodeGenerationArguments{6} と等価です。

データ型: cell

この プロパティ は読み取り専用です。

コード生成用のエントリポイント関数 update.m の調整可能な入力引数のリスト。coder.PrimitiveType (MATLAB Coder) オブジェクトが含まれている構造体の cell 配列を指定します。各 coder.PrimitiveType オブジェクトには、調整可能な機械学習モデル パラメーターのコーダー属性が格納されます。

コーダー コンフィギュアラーのプロパティ (update の引数のプロパティ) を使用してモデル パラメーターのコーダー属性を変更すると、それに従って対応する coder.PrimitiveType オブジェクトが更新されます。機械学習モデル パラメーターの Tunability 属性として false を指定した場合、対応する coder.PrimitiveType オブジェクトが UpdateInputs のリストから削除されます。

UpdateInputs の構造体は、コーダー コンフィギュアラー configurerconfigurer.CodeGenerationArguments{3} と等価です。

データ型: cell

オブジェクト関数

generateCodeコーダー コンフィギュアラーの使用による C/C++ コードの生成
generateFilesコーダー コンフィギュアラーを使用するコード生成用 MATLAB ファイルの生成
validatedUpdateInputs更新する機械学習モデルのパラメーターの検証および抽出

すべて折りたたむ

機械学習モデルに学習させてから、コーダー コンフィギュアラーを使用して、このモデルの関数 predict および update に対してコードを生成します。

自動車のデータを含む carbig データ セットを読み込み、回帰木モデルに学習させます。

load carbig
X = [Displacement Horsepower Weight];
Y = MPG;
Mdl = fitrtree(X,Y);

Mdl は、RegressionTree オブジェクトです。

learnerCoderConfigurer を使用して、RegressionTree モデルについてコーダー コンフィギュアラーを作成します。予測子データ X を指定します。関数 learnerCoderConfigurer は、入力 X を使用して、関数 predict の入力のコーダー属性を設定します。

configurer = learnerCoderConfigurer(Mdl,X)
configurer = 
  RegressionTreeCoderConfigurer with properties:

   Update Inputs:
             Children: [1x1 LearnerCoderInput]
             NodeMean: [1x1 LearnerCoderInput]
             CutPoint: [1x1 LearnerCoderInput]
    CutPredictorIndex: [1x1 LearnerCoderInput]

   Predict Inputs:
                    X: [1x1 LearnerCoderInput]

   Code Generation Parameters:
           NumOutputs: 1
       OutputFileName: 'RegressionTreeModel'


configurer は、RegressionTree オブジェクトのコーダー コンフィギュアラーである RegressionTreeCoderConfigurer オブジェクトです。

C/C++ コードを生成するには、適切に設定されている C/C++ コンパイラにアクセスできなければなりません。MATLAB Coder は、サポートされているインストール済みのコンパイラを探して使用します。mex -setup を使用すると、既定のコンパイラを表示および変更できます。詳細は、既定のコンパイラの変更を参照してください。

既定の設定を使用して、回帰木モデル (Mdl) の関数 predict および update に対するコードを生成します。

generateCode(configurer)
generateCode creates these files in output folder:
'initialize.m', 'predict.m', 'update.m', 'RegressionTreeModel.mat'
Code generation successful.

関数 generateCode は、以下の処理を実行します。

  • コードを生成するために必要な MATLAB ファイルを生成する。これには、Mdl の関数 predict および update にそれぞれ対応する 2 つのエントリポイント関数 predict.m および update.m が含まれます。

  • 2 つのエントリポイント関数に対して、RegressionTreeModel という名前の MEX 関数を作成する。

  • MEX 関数のコードを codegen\mex\RegressionTreeModel フォルダーに作成する。

  • MEX 関数を現在のフォルダーにコピーする。

関数typeを使用して、predict.mupdate.m および initialize.m ファイルの内容を表示します。

type predict.m
function varargout = predict(X,varargin) %#codegen
% Autogenerated by MATLAB, 25-Jan-2024 22:13:16
[varargout{1:nargout}] = initialize('predict',X,varargin{:});
end
type update.m
function update(varargin) %#codegen
% Autogenerated by MATLAB, 25-Jan-2024 22:13:16
initialize('update',varargin{:});
end
type initialize.m
function [varargout] = initialize(command,varargin) %#codegen
% Autogenerated by MATLAB, 25-Jan-2024 22:13:16
coder.inline('always')
persistent model
if isempty(model)
    model = loadLearnerForCoder('RegressionTreeModel.mat');
end
switch(command)
    case 'update'
        % Update struct fields: Children
        %                       NodeMean
        %                       CutPoint
        %                       CutPredictorIndex
        model = update(model,varargin{:});
    case 'predict'
        % Predict Inputs: X
        X = varargin{1};
        if nargin == 2
            [varargout{1:nargout}] = predict(model,X);
        else
            PVPairs = cell(1,nargin-2);
            for i = 1:nargin-2
                PVPairs{1,i} = varargin{i+1};
            end
            [varargout{1:nargout}] = predict(model,X,PVPairs{:});
        end
end
end

データ セットの一部を使用して回帰木に学習させ、モデルについてコーダー コンフィギュアラーを作成します。コーダー コンフィギュアラーのプロパティを使用してモデル パラメーターのコーダー属性を指定します。コーダー コンフィギュアラーのオブジェクト関数を使用して、新しい予測子データについて応答を予測する C コードを生成します。その後、データ セット全体を使用してモデルに再学習をさせ、コードを再生成せずに、生成されたコードのパラメーターを更新します。

モデルの学習

carbig データ セットを読み込み、観測値の半分を使用して回帰木モデルに学習させます。

load carbig
X = [Displacement Horsepower Weight];
Y = MPG;

rng('default') % For reproducibility
n = length(Y);
idxTrain = randsample(n,n/2);
XTrain = X(idxTrain,:);
YTrain = Y(idxTrain);

Mdl = fitrtree(XTrain,YTrain);

Mdl は、RegressionTree オブジェクトです。

コーダー コンフィギュアラーの作成

learnerCoderConfigurer を使用して、RegressionTree モデルについてコーダー コンフィギュアラーを作成します。予測子データ XTrain を指定します。関数 learnerCoderConfigurer は、入力 XTrain を使用して、関数 predict の入力のコーダー属性を設定します。また、生成されるコードが予測される応答および予測子のノード数を返すようにするため、出力の個数を 2 に設定します。

configurer = learnerCoderConfigurer(Mdl,XTrain,'NumOutputs',2);

configurer は、RegressionTree オブジェクトのコーダー コンフィギュアラーである RegressionTreeCoderConfigurer オブジェクトです。

パラメーターのコーダー属性の指定

生成されたコードのパラメーターをモデルの再学習後に更新できるようにするため、回帰木モデルのパラメーターのコーダー属性を指定します。

生成されたコードが任意の個数の観測値を受け入れるように、configurerX プロパティのコーダー属性を指定します。属性 SizeVector および VariableDimensions を変更します。属性 SizeVector は、予測子データのサイズの上限を指定し、属性 VariableDimensions は、予測子データの各次元が可変サイズと固定サイズのどちらであるかを指定します。

configurer.X.SizeVector = [Inf 3];
configurer.X.VariableDimensions
ans = 1x2 logical array

   1   0

1 番目の次元のサイズは、観測値の個数です。属性 SizeVector の値を Inf に設定すると、ソフトウェアは属性 VariableDimensions の値を 1 に変更します。言い換えると、サイズの上限は Inf であり、サイズは可変です。これは、予測子データが任意の数の観測値をもつことができることを意味しています。この指定は、コードを生成するときに観測値の個数が不明である場合に便利です。

2 番目の次元のサイズは、予測子変数の個数です。この値は、1 つの機械学習モデルに対して固定でなければなりません。予測子データには 3 個の予測子が含まれているため、属性 SizeVector の値は 3、属性 VariableDimensions の値は 0 でなければなりません。

新しいデータまたは異なる設定を使用して木モデルに再学習させる場合、木のノードの数が変化する可能性があります。したがって、生成されたコードでノードの数を更新できるように、ChildrenCutPointCutPredictorIndex または NodeMean のいずれかのプロパティの SizeVector 属性の最初の次元を指定します。そうすると、他のプロパティは自動的に変更されます。

たとえば、NodeMean プロパティの SizeVector 属性の最初の値を Inf に設定します。ソフトウェアによって ChildrenCutPoint および CutPredictorIndexSizeVector 属性および VariableDimensions 属性が変更され、木のノード数の新しい上限に合致するようになります。さらに、NodeMeanVariableDimensions 属性の最初の値が 1 に変更されます。

configurer.NodeMean.SizeVector = [Inf 1];
SizeVector attribute for Children has been modified to satisfy configuration constraints.
SizeVector attribute for CutPoint has been modified to satisfy configuration constraints.
SizeVector attribute for CutPredictorIndex has been modified to satisfy configuration constraints.
VariableDimensions attribute for Children has been modified to satisfy configuration constraints.
VariableDimensions attribute for CutPoint has been modified to satisfy configuration constraints.
VariableDimensions attribute for CutPredictorIndex has been modified to satisfy configuration constraints.
configurer.NodeMean.VariableDimensions
ans = 1x2 logical array

   1   0

コードの生成

C/C++ コードを生成するには、適切に設定されている C/C++ コンパイラにアクセスできなければなりません。MATLAB Coder は、サポートされているインストール済みのコンパイラを探して使用します。mex -setup を使用すると、既定のコンパイラを表示および変更できます。詳細は、既定のコンパイラの変更を参照してください。

回帰木モデル (Mdl) の関数 predict および update のコードを生成します。

generateCode(configurer)
generateCode creates these files in output folder:
'initialize.m', 'predict.m', 'update.m', 'RegressionTreeModel.mat'
Code generation successful.

関数 generateCode は、以下の処理を実行します。

  • コードを生成するために必要な MATLAB ファイルを生成する。これには、Mdl の関数 predict および update にそれぞれ対応する 2 つのエントリポイント関数 predict.m および update.m が含まれます。

  • 2 つのエントリポイント関数に対して、RegressionTreeModel という名前の MEX 関数を作成する。

  • MEX 関数のコードを codegen\mex\RegressionTreeModel フォルダーに作成する。

  • MEX 関数を現在のフォルダーにコピーする。

生成されたコードの確認

予測子データを渡して、Mdl の関数 predict と MEX 関数の関数 predict が同じ予測応答を返すかどうかを確認します。複数のエントリポイントがある MEX 関数内のエントリポイント関数を呼び出すため、1 番目の入力引数として関数名を指定します。

[Yfit,node] = predict(Mdl,XTrain);
[Yfit_mex,node_mex] = RegressionTreeModel('predict',XTrain);

YfitYfit_mex と、nodenode_mex と比較します。

max(abs(Yfit-Yfit_mex),[],'all')
ans = 0
isequal(node,node_mex)
ans = logical
   1

一般的に、Yfit と比較すると、Yfit_mex には丸めによる差が含まれている可能性があります。この場合では、比較によって YfitYfit_mex が等しいことが確かめられます。

isequal は、すべての入力引数が等しい場合に logical 1 (true) を返します。この比較により、Mdl の関数 predict と MEX 関数の関数 predict が同じノード数を返すことを確認します。

モデルの再学習と生成コード内のパラメーターの更新

データ セット全体を使用してモデルに再学習をさせます。

retrainedMdl = fitrtree(X,Y);

validatedUpdateInputs を使用して、更新するパラメーターを抽出します。この関数は、retrainedMdl 内の修正されたモデル パラメーターを判別し、修正されたパラメーター値がパラメーターのコーダー属性を満たすかどうかを検証します。

params = validatedUpdateInputs(configurer,retrainedMdl);

生成されたコード内のパラメーターを更新します。

RegressionTreeModel('update',params)

生成されたコードの確認

retrainedMdl の関数 predict の出力引数と、更新した MEX 関数の関数 predict の出力引数を比較します。

[Yfit,node] = predict(retrainedMdl,X);
[Yfit_mex,node_mex] = RegressionTreeModel('predict',X);

max(abs(Yfit-Yfit_mex),[],'all')
ans = 0
isequal(node,node_mex)
ans = logical
   1

この比較により、予測された応答およびノード数が等しいことを確認します。

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