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同定されたモデルまたは状態推定器を使用した RUL の推定

システム動作の何らかの様相を記述する同定された動的モデルがある場合、そのモデルを使用して将来の動作を予想することができます。このような動的モデルはシステム データから同定できます。あるいは、時間または使用量によりマシンの動作を表すシステム データがある場合、そのデータから状態インジケーターを抽出して、時間または使用量による状態インジケーターの動作を追跡することができます。その後、状態インジケーターの動作を記述するモデルを同定し、そのモデルを使って状態インジケーターの将来値を予測できます。たとえば、ある状態インジケーターがしきい値を超えるとシステムに修理が必要となることがわかっている場合、その状態インジケーターの時間発展のモデルを同定することができます。その後、モデルの時間を進めて、状態インジケーターがしきい値に至るまでの時間を判定できます。

動的モデルの同定に使用できるいくつかの関数には、以下が含まれます。

  • ssest — 時間領域の入出力データまたは周波数応答データから状態空間モデルを推定します。

  • arxarmaxar — 時系列データから自己回帰 (AR) モデルまたは移動平均 (ARMA) モデルを推定します。

  • nlarx — ウェーブレット ネットワーク、ツリー分割、シグモイド ネットワークなどの動的な非線形性推定器を使用して非線形動作をモデル化します。

forecast のような関数を使用して、同定されたモデルの将来の動作を予測できます。振動信号を使用した状態の監視と予知の例では RUL の予測にこの方法を使用します。

recursiveARXrecursiveAR など、データの収集と処理を行いながらリアルタイムでモデルを当てはめることのできる再帰的推定器もあります。

unscentedKalmanFilterextendedKalmanFilterparticleFilter などの状態推定器を使った RUL の推定も同様に機能します。何らかの時変データに対して状態推定を行い、将来の状態値を予測して、故障に関連付けられた状態値が発生するまでの時間を判定します。

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