Chirp
スイープ周波数の余弦 (チャープ) 信号の生成

ライブラリ:
DSP System Toolbox /
Sources
説明
Chirp ブロックは、単位元の振幅と連続位相をもつスイープ周波数の余弦 (チャープ) 信号を出力します。目的の出力チャープ信号を指定するには、瞬時周波数関数 (出力周波数スイープとも呼ばれる) を定義しなければなりません。周波数スイープは線形、二次または対数にすることができ、既定では [Sweep time] ごとに 1 回繰り返します。Chirp ブロックで使用されるアルゴリズムの説明については、アルゴリズムを参照してください。
例
端子
出力
Port_1 — スイープ周波数の余弦 (チャープ) 信号
スカラー | ベクトル
スイープ周波数の余弦 (チャープ) 信号。[Linear]
モード、[Logarithmic]
モード、[Quadratic]
モード ([Frequency sweep] パラメーターで設定) では、ブロックは周波数と時間のパラメーターで指定された瞬時周波数でスイープ周波数の余弦を出力します。[Swept cosine]
モードでは、ブロックは周波数と時間のパラメーターで指定されたものとは異なる可能性のある線形瞬時出力周波数スイープ周波数の余弦を出力します。
ブロックが出力を計算する方法の詳細については、アルゴリズムを参照してください。
データ型: single
| double
パラメーター
Frequency sweep — 周波数スイープのタイプ
Linear
(既定値) | Swept cosine
| Logarithmic
| Quadratic
出力瞬時周波数スイープのタイプ、fi(t): [Linear]
、[Logarithmic]
、[Quadratic]
または [Swept cosine]
。詳細は、周波数スイープの整形とアルゴリズムを参照してください。
制限
線形スイープ チャープ信号が必要な場合、[Linear]
周波数掃引を使用することを推奨します。[Swept cosine]
周波数掃引でも、線形のスイープ チャープ信号を出力しますが、出力に予期しない周波数成分が含まれていることがあります。
[Target time] での余弦スイープ掃引値は、必ずしも [Target frequency] であるとは限りません。これは、余弦スイープ周波数掃引の出力を計算する方法で示されているように、ユーザーの指定スイープが余弦スイープ周波数掃引の実際の出力ではないことが理由です。[Target time] における余弦スイープ掃引の実際値については、表瞬時周波数スイープ値を参照してください。
[Swept cosine] モードでは、1/Tsw が [Initial frequency] パラメーターと [Target frequency] パラメーターの値よりも十分大きくなるようにパラメーターを設定してはなりません。このような場合、余弦スイープ周波数掃引の実際の成分は、1/Tsw に近い可能性があり、[Initial frequency] パラメーターと [Target frequency] パラメーターの値を大幅に超過しています。
Sweep mode — スイープ モード
Unidirectional
(既定値) | Bidirectional
[Sweep mode] パラメーターは、スイープが単方向か双方向かを決定します。これは、出力周波数スイープの形状に影響を与えます (周波数スイープの整形を参照)。次の表では、単方向スイープと双方向スイープの特性を説明します。
[Sweep mode] パラメーターの設定 | スイープの特性 |
---|---|
|
|
|
|
次の図では、両方のスイープ モードでの線形スイープを説明します。スイープで周波数値を設定する方法の詳細については、瞬時周波数スイープ値の設定を参照してください。
Initial frequency (Hz) — 初期周波数
1000
(既定値) | スカラー
[Linear]
、[Quadratic]
および [Swept cosine]
の各スイープでは、出力チャープ信号の初期周波数 f0。[Initial frequency (Hz)] は、ゼロ以上のスカラーとして指定できます。[Logarithmic]
スイープでは、[Initial frequency] はスイープの実際の初期周波数より 1 小さい値です。また、スイープが [Logarithmic]
の場合、[Initial frequency] を [Target frequency] より小さく設定しなければなりません。
詳細については、瞬時周波数スイープ値の設定を参照してください。
調整可能: Yes
Target frequency (Hz) — ターゲット周波数
4000
(既定値) | スカラー
[Linear]
、[Quadratic]
および [Logarithmic]
の各スイープでは、[Target time] tg での出力の瞬時周波数 fi(tg)。[Target frequency (Hz)] は、ゼロ以上のスカラーとして指定できます。[Swept cosine]
スイープでは、[Target frequency] は [Target time] の半分 tg/2 での出力の瞬時周波数。[Frequency sweep] が [Logarithmic]
の場合、[Target frequency] が [Initial frequency] より大きくなるように設定しなければなりません。
詳細については、瞬時周波数スイープ値の設定を参照してください。
調整可能: Yes
Target time (s) — スイープのターゲット時間
1
(既定値) | スカラー
[Linear
]、[Quadratic]
、[Logarithmic]
の各スイープでは、[Target frequency] fi(tg) はスイープが到達する時間 tg です。[Swept cosine]
スイープでは、[Target time] はスイープが 2fi(tg) - f0 に到達する時間。[Target time] はゼロ以上で [Sweep time], 以下のスカラーでなければなりません。
詳細については、瞬時周波数スイープ値の設定を参照してください。
調整可能: Yes
Sweep time (s) — スイープ時間
1
(既定値) | スカラー
[Unidirectional]
の [Sweep mode] では、[Sweep time] Tsw は出力周波数スイープの周期です。[Bidirectional]
の [Sweep mode] では、[Sweep time] は出力周波数スイープの周期の半分です。[Sweep time] は [Target time] 以上のスカラーでなければなりません。
調整可能: Yes
Initial phase (rad) — コサイン出力の初期位相
0
(既定値) | スカラー
t=0; での余弦出力の位相 。[Initial phase (rad)] は、ゼロ以上のスカラーとして指定できます。
調整可能: Yes
Sample time — 出力サンプル周期
1/8000
(既定値) | 正のスカラー
出力のサンプル周期 Ts。出力フレーム周期は MoTs です。ここで、Mo はフレームあたりのサンプル数です。
Samples per frame — フレームごとのサンプル数
1
(既定値) | 正の整数
各出力フレームにバッファリングする、サンプル数 Mo。正の整数スカラーとして指定します。
Output data type — 出力データ型
Double
(既定値) | Single
出力のデータ型。単精度または倍精度として指定します。
ブロックの特性
データ型 |
|
直達 |
|
多次元信号 |
|
可変サイズの信号 |
|
ゼロクロッシング検出 |
|
詳細
周波数スイープの整形
出力瞬時周波数スイープの標準形状 fi(t) は、[Frequency sweep] パラメーターと [Sweep mode] パラメーターを使用して制御します。
スイープ形状を設定するためのパラメーター | 可能な設定 | パラメーターの説明 |
---|---|---|
Frequency sweep | 線形 Quadratic Logarithmic Swept cosine | スイープ周波数が線形的、二次的または対数的に変化するかどうかを決定します。線形と余弦スイープは両方とも線形的に変化します。 |
Sweep mode | Unidirectional Bidirectional | スイープが単方向か双方向かを決定します。詳細については、Sweep mode, Sweep modeSweep modeSweep modeを参照してください。 |
次の図では、[Frequency sweep] パラメーターと [Sweep mode] パラメーターを設定して取得できる周波数スイープの形状を説明します。
スイープで周波数値を設定する方法の詳細については、瞬時周波数スイープ値の設定を参照してください。
瞬時周波数スイープ値の設定
次のパラメーターを設定して、出力周波数スイープの周波数値を調整します。
Initial frequency (Hz)、f0
Target frequency (Hz)、fi(tg)
Target time (s)、tg
次の表は、すべての [Frequency sweep] の設定について、特定時間でのスイープ値をまとめています。他の時間でのスイープ値の計算に使用する式の詳細については、アルゴリズムを参照してください。
瞬時周波数スイープ値
周波数スイープ | t = 0 での スイープ値 | t = t g でのスイープ値 | スイープ値がターゲット周波数 f i ( t g ) の場合の時間 |
---|---|---|---|
Linear | f0 | fi(tg) | tg |
Quadratic | f0 | fi(tg) | tg |
Logarithmic | f0 | fi(tg) | tg |
Swept cosine | f0 | 2fi(tg) - f0 | tg/2 |
アルゴリズム
Chirp ブロックは、[Frequency sweep] パラメーターの設定に応じて、ブロック出力の計算に 2 つの式のいずれかを使用します。詳細については、以降の節を参照してください。
出力計算の方程式
次の表では、ユーザー指定の出力周波数スイープ fi(t)、ブロック出力 ychirp(t) および実際の出力周波数スイープ fi(actual)(t) を計算するためにブロックが使用する方程式を説明します。ユーザー指定のスイープが実際の出力スイープと異なるのは、[Frequency sweep] パラメーターが [Swept cosine]
に設定されている場合のみです。
メモ
以下の方程式は、fi(0) < fi(tg) の場合の単方向スイープにのみ適用されます。他の場合に方程式を派生させる場合は、周波数スイープの整形にある表と図を調べます。
ブロックで使用される方程式の表には次の変数が含まれています。
fi(t) — ユーザー指定の周波数スイープ
fi(actual)(t) — 実際の出力周波数スイープ。通常、fi(t) と等しい
y(t) — Chirp ブロックの出力
— チャープ信号の位相。ここで と は位相の導関数
— [Initial phase] パラメーターの値。ここで
単方向の正のスイープに対する方程式
周波数スイープ | ブロックの出力チャープ信号 | ユーザー指定の周波数スイープ f i ( t ) | 実際の周波数スイープ f i(actual) ( t ) | |
---|---|---|---|---|
| ||||
|
| |||
|
| ここで fi(tg) > f0> 0 | N/A | |
|
|
|
線形、二次および対数に対応する周波数掃引の出力計算方法
チャープ関数の位相導関数は、チャープ関数の瞬時周波数を与えます。Chirp ブロックはこの原則を使用して、[Frequency sweep] パラメーターが [Linear]
、[Quadratic]
または [Logarithmic]
に設定されている場合にチャープ出力を計算します。
位相 のある線形、二次または対数チャープ信号 | |
位相導関数は瞬時周波数 |
たとえば、線形瞬時周波数掃引をもつチャープ信号が必要な場合、[Frequency sweep] パラメーターを [Linear]
に設定し、他のパラメーターを適切に設定して線形スイープ値を調整します。ブロックはチャープ信号を出力し、その位相導関数は指定された線形スイープになります。これにより、出力の瞬時周波数が確実に目的の線形スイープになります。線形、二次および対数のスイープを説明する方程式の詳細については、出力計算の方程式を参照してください。
余弦スイープ周波数掃引の出力を計算する方法
余弦スイープ チャープ信号を生成するには、ブロックでスイープ余弦チャープ出力を次のように設定します。
余弦スイープ チャープ出力 (瞬時周波数方程式は維持されません)。 |
線形、二次および対数に対応する周波数掃引の出力計算方法で示す瞬時周波数方程式は余弦スイープ チャープに対して維持されないため、ユーザー定義の周波数掃引 fi(t) は、余弦スイープ チャープ周波数掃引の実際の出力 fi(actual)(t) ではないことに注意してください。したがって、余弦スイープ出力が予期したように動作しないことがあります。余弦スイープ チャープの動作の詳細については、[Frequency sweep] パラメーターについて説明しているFrequency sweep, Frequency sweepFrequency sweepFrequency sweepおよび出力計算の方程式を参照してください。
拡張機能
C/C++ コード生成
Simulink® Coder™ を使用して C および C++ コードを生成します。
バージョン履歴
R2006a より前に導入
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