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rigidBody

説明

rigidBody オブジェクトは剛体を表します。剛体は、ツリー構造のロボット マニピュレーターすべての基本構成です。各 rigidBody には、その剛体がどのように動けるかを定義する rigidBodyJoint オブジェクトが接続されています。剛体は、rigidBodyTree を使用して、ツリー構造のロボット モデルに組み立てられます。

addBody を呼び出して剛体をロボット モデルに追加する前に、Joint プロパティにジョイント オブジェクトを設定します。剛体が剛体ツリー内にある場合、そのプロパティを直接変更することはできません。ボディ間の関係が破損するからです。replaceJoint を使用してツリー構造全体を変更してください。

作成

説明

body = rigidBody(name) は、指定した名前をもつ剛体を作成します。既定で、ボディには固定ジョイントが付属しています。

body = rigidBody(name,"MaxNumCollisions",N) は、生成されたコードで剛体に追加できる衝突ジオメトリ数の上限を指定します。

入力引数

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剛体の名前。string スカラーまたは文字ベクトルとして指定します。rigidBodyTree オブジェクト内でアクセスできるように、この名前はボディに対し一意でなければなりません。

プロパティ

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剛体の名前。string スカラーまたは文字ベクトルとして指定します。rigidBodyTree オブジェクト内で見つかるように、この名前はボディに対し一意でなければなりません。

データ型: char | string

rigidBodyJoint オブジェクト。ハンドルとして指定します。既定で、ジョイントは 'fixed' タイプです。

剛体の質量。キログラム単位の数値スカラーとして指定します。

剛体の重心位置。[x y z] ベクトルとして指定します。このベクトルは、ボディ座標系を基準とした重心の位置を、メートル単位で記述します。

剛体の慣性。ボディ座標系を基準とした [Ixx Iyy Izz Iyz Ixz Ixy] ベクトルとして、キログラム平方メートル単位で指定します。ベクトルの最初の 3 要素は、"慣性テンソル" の対角要素です。最後の 3 要素は、慣性テンソルの非対角要素です。慣性テンソルは、半正定値の対称行列です。

剛体の親。rigidBody オブジェクト ハンドルとして指定します。剛体ジョイントは、親を基準としてこのボディがどのように動けるかを定義します。剛体が rigidBodyTree ロボット モデルに追加されるまで、このプロパティは空です。

剛体の子。rigidBody オブジェクト ハンドルの cell 配列として指定します。これら剛体の子は、すべてこの剛体オブジェクトに接続されています。剛体が rigidBodyTree ロボット モデルに追加され、このボディを親としてツリーに少なくとももう 1 つのボディが追加されるまで、このプロパティは空です。

ビジュアル ジオメトリ。string スカラーまたは文字ベクトルの cell 配列として指定します。各文字ベクトルは、ビジュアル ジオメトリのタイプとソースを記述します。たとえば、メッシュ ファイル link_0.stl が剛体に接続されている場合、ビジュアルは Mesh:link_0.stl となります。ビジュアル ジオメトリは、addVisual を使用して剛体に追加されます。

衝突ジオメトリ。文字ベクトルの cell 配列として指定します。各文字ベクトルは、衝突オブジェクトのタイプと、衝突ジオメトリの関連パラメーターを記述します。剛体の衝突ジオメトリを変更するには、関数 addCollision および clearCollision を使用します。

オブジェクト関数

copyCreate selective deep copy of rigid body
addCollision衝突ジオメトリを剛体に追加
addVisual剛体へのビジュアル ジオメトリ データの追加
clearCollision接続されたすべての衝突ジオメトリのクリア
clearVisualビジュアル ジオメトリのクリア
getVisualGet visual geometries of the rigid body

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剛体および対応するジョイントを剛体ツリーに追加します。それぞれの rigidBody オブジェクトは rigidBodyJoint オブジェクトを含み、addBody を使用して rigidBodyTree に追加しなければなりません。

剛体ツリーを作成します。

rbtree = rigidBodyTree;

固有の名前をもつ剛体を作成します。

body1 = rigidBody('b1');

回転ジョイントを作成します。既定で、rigidBody オブジェクトには固定ジョイントが付属します。body1.Joint プロパティに新しい rigidBodyJoint オブジェクトを割り当てることにより、ジョイントを置き換えます。

jnt1 = rigidBodyJoint('jnt1','revolute');
body1.Joint = jnt1;

剛体をツリーに追加します。剛体を接続するボディ名を指定します。最初のボディなので、ツリーのベース名を使用します。

basename = rbtree.BaseName;
addBody(rbtree,body1,basename)

ツリーに対して showdetails を使用して、剛体とジョイントが正しく追加されたことを確認します。

showdetails(rbtree)
--------------------
Robot: (1 bodies)

 Idx    Body Name   Joint Name   Joint Type    Parent Name(Idx)   Children Name(s)
 ---    ---------   ----------   ----------    ----------------   ----------------
   1           b1         jnt1     revolute             base(0)   
--------------------

Puma560® ロボットの Denavit-Hartenberg (DH) パラメーターを使用して、ロボットを構築します。各剛体は 1 つずつ追加され、子から親への変換がジョイント オブジェクトによって指定されます。

DH パラメーターは、各剛体がどのように親に接続されているかを基準として、ロボットのジオメトリを定義します。わかりやすくするために、Puma560 ロボットのパラメーターを行列で設定します [1]。Puma ロボットは連続チェーンのマニピュレーターです。DH パラメーターは、前のジョイント接続に対応する行列内の前の行との相対値です。

dhparams = [0   	pi/2	0   	0;
            0.4318	0       0       0
            0.0203	-pi/2	0.15005	0;
            0   	pi/2	0.4318	0;
            0       -pi/2	0   	0;
            0       0       0       0];

剛体ツリー オブジェクトを作成して、ロボットを構築します。

robot = rigidBodyTree;

最初の剛体を作成し、ロボットに追加します。剛体を追加するには次を行います。

  1. rigidBody オブジェクトを作成し、一意の名前を付けます。

  2. rigidBodyJoint オブジェクトを作成し、一意の名前を付けます。

  3. setFixedTransform を使用して、ボディからボディへの変換を DH パラメーターを使用して指定します。DH パラメーターの最後の要素である theta は無視されます。これは、角度がジョイント位置に依存するためです。

  4. addBody を呼び出して、最初のボディのジョイントをロボットの base 座標系に接続します。

body1 = rigidBody('body1');
jnt1 = rigidBodyJoint('jnt1','revolute');

setFixedTransform(jnt1,dhparams(1,:),'dh');
body1.Joint = jnt1;

addBody(robot,body1,'base')

その他の剛体を作成し、ロボットに追加します。addBody を呼び出して接続するときには、前述のボディ名を指定します。各固定変換は、前のジョイント座標系と相対的です。

body2 = rigidBody('body2');
jnt2 = rigidBodyJoint('jnt2','revolute');
body3 = rigidBody('body3');
jnt3 = rigidBodyJoint('jnt3','revolute');
body4 = rigidBody('body4');
jnt4 = rigidBodyJoint('jnt4','revolute');
body5 = rigidBody('body5');
jnt5 = rigidBodyJoint('jnt5','revolute');
body6 = rigidBody('body6');
jnt6 = rigidBodyJoint('jnt6','revolute');

setFixedTransform(jnt2,dhparams(2,:),'dh');
setFixedTransform(jnt3,dhparams(3,:),'dh');
setFixedTransform(jnt4,dhparams(4,:),'dh');
setFixedTransform(jnt5,dhparams(5,:),'dh');
setFixedTransform(jnt6,dhparams(6,:),'dh');

body2.Joint = jnt2;
body3.Joint = jnt3;
body4.Joint = jnt4;
body5.Joint = jnt5;
body6.Joint = jnt6;

addBody(robot,body2,'body1')
addBody(robot,body3,'body2')
addBody(robot,body4,'body3')
addBody(robot,body5,'body4')
addBody(robot,body6,'body5')

関数 showdetails または関数 show を使用して、ロボットが正しく構築されていることを確認します。showdetails は、すべてのボディを MATLAB® コマンド ウィンドウにリストします。show は、指定されたコンフィギュレーション (既定はホーム) でロボットを表示します。axis の呼び出しは、軸の範囲を変更し、軸ラベルを非表示にします。

showdetails(robot)
--------------------
Robot: (6 bodies)

 Idx    Body Name   Joint Name   Joint Type    Parent Name(Idx)   Children Name(s)
 ---    ---------   ----------   ----------    ----------------   ----------------
   1        body1         jnt1     revolute             base(0)   body2(2)  
   2        body2         jnt2     revolute            body1(1)   body3(3)  
   3        body3         jnt3     revolute            body2(2)   body4(4)  
   4        body4         jnt4     revolute            body3(3)   body5(5)  
   5        body5         jnt5     revolute            body4(4)   body6(6)  
   6        body6         jnt6     revolute            body5(5)   
--------------------
show(robot);
axis([-0.5,0.5,-0.5,0.5,-0.5,0.5])
axis off

参考文献

[1] Corke, P. I., and B. Armstrong-Helouvry. "A Search for Consensus among Model Parameters Reported for the PUMA 560 Robot." Proceedings of the 1994 IEEE International Conference on Robotics and Automation, IEEE Computer.Soc. Press, 1994, pp. 1608–13. DOI.org (Crossref), doi:10.1109/ROBOT.1994.351360.

参照

[1] Craig, John J. Introduction to Robotics: Mechanics and Control. Reading, MA: Addison-Wesley, 1989.

[2] Siciliano, Bruno. Robotics: Modelling, Planning and Control. London: Springer, 2009.

拡張機能

バージョン履歴

R2016b で導入

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