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Derivative

入力の時間微分の出力

  • Derivative block

ライブラリ:
Simulink / Continuous

説明

シミュレーション時間 t について、Derivative ブロックが入力信号 u の微分を近似します。以下の近似が得られます。

dudt,

これは、Δu/Δt, の数値の差を計算することで得られます。ここで、Δu は入力値の変化で、Δt は前のシミュレーション (メジャー) タイム ステップからの時間の変化です。

このブロックは 1 つの入力を受け入れ、1 つの出力を生成します。ブロックの初期出力はゼロです。

このブロックの正確な入力と出力の関係は、以下のようになります。

y(t)=ΔuΔt=u(t)u(Tprevious)tTprevious|t>Tprevious,

ここで、t は現在のシミュレーション時間で、Tprevious はシミュレーションの最終出力の時間です。後者は、最終のメジャー タイム ステップの時間と同じです。

Derivative ブロックの出力はモデル全体のダイナミクスに影響を受ける可能性があります。出力信号の正確さは、シミュレーションで使用されるタイム ステップのサイズに依存します。ステップが小さいほど、このブロックの出力曲線はより滑らかで正確になります。ただし、連続状態をもつブロックと異なり、ソルバーはこのブロックへの入力が急速に変化しても、より小さいステップを使いません。駆動信号とモデルのダイナミクスによっては、このブロックの出力信号は予期せぬ変動を含む場合があります。これらの変動は主に駆動信号の出力のサイズおよびソルバーのステップ サイズによるものです。

これらの影響があるため、Derivative ブロックの代わりに積分器 (Integrator ブロックなど) を使用するモデル構成にしてください。Integrator ブロックはソルバーがステップ サイズを調整し、シミュレーションの精度を高めることができる状態をもちます。モデル内で Derivative ブロックを使用しないようにするための最適な形式の数学モデルを選択する例は、回路モデルを参照してください。

Derivative ブロックで可変ステップ ソルバーを使用しなければならない場合は、Derivative ブロックが十分な精度をもつ答えを生成できるようにソルバーの最大ステップ サイズを設定してください。この値を決定するために、さまざまなソルバーの設定を使用してシミュレーションを繰り返し実行しなければならない場合があります。

このブロックへの入力が離散信号の場合、入力値が変更されると、入力の連続状態変数の微分係数はインパルスを示します。それ以外の場合は、値は 0 を示します。あるいは、信号の 2 つの最終値の差を使って、離散信号の離散微分係数を決定できます。

y(k)=1Δt(u(k)u(k1))

この方程式の結果を Z 変換すると、以下の結果が得られます。

Y(z)u(z)=1z1Δt=z1Δtz.

Discrete Derivative ブロックがこの動作をモデル化します。Derivative ブロックの代わりにこのブロックを使用すると、離散信号の離散時間微分係数を近似できます。

端子

入力

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微分される信号。実数のスカラーまたはベクトルとして指定します。

データ型: double

出力

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入力信号の時間微分。実数のスカラーまたはベクトルとして指定します。入力信号は時間に対して次のように微分されます。

y(t)=ΔuΔt=u(t)u(Tprevious)tTprevious|t>Tprevious,

ここで、t は現在のシミュレーション時間で、Tprevious はシミュレーションの最終出力の時間です。後者は、最終のメジャー タイム ステップの時間と同じです。

データ型: double

パラメーター

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ブロックの動的な式が y=u˙ であるために、ブロックを状態空間システムとして表すことができないので、Derivative ブロックの正確な線形化は困難です。ただし、伝達関数 s/(cs+1). を作成するために Derivative ブロックに極を追加することによって線形化を近似できます。極を追加すると、信号を微分する前に信号がフィルター処理され、ノイズの影響が除去されます。

既定値の [inf] は、線形化 0 に対応します。

ヒント

  • ベスト プラクティスとして、c の値を 1fb へ変更します。ここで、fb はフィルターの折点周波数です。

  • パラメーターは有限の正の値でなければなりません。

プログラムでの使用

ブロック パラメーター: CoefficientInTFapproximation
型: 文字ベクトル、string
値: 'inf'
既定の設定: 'inf'

ブロックの特性

データ型

double

直達

いいえ

多次元信号

いいえ

可変サイズの信号

いいえ

ゼロクロッシング検出

いいえ

拡張機能

バージョン履歴

R2006a より前に導入