トヨタ自動車、MATLABの包括契約で“もっといいクルマづくり”への挑戦を加速

数値解析ソフトウェアのリーディングカンパニーであるMathWorksは本日、トヨタ自動車株式会社（以下、トヨタ）が、MATLAB^®およびSimulink^®プラットフォームの包括契約をしたことを発表しました。これにより、モデルベースデザイン（MBD）の利用がさらに推進され、『もっといいクルマづくり』と『モビリティカンパニーへの変革』を実現することができます。

MBDは、エンジニアが複雑なシステムを提供する方法を改善するために、開発プロセス全体を通じてモデルを体系的に使用する手法です。多くの自動車会社では、市場環境の変化に迅速に対応し、顧客へのサービス提供スピードを加速し、開発能力への効率的な投資と改善を達成するためにMBDを使用しています。

トヨタのIT変革担当CPL兼IT開発推進部 部長 岡村達也氏は次のように述べています。

「社内で広く活用されているMATLAB/Simulinkをより効率的に使いこなしていくには、これまでの個別最適な契約形態では世の中の急速かつ多様な変化、不足するモデル設計の人材育成に、タイムリーに対応することが困難な局面に突入していくと考えていました。必要な機能の充実は勿論のこと、多彩なオプションを必要な時に必要なだけ活用でき、教育できる環境整備は今後ますます必須と考えられます。全体最適な契約形態への変更は、ビジネスサイドへのメリットは大きいが、コスト面や運用面で多くの課題を抱えており、IT管理面では乗り越えなければいけないチャレンジでした。それを解決するために、MathWorksの協力によりひとつひとつ課題を議論しクリアする活動をしてまいりました。魅力ある自動車を市場へ投入しつづけることへの架け橋になると期待しております。」

MathWorksの開発部門バイスプレジデントであるAndy Graceは次のように述べています。

「1993年より、私たちは協力してトヨタの開発プロセスを加速させ、自動車業界で模範となるように努力してきました。MathWorks製品を使用することで、手作業によるステップを排除し、予知保全を実行し、要件とシステムアーキテクチャをコンポーネント設計とテストにつなげるデジタルスレッドを作成することができます。今後もトヨタとの協力関係を継続し、不断のイノベーションを通じて、トヨタが世界的なリーダーとしての地位を維持できるよう支援していきたいと思います。」

トヨタは自動車業界においてMBDをいち早く採用しました。その後、日本のほとんどの自動車メーカーがモデリングとシミュレーションにMATLAB^®やSimulink^® などのMathWorks製品を使用して、MBDを採用しています。この設計手法は、自動車メーカーが新しいアイデアをテストし、高速かつ再現可能なテストを行うことができ、開発サイクルを短縮し開発時間を 50% 以上削減することができます。コードの記述、検証などの重要なステップを自動化することで、手作業による手順を省き、人的ミスを減らすことができます。トヨタはまた、モデルをデジタル・ツインとして使用することで、予知保全、故障検出、稼働中のシステムの最適化を行うことも可能です。

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