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comm.MER
受信信号の変調誤差比の測定
説明
comm.MER
System object™ は、受信機が信号を正確に復調する能力を評価するために使用できる S/N 比 (SNR) 測定の形式を計算します。具体的には、受信信号の変調誤差比 (MER)、最小 MER、百分位 MER を返します。MER 測定値は、通信アプリケーションのシステム パフォーマンスを判断する場合に使用します。たとえば、該当する DVB-T システムが無線伝送規格に準拠しているか確認するには、適合性テストで正確な MER 測定が必要です。
受信信号の MER を測定するには、次のようにします。
comm.MER
オブジェクトを作成し、そのプロパティを設定します。関数と同様に、引数を指定してオブジェクトを呼び出します。
System object の機能の詳細については、System object とはを参照してください。
作成
プロパティ
使用法
構文
説明
は、merdb
= mer1(refSym
,rxSym
)MeasurementIntervalSource
プロパティおよび MeasurementInterval
プロパティで指定した測定間隔で、基準信号 refSym
に対する受信信号 rxSym
の MER を返します。
[
は、構成された測定間隔での最小パーセンテージ MER も返します。merdb
,minMER
] = mer1(refSym
,rxSym
)
この構文を使用するには、MinimumMEROutputPort
プロパティを true
に設定します。
[___,
は、測定間隔の構成に関係なく、最後のリセット以降の入力フレームすべてについて、MER 測定値の下位 X% の値も返します。pMER
] = mer1(refSym
,rxSym
)XPercentileValue
プロパティで X の値を設定します。たとえば、XPercentileValue
を 95
に設定すると、pMER
は最後のリセット以降のすべての MER 測定値の下位 95% の値になります。
この構文を使用するには、XPercentileMEROutputPort
プロパティを true
に設定します。
[___,
は、MER の測定に使用されるシンボルの数も返します。この構文を使用するには、pMER
,numSym
] = mer1(refSym
,rxSym
)XPercentileMEROutputPort
および SymbolCountOutputPort
を true
に設定します。
[___] = mer1(
は、rxSym
)ReferenceConstellation
プロパティで指定した基準信号に対する受信信号の MER を測定します。この構文は、前述のいずれかの出力引数を組み合わせて使用できます。
この構文を使用するには、ReferenceSignalSource
プロパティを "Estimated from reference constellation"
に設定します。
入力引数
出力引数
オブジェクト関数
オブジェクト関数を使用するには、System object を最初の入力引数として指定します。たとえば、obj
という名前の System object のシステム リソースを解放するには、次の構文を使用します。
release(obj)
例
アルゴリズム
MER は、変調された信号の SNR を dB 単位で計算した測定値です。N 個のシンボルを含むバーストに対する MER は次のようになります。
ここで、
ek = .
Ik は、バースト内の k 番目のシンボルの同相成分を表します。
Qk は、バースト内の k 番目のシンボルの直交位相成分を表します。
Ik および Qk は理想的な基準値を表します。
および は受信シンボルを表します。
N は、バースト内のシンボル数を表します。
k 番目のシンボルの MER は次のようになります。
最小 MER は 1 つのバースト中で最も小さい MER 値を表し、次のようになります。
アルゴリズムは、流入する全 MERk 値のヒストグラムを作成することにより、第 X 百分位 MER を計算します。出力で MER 値が得られます。MER 値の X% がこの値を上回ります。
参照
[1] ESTI TR 101 290. Digital Video Broadcasting (DVB): Measurement guidelines for DVB systems. June 2020.
拡張機能
バージョン履歴
R2012a で導入