Main Content

fipref を使用したアンダーフローとオーバーフローのログ作成

オーバーフローとアンダーフローの警告のログ作成

fipref LoggingMode プロパティが on に設定されていると、代入、加算、減算、乗算のすべての演算に対するオーバーフローとアンダーフローの警告のログが作成されます。たとえば、次のようにしてみます。

  1. 1 ~ 5 の値をもつベクトルで、語長が 8 ビット、小数部の長さが 6 ビットの符号付き fi オブジェクトを作成します。

    a = fi(1:5,1,8,6);
  2. a に関連付けられる fimath オブジェクトを定義し、和と乗算の語長と小数部の長さを指定するように設定します。

    F = a.fimath;
    F.SumMode = 'SpecifyPrecision';
    F.ProductMode = 'SpecifyPrecision';
    a.fimath = F;
  3. fipref オブジェクトを定義し、オーバーフローとアンダーフローのログ作成を有効にします。

    P = fipref;
    P.LoggingMode = 'on';
  4. numerictype 表示と fimath 表示を非表示にします。

    P.NumericTypeDisplay = 'none';
    P.FimathDisplay = 'none';
  5. 和と乗算の語長と小数部の長さを指定します。

    a.SumWordLength = 16;
    a.SumFractionLength = 15;
    a.ProductWordLength = 16;
    a.ProductFractionLength = 15;
  6. 代入演算でオーバーフローとアンダーフローの警告が表示されます。たとえば、以下のように入力します。

    a(1) = pi
    Warning: 1 overflow(s) occurred in the fi assignment operation. 
    
    a = 
    
        1.9844    1.9844    1.9844    1.9844    1.9844
    a(1) = double(eps(a))/10
    Warning: 1 underflow(s) occurred in the fi assignment operation. 
    
    a = 
    
             0    1.9844    1.9844    1.9844    1.9844
  7. 加算演算と減算演算でオーバーフローとアンダーフローの警告が表示されます。たとえば、以下のように入力します。

    a+a
    Warning: 12 overflow(s) occurred in the fi + operation. 
    > In  +  (line 24) 
    
    ans = 
    
             0    1.0000    1.0000    1.0000    1.0000
    a-a
    Warning: 8 overflow(s) occurred in the fi - operation. 
    > In  -  (line 24) 
    
    ans = 
    
         0     0     0     0     0
  8. 乗算演算でオーバーフローとアンダーフローの警告が表示されます。たとえば、以下のように入力します。

    a.*a
    Warning: 4 product overflow(s) occurred in the fi .* operation. 
    > In  .*  (line 24) 
    
    ans = 
    
             0    1.0000    1.0000    1.0000    1.0000
    a*a'
    Warning: 4 product overflow(s) occurred in the fi * operation. 
    > In  *  (line 25) 
    Warning: 3 sum overflow(s) occurred in the fi * operation. 
    > In  *  (line 25) 
    
    ans = 
    
        1.0000

上の最後の例は複素数乗算で、乗算演算と加算演算の両方が必要です。両方の演算でオーバーフローとアンダーフローの警告が表示されます。

オーバーフローとアンダーフローの警告のログが作成されるため、関数 dbstop MATLAB® を次の構文で使用できます。

dbstop if warning

これにより、オーバーフローとアンダーフローの原因になっているファイルの行を正確に検出できます。

次のように使用します。

dbstop if warning fi:underflow

これにより、アンダーフローを起こしている行で停止します。次のように使用します。

dbstop if warning fi:overflow

これにより、オーバーフローを起こしている行で停止します。

関数によるログ情報へのアクセス

fipref LoggingMode プロパティを on に設定しておくと、次の関数を使用して、代入と作成の演算に関するログ情報を MATLAB コマンド ラインに返すことができます。

  • maxlog — 最大の実際値を返す

  • minlog — 最小値を返す

  • noverflows — オーバーフローの数を返す

  • nunderflows — アンダーフローの数を返す

演算情報のログを作成するには、演算を行う前に LoggingModeon に設定しておかなければなりません。ログを消去するには、関数 resetlog を使用します。

たとえば、次の式を考えます。最初にログ作成を有効にし、次に演算を行い、最後に演算に関する情報を取得します。

fipref('LoggingMode','on');
x = fi([-1.5 eps 0.5], true, 16, 15);
x(1) = 3.0;
maxlog(x)
ans =

    1.0000
minlog(x)
ans =

    -1
noverflows(x)
ans =

     2
nunderflows(x)
ans =

     1

次にログをリセットし、同じ情報をもう一度要求します。演算の実行後にログをリセットしたため、関数が空の [] を返すことに注意してください。

resetlog(x)
maxlog(x)
Warning: Logging is turned on in 'maxlog'. However, no values have been logged for this variable yet. 

ans =

     []
minlog(x)
Warning: Logging is turned on in 'minlog'. However, no values have been logged for this variable yet. 

ans =

     []
noverflows(x)
Warning: Logging is turned on in 'noverflows'. However, no values have been logged for this variable yet. 

ans =

     []
nunderflows(x)
Warning: Logging is turned on in 'nunderflows'. However, no values have been logged for this variable yet. 

ans =

     []