コントロール ポイント レジストレーション
コントロール ポイント レジストレーション (ポイント マッピング) を使用すると、2 つのイメージから手動で選択した対応する特徴に基づいて 2 つのイメージをレジストレーションできます。一方のイメージは、"固定" イメージと呼ばれるもので、目的の方向の参照イメージです。もう一方のイメージは、"移動" イメージと呼ばれるもので、参照イメージに対して位置合わせをするイメージです。"コントロール ポイント" とは、固定イメージと移動イメージ内の同じ特徴またはランドマークを識別する点の組です。コントロール ポイント レジストレーションは次の手順で構成されます。
固定イメージと移動イメージでコントロール ポイントの組を選択します。
コントロール ポイントの選択後、オプションで自動的にコントロール ポイントの配置を微調整します。
コントロール ポイントの位置から幾何学的変換を推定します。
移動イメージに幾何学的変換を適用し、固定イメージと揃ったイメージを作成します。
次の図は、このプロセスを示したものです。拡張例は、コントロール ポイントを使用した投影歪みのあるイメージのレジストレーションを参照してください。

満足する結果が得られるまで、種々の変換タイプを使用して、このプロセスを複数回繰り返すことが必要になる場合があります。場合によっては、連続的にレジストレーションを実行して、まず全体的な大きい歪みを除去してから、以降のパスで局所的な小さい歪みを除去します。
コントロール ポイントの組の選択
2 次元イメージのペア内でコントロール ポイントを対話的に選択するには、コントロール ポイント選択ツールを使用します。cpselect 関数を使用してツールを開きます。次の図は、ツールを最初に起動したときの既定の外観を示しており、左側に移動イメージ、右側に固定イメージが表示されています。

詳細ウィンドウか概要ウィンドウのいずれかで、移動イメージと固定されたイメージをポイントしてクリックし、コントロール ポイントを選択します。移動イメージ内で指定した各点には、固定イメージ内に一致する点がなければなりません。詳細については、一致させるコントロール ポイントのペアの選択を参照してください。
コントロール ポイントをワークスペースに保存するには、コントロール ポイント選択ツールのメニュー バーで [ファイル] を選択し、次に [ワークスペースにポイントをエクスポート] オプションを選択します。これで、イメージ レジストレーションの次の手順でコントロール ポイントが使用できるようになりました。
コントロール ポイントの配置の微調整
相互相関を使用して、2 次元コントロール ポイントの位置を微調整できます。相互相関を使用するには、移動イメージと固定イメージ自体に加え、これらのイメージのコントロール ポイントのペアを関数 cpcorr に渡します。
cpcorr 関数は、移動イメージの各コントロール ポイントと固定イメージの一致させるコントロール ポイントの周囲に 11×11 のピクセル領域を定義します。また、この関数は領域内の各ピクセル値の間の相関を計算します。次に、cpcorr 関数は、最も高い相関値をもつ位置を検出してコントロール ポイントの最適位置として使用します。この関数は、相互相関の結果に基づいて、コントロール ポイントを 4 ピクセルまで移動できます。
メモ
2 つのイメージの中の特徴は、同じスケールで、同じ方向を向いていなければなりません。また、これらは相対回転できません。
cpcorr で一部のコントロール ポイントを相関できない場合、movingPoints に返される値は未変更になります。
幾何学的変換の推定
関数 fitgeotform2d は、次のタイプの幾何学的変換のためのパラメーターをコントロール ポイントのペアから推定できます (複雑さの順に記載します)。この関数は、イメージに変換を適用するためのパラメーターを格納する幾何学的変換オブジェクトを返します。
変換タイプ | 説明 | コントロール ポイントのペアの最小数 | 例 |
|---|---|---|---|
"similarity" | 移動イメージ内の形状は変更されていないが、平行移動、回転、および等方性スケーリングの組み合わせによってイメージの歪みが生じている場合は、この変換を使用します。直線は直線のまま、平行線は平行のままです。 | 2 |
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"reflectivesimilarity" | "similarity" にオプションの鏡映が追加されたものと同じです。 | 3 |
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"affine" | 移動イメージ内の形状がせん断を示す場合は、この変換を使用します。直線は直線のまま、平行線は平行のままですが、四角形は平行四辺形になります。 | 3 |
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"projective" | シーンが傾いて見える場合は、この変換を使用します。直線は直線のままですが、平行線は消失点に向かって収束します。 | 4 |
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"polynomial" | イメージ内のオブジェクトが湾曲している場合は、この変換を使用します。多項式の次数が高いほど、近似度も高くなりますが、結果に含まれる曲線の数が固定イメージより多くなる場合があります。 | 6 (2 次) 10 (3 次) 15 (4 次) |
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"pwl" | イメージの部分ごとに異なる歪みがあるように見える場合は、この変換 (区分的線形) を使用します。 | 4 |
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"lwm" | 歪みが局所的に変化し、区分的な線形が十分でない場合は、この変換を使用します。 | 6 (12 を推奨) |
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選択した変換タイプによって、選択しなければならないコントロール ポイントのペアの数が決まります。たとえば、鏡映なしの相似変換には少なくとも 2 つのコントロール ポイントのペアが必要です。4 次多項式変換の場合は、15 のコントロール ポイントのペアが必要です。これらの変換タイプと各タイプに必要な特殊構文の詳細については、cpselect を参照してください。
3 次元ポイント マッピングの詳細については、fitgeotform3d (Medical Imaging Toolbox) を参照してください。
幾何学的変換の適用
imwarp 関数を使用して、移動イメージに幾何学的変換を適用します。imwarp 関数は、固定イメージに対してレジストレーションされた移動イメージのバージョンを返します。
参考
cpselect | cpcorr | fitgeotform2d | fitgeotform3d (Medical Imaging Toolbox) | imwarp






