MATLAB テスト ベンチの要件とコード生成のためのベスト プラクティス
MATLAB テスト ベンチとは
テスト ベンチとは、MATLAB® 設計関数のアルゴリズムをテストするために作成する MATLAB スクリプトまたは関数です。テスト ベンチは設計に対するさまざまな入力データを変化させることで、現実の状態をシミュレートします。また、出力データが設計仕様を満たしているか確認することもできます。
HDL Coder™ は、設計のテスト ベンチを実行して収集したデータを使用して、浮動小数点から固定小数点への変換時に使用する固定小数点データ型を推定します。また、このデータを使用して、生成されたコードを検証するための HDL および高位合成 (HLS) のテスト データを生成します。最善の結果を得るためのテスト ベンチを作成する方法の詳細は、MATLAB テスト ベンチの要件とコード生成のためのベスト プラクティスを参照してください。
MATLAB テスト ベンチの要件
テスト ベンチでは任意の MATLAB データ型と関数を使用できます。
MATLAB テスト ベンチには次の要件があります。
浮動小数点から固定小数点への変換の場合、テスト ベンチはスクリプトであるか、入力のない関数でなければなりません。入力を取るローカル補助関数はテスト ベンチに含めることができます。
MATLAB 設計インターフェイスの入力と出力は、テスト ベンチ内のどの呼び出しサイトでも同じデータ型、サイズ、実数/複素数を使用しなければなりません。
浮動小数点から固定小数点へのワークフローで [より高速なシミュレーションのためのテスト ベンチの高速化] オプションを有効にする場合、テスト ベンチ ループ内の MATLAB の構成はコンパイル可能でなければなりません。
MATLAB テスト ベンチのベスト プラクティス
次に示す MATLAB テスト ベンチのベスト プラクティスを使用してください。
設計で処理しなければならないデータの数値の範囲全体をカバーするテスト ベンチを設計します。HDL Coder は、浮動小数点から固定小数点への変換時に使用する固定小数点データ型を推定するために、テスト ベンチの実行で蓄積されるデータを基にします。
設計関数をテスト ベンチから複数回呼び出すと、各インスタンスから収集されたデータを使用して固定小数点型が推定されます。設計とテスト ベンチの両方で、ファイル内のローカル関数や、MATLAB パスのその他の関数を呼び出すことができます。設計関数の呼び出しは、テスト ベンチ階層のどのレベルでも実行できます。
コードを生成する前に、MATLAB でテスト ベンチを実行します。シミュレーションの速度が遅い場合は、テスト ベンチを高速化します。シミュレーションの速度を上げる方法の詳細は、MATLAB アルゴリズムの高速化を参照してください。
設計関数を呼び出すループがある場合は、ループ内ではコンパイル可能な MATLAB の構成のみを使用し、[より高速なシミュレーションのためのテスト ベンチの高速化] オプションを有効にします。
テスト ベンチの各シミュレーションを実行する前に、
clear variables
コマンドを使用して永続変数をリセットします。
テスト ベンチの例を表示するには、次のコマンドを入力します。
showdemo mlhdlc_tutorial_float2fixed_files