MATLAB と Simulink による並列シミュレーション

MATLAB と Simulink による並列シミュレーション

大規模シミュレーションを並列実行し、デスクトップからクラスターやクラウドにスケールアップ。

並列計算の使用により、マルチコアプロセッサまたは計算クラスターを活用して複数のシミュレーションを同時に実行します。この機能により、以下のことが可能になります。

  • わずかな手順で複数のシミュレーションを並列でセットアップ、実行、および管理
  • ワークフローを高速化
  • 長時間実行する計算をバックグラウンドまたはリモートハードウェアにオフロードして実行
  • クラスターおよびクラウドにシミュレーションをスケールアップ
Simulink の並列シミュレーション機能を使用したシミュレーション時間の短縮

並列シミュレーションのセットアップおよび実行

[複数のシミュレーション] パネルを使用してパラメーター値を指定し、[すべて実行] をクリックしてシミュレーションを並列実行します。この方法により、スクリプトの記述が不要となり、並列シミュレーションをすぐにセットアップできます。カスタマイズ性を高めるには、シミュレーション入力オブジェクトを作成し、parsim コマンドを使用します。parsim コマンドは、ワーカーの並列プールが開かれていない場合、自動的に並列プールを 1 つ生成します。

[複数のシミュレーション] パネルまたは parsim コマンドを使用することで、Simulink により使用可能な CPU リソースにシミュレーションが分散されるため、全体的なシミュレーション時間が短縮されます。また、シミュレーションの開始後は、シミュレーション マネージャーを使用して進捗の監視および結果の表示が可能です。


関数 batchsim を使用したローカルまたはリモートリソースへのシミュレーションのオフロード

リモートリソースへのシミュレーションのオフロード

batchsim コマンドは、シミュレーションを計算クラスターに分散できる便利な手法です。batchsim を使用すると、MATLAB Parallel Server がインストールされたローカルリソースまたはリモートハードウェアのいずれかにシミュレーションをオフロードし、バックグラウンドで実行できます。これにより、バッチジョブの実行中にその他のタスクを続行できます。


組み込みの Simulink 並列処理機能の活用

[複数のシミュレーション] パネルおよび関数 parsim や batchsim を使用して Simulink シミュレーションを実行するほか、Reinforcement Learning ToolboxSimulink Design OptimizationSimulink Test、および Simulink Coverage などの複数の Simulink 製品には組み込みの並列処理機能が備わっています。これらのツールを使用すると、追加でコードを記述することなくシームレスにシミュレーションを並列実行できます。

並列シミュレーションは、 Simulink 製品の基本設定やフラグ設定によって有効にできます。

Simulink シミュレーション マネージャーによる複数のシミュレーションの管理

シミュレーション マネージャーを使用して、1 つのウィンドウで複数のシミュレーションを同時に監視、検査、および可視化します。シミュレーション マネージャーは、並列シミュレーション機能と完全に統合されており、個別のシミュレーションを簡単に選択して表示できます。さらに、シミュレーション データを動的に可視化して複数のシミュレーションにわたるトレンド解析を行うことや、シミュレーション マネージャーのインターフェイスから直接診断タスクの実行やシミュレーションの中止を行うことができます。

シミュレーション データ インスペクターがシミュレーション マネージャーと統合されているため、シミュレーション データ インスペクターでシミュレーション結果を検証できます。


クラスターおよびクラウドでの大規模な並列シミュレーションの実行

Parallel Computing Toolbox を使用して、ローカルマシン上でシミュレーションを並列でプロトタイピング、デバッグ、実行します。MATLAB Parallel Server を使用してクラスターに、また、最小限のコード変更でクラウドに簡単にスケールアップできます。Amazon® Web Services (AWS)Microsoft Azure などのパブリック クラウド プラットフォームで、マルチ CPU、マルチ GPU、クラスターなどのハイエンドのクラウド計算リソースを使用して Simulink シミュレーションをスケールアップできます。MathWorks Cloud Center では、AWS の認証情報を使用して、MATLAB、Simulink、および MATLAB Parallel Server 用のパブリック クラウド リソースを作成および管理し、そのリソースにアクセスできます。

クラスターまたはクラウドでシミュレーションを実行することにより、洞察をよりすばやく得たり、クラスター プロファイルを変更するだけでデスクトップから別の実行環境にアクセスしたりできます。

再コーディングを行わずにクラスターまたはクラウドリソースで実行

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