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球面座標

球面座標のサポート

球面座標は、空間内のベクトルまたは点を、距離と 2 つの角度で表します。距離 R は、通常のユークリッド ノルムです。2 つの角度の指定には、複数の規則があります。以下が含まれます。

  • 方位角と仰角

  • phi 角度と theta 角度

  • u 座標と v 座標

Phased Array System Toolbox™ ソフトウェアは、方位角/仰角表現をネイティブにサポートしています。このソフトウェアには、方位角/仰角表現と他の表現との間の変換を行う関数も用意されています。phi 角度と theta 角度U 座標と V 座標を参照してください。

方位角と仰角

Phased Array System Toolbox ソフトウェアにおいて、球面座標に関する主な規則は次のとおりです。

  • 方位角 az と仰角 el を使用して、単位球面上の点の位置を定義します。

  • すべての角度を度単位で指定します。

  • 座標を (az,el,R) の順序でリストします。

ベクトルの "方位角" は、x 軸と xy 平面へのベクトルの直交投影との間の角度です。角度は x 軸から y 軸に向かう方向が正です。方位角は -180 ~ 180 度の範囲内です。"仰角" は、ベクトルと xy 平面へのその直交投影との間の角度です。角度は xy 平面から正の z 軸に向かうときに正になります。既定では、素子またはアレイのボアサイト方向は正の x 軸に揃えられます。ボアサイト方向は、素子またはアレイのメイン ローブの方向です。

メモ

仰角を、ベクトルが正の z 軸に対して作る角度として定義している文献もあります。MATLAB® および Phased Array System Toolbox 製品では、この定義は使用されません。

次の図は、緑の実線で示されたベクトルの方位角と仰角を示しています。

Display azimuth and elevation angles.

phi 角度と theta 角度

方位角と仰角の代わりに、φθ で表される角度を使用して、単位球面上の点の位置を表現できます。φ/θ 表現と対応する方位角/仰角表現との間で変換を行うには、座標変換関数 phitheta2azel および azel2phitheta を使用します。

phi 角度 (φ) は、正の y 軸から、yz 平面へのベクトルの直交投影までの角度です。角度は正の z 軸に向かって正になります。phi 角度は 0 ~ 360 度になります。theta 角度 (θ) は、x 軸からベクトル自体までの角度です。角度は yz 平面に向かって正になります。theta 角度は 0 ~ 180 度になります。

次の図は、緑の実線で表示されるベクトルの phi と theta を示しています。

φ/θ と az/el との間の座標変換は、次の方程式で記述されます。

sinel=sinϕsinθtanaz=cosϕtanθcosθ=coselcosaztanϕ=tanel/sinaz

U 座標と V 座標

レーダー用途では、半球 x ≥ 0 を uv で表される座標を使用してパラメーター化することが、多くの場合有用です。

  • ϕ/θ 表現と対応する u/v 表現との間で変換を行うには、座標変換関数 phitheta2uv および uv2phitheta を使用します。

  • 方位角/仰角表現と対応する u/v 表現との間で変換を行うには、座標変換関数 azel2uv および uv2azel を使用します。

uv は、ϕ と θ を使用して次のように定義できます。

u=sinθcosϕv=sinθsinϕ

これらの式において、φ と θ はそれぞれ phi 角度と theta 角度です。

方位角と仰角を uv に変換するには、次の変換を使用します。

u=coselsinazv=sinel

これは、abs(az)≤90 の範囲でのみ有効です。

uv の値は次の不等式を満たします。

1u11v1u2+v21

反対に、phi 角度と theta 角度は uv を使って次のように記述できます。

tanϕ=v/usinθ=u2+v2

方位角と仰角は、uv で次のように記述することもできます。

sinel=vtanaz=u1u2v2

直交座標と球面座標の変換

次の方程式は、直交座標と Phased Array System Toolbox ソフトウェアで使用される (az,el,R) 表現との関係を定義しています。

直交座標から (az,el,R) への変換:

R=x2+y2+z2az=tan1(y/x)el=tan1(z/x2+y2)

(az,el,R) から直交座標への変換:

x=Rcos(el)cos(az)y=Rcos(el)sin(az)z=Rsin(el)

フェーズド アレイに対するターゲットの位置は、一般にアレイからの距離と方向で指定します。アレイからの距離は球面座標における R に対応します。方向は方位角と仰角に対応します。

ヒント

直交座標と (az,el,R) との間で変換を行うには、MATLAB 関数 cart2sph および sph2cart を使用します。これらの関数は、角度をラジアン単位で指定します。度とラジアンとの間で変換を行うには、deg2rad および rad2deg を使用します。

ブロードサイド角度

"ブロードサイド角度" は、入射する信号に対する等間隔直線アレイ (ULA) の応答を記述する場合に有用です。アレイ応答は、方位角と仰角に個別に依存するのではなく、ブロードサイド角度に直接依存します。以下の図は、青で示された y 軸に沿った素子をもつ ULA を示しています。原点で ULA 軸に直交する平面を考えます。ブロードサイド角度 β は、平面と信号方向との間の角度です。ブロードサイド角度を計算するには、信号パス上の任意の点から平面に対して直交する線を構成します。これら 2 つの線の間の角度がブロードサイド角度であり、その値は区間 [–90°,90°] にあります。ブロードサイド角度は、アレイ軸の正の方向に向かって測定する場合に正になります。β がゼロである場合、信号パスはアレイ軸に直交します。β = ±90 の場合、信号パスはアレイ軸に沿って存在します。同じブロードサイド角度をもつすべての信号パスは、ULA 軸の周りに円錐を形成します。

方位角 az と仰角 el からブロードサイド角度 β への変換は次のようになります。

β=sin1(sin(az)cos(el))

この方程式は次を示しています。

  • 仰角がゼロである場合、ブロードサイド角度は方位角に等しくなります。

  • xy 平面の上下で仰角が等しい場合、ブロードサイド角度も同一になります。

ブロードサイド角度から方位角への変換は可能ですが、仰角を指定しなければなりません。

az=sin1(sinβcos(el))

指定されたブロードサイド角度 β に対する信号パスがアレイ軸の周りに円錐を形成するため、仰角を任意に指定することはできません。仰角とブロードサイド角度は次を満たさなければなりません。

|el|+|β|90

例として、以下の図は、y 軸に沿った d メートル間隔の素子をもつ ULA を示しています。ULA は、遠方界の点光源から放射された平面波によって照射されます。方位角を 90° に選択します。このとき、信号方向は yz 平面内にあり、sinβ = cos(el) を満たします。ブロードサイド角度は仰角の余角です。

到来方向の角度のため、平面波がアレイ素子を同時に照射することはありません。入射波がアレイ素子間を進む追加距離は d sinβ です。ここで、d はアレイ素子間の距離です。アレイ素子間の一定の時間遅延 τ は次のとおりです。

τ=dsinβc,

ここで、c は波の速度です。

ブロードサイド角度が ±90° である場合、信号はアレイ軸に平行な方向からアレイに入射し、センサー間の時間遅延は ±d/c に等しくなります。ブロードサイド角度がゼロである場合、平面波は ULA のすべての素子を同時に照射し、素子間の時間遅延はゼロになります。

Phased Array System Toolbox ソフトウェアには、方位角とブロードサイド角度との間で変換を行うための関数 az2broadside および broadside2az が用意されています。

ブロードサイド角度と方位角および仰角との間の変換

次の例は、az2broadside 関数と broadside2az 関数の使用方法を示しています。

ULA に対して、ターゲットが方位角 45°、仰角 60° に位置しています。対応するブロードサイド角度を決定します。

bsang = az2broadside(45,60)
bsang = 
20.7048

ブロードサイド角度 45°、仰角 20° で到達する入射信号に対する方位角を計算します。

az = broadside2az(45,20)
az = 
48.8063