ライブラリ ブラウザーおよびクイック挿入へのライブラリの追加
この例では、Simulink® ライブラリ ブラウザーへのライブラリの追加方法とライブラリをクイック挿入メニューに追加するためのライブラリ ブロックの構成方法を示します。
ライブラリ ブラウザーへのライブラリの追加
ライブラリ ブラウザーには、システムで使用可能なライブラリのツリー ビューが表示されます。このビューからブロックを参照してモデルに追加することができます。
ライブラリ ブラウザーにカスタム ライブラリを追加するには、次の手順に従います。
1. 既存のライブラリ myLib を読み込んでロックを解除します。新しいライブラリを作成することもできます。詳細については、カスタム ライブラリの作成を参照してください。
load_system("myLib") set_param("myLib","Lock","off")
2. ライブラリ ブラウザーに注釈を表示するには、テキスト注釈またはイメージ注釈をライブラリに追加し、その注釈を右クリックして [ライブラリ ブラウザーで表示] を選択します。モデルで注釈を設定する方法の詳細については、Annotate Modelsを参照してください。
ブロックと注釈はライブラリ内で任意の順序に並べることができます。既定では、ライブラリ ブラウザーには、最初にサブシステム、次にブロック、その次に注釈がアルファベット順にリストされて表示されます。ライブラリのユーザーはライブラリ ブラウザーのコンテキスト メニューを使用して、アルファベット順と指定の順序で切り替えることができます。ユーザーが指定の順序を選択した場合、ライブラリでの並び順によって、ライブラリ ブラウザーのグリッドでどのように表示されるかが決まります。
3. MATLAB® コマンド ウィンドウで、次のコマンドを入力して、EnableLBRepository ライブラリのプロパティを on に設定します。
set_param("myLib","EnableLBRepository","on");
ライブラリは、このプロパティがライブラリの保存時に有効になっている場合のみライブラリ ブラウザーに表示されます。
4. ライブラリを MATLAB パス上のフォルダーに保存するか、その場所を MATLAB パスに追加します。
save_system("myLib");
5. カスタム ライブラリをライブラリ ブラウザーに表示する方法を指定するには、次の手順に従います。
カスタム ライブラリが格納されたフォルダー内に新しいスクリプト
slblocksを作成します。次の関数を追加して、カスタム ライブラリ
myLibをライブラリ ブラウザーにMy Libraryという名前で表示するように指定します。
function blkStruct = slblocks Browser.Library = "myLib"; Browser.Name = "My Library"; blkStruct.Browser = Browser;
slblocksを保存します。このファイルは.mファイルまたは.mlxファイルとして保存できますが、P コード ファイルとして保存することはできません。
6. ライブラリ ブラウザーを開くには、Simulink ツールストリップで [ライブラリ ブラウザー] をクリックします。
7. ライブラリ ブラウザーに新しいライブラリを表示するには、ライブラリ ブラウザーでライブラリ リストを右クリックして [ライブラリ ブラウザーを更新] を選択します。

EnableLBRepository をオンに設定せずにカスタム ライブラリを保存すると、ライブラリ ブラウザーの上部にメッセージが表示されることに注意してください。[修正] をクリックして、プロンプトに適宜応答します。

ライブラリへのサブライブラリの追加
ライブラリに複数のブロックが含まれている場合、関連するブロックを別個の Subsystem ブロックでグループ化してサブライブラリを作成することで編成を改善できます。
ライブラリ myLib 内にサブライブラリを作成するには、次の手順に従います。
Basic Signalsという名前の Subsystem ブロックを追加します。Basic Signals内にある既定の Inport ブロックと Outport ブロックを削除します。Subsystem ブロック内ですべてのブロックの入力端子と出力端子が接続されていると、その Subsystem ブロックは再利用可能なライブラリ ブロックと見なされ、参照ライブラリとは見なされません。Basic Signalsブロック内に Step、Ramp、Sin の各ブロックを追加します。必要に応じて、Subsystem ブロック用に、ライブラリの目的を示すテキストやイメージを表示するためのマスクを作成できます。ただし、このマスクに含めることができるのはアイコンだけです。Subsystem ブロックのマスクにコードやパラメーターを追加すると、その Subsystem ブロックは再利用可能なライブラリ ブロックと見なされ、参照ライブラリとは見なされません。
myLibを保存します。ライブラリ ブラウザーにサブライブラリを表示するには、ライブラリ リストを右クリックして [ライブラリ ブラウザーを更新] を選択します。

サブライブラリを使用するときの考慮事項
Subsystem ブロックの名前に Examples などの大文字で始まる単語が含まれている場合、そのサブシステムはライブラリ ブラウザーにサブライブラリとしてではなくブロックとして表示されます。
ライブラリ内にサブシステムの階層を作成する場合、一意のサブシステム名を使用する必要があります。たとえば、
SubsystemA/SubsystemB/SubsystemAなどの階層は作成しないでください。
ライブラリ リスト内のライブラリ順の設定
ライブラリをライブラリ ブラウザーに表示する順序を他のライブラリとの関連で調整できます。既定では、並べ替え優先順位が -1 である Simulink ライブラリがリストの一番上に表示されます。他のライブラリの並べ替え優先順位は 0 であり、Simulink ライブラリの下に表示されます。自分のライブラリをリストの一番上に配置するには、その並べ替え優先順位を -2 に設定します。同じ並べ替え優先順位のライブラリはアルファベット順に並べられます。
ライブラリの並べ替え優先順位を設定するには、sl_customization.m ファイルを MATLAB パスに追加します。次のサンプルの sl_customization の内容では、ライブラリ My Library がライブラリ リストの一番上に配置されます。
function sl_customization(cm) cm.LibraryBrowserCustomizer.applyOrder({'My Library',-2}); end
カスタマイズをすぐに適用するには、MATLAB コマンド ウィンドウで次のコマンドを使用します。
sl_refresh_customizations

クイック挿入メニューへのライブラリ ブロックの追加
ライブラリのブロックにキーワードを追加し、そのキーワードを使用することで、ライブラリ ブロックをモデルにクイック挿入メニューから挿入できます。クイック挿入メニューを使用すると、キャンバスから移動せずにモデルにブロックを直接追加できます。キャンバスをクリックしてクイック挿入メニューを開き、キーワードまたはブロック名を入力していくだけでブロックが追加されます。
次の手順に従って、カスタム ライブラリのブロックにキーワードを追加します。
1. set_param 関数を使用して、Gain ブロックの BlockKeywords パラメーターを設定します。
set_param('myLib/Gain','BlockKeywords',["My Gain", "Your Gain"])
2. ライブラリを保存します。
save_system("myLib")
3. ライブラリ ブラウザーを更新すると、クイック挿入メニューが更新されて新しいキーワードが含まれます。
4. これで、クイック挿入メニューでブロック名かいずれかのキーワードを入力することで Gain ブロックをモデルに追加できます。

クイック挿入を使用するときの考慮事項
キーワードでサポートされている特殊文字は '&'、'('、')'、'+'、'@'、'!' です。
さまざまなライブラリにある頻繁に使用されるブロックを表示する場所であるため、"Commonly Used Blocks" のブロックにキーワードを追加することはできません。"Commonly Used Blocks" で利用可能なブロックにキーワードを追加する場合は、ブロックが定義されているライブラリで追加する必要があります。
クイック挿入メニューは、国際化対応キーボードを使用することで、英語以外の言語のキーワードを使用したブロックの検索をサポートしています。