WLAN Toolbox は、無線 LAN 通信システムの設計、シミュレーション、解析、およびテストのための規格に準拠した機能を備えています。このツールボックスには、IEEE® 802.11™ ファミリ規格に対応した設定可能な物理層の波形が含まれています。また、チャネル符号化、変調、空間ストリームマッピング、MIMO 受信機など、送信機、チャネルモデリング、および受信機の操作にも対応しています。
ツールボックスにはリファレンス設計が含まれているため、ベースバンド リンクレベルのシミュレーションおよび複数ノードのシステムレベル シミュレーションの実施に役立ちます。プログラムからまたは無線波形発生器アプリを用いて対話的に、波形を生成してテストベンチをカスタマイズすることができます。共通 MAC フレームを生成し、解析することができます。チャネル電力、スペクトルマスクおよび占有帯域幅などの信号計測を実行し、無線 LAN 通信リンクのエンドツーエンドのシミュレーションのためのテストベンチを作成することも可能です。
システム パフォーマンスに対する RF 設計の影響と干渉を調査することができます。また、WLAN Toolbox を RF 機器またはハードウェア サポート パッケージとともに使用すると、作成した送信機モデルおよび受信機モデルを無線デバイスに接続し、無線通信による送受信を介して設計を検証することができます。
波形生成
規格に準拠したさまざまな Wi-Fi 波形を生成します。無線波形発生器アプリを使用して、波形の作成、RF 劣化要因の追加、波形の可視化とエクスポートを対話的に実行できます。コンスタレーション ダイアグラム、スペクトル アナライザー、OFDM グリッド、および時間スコーププロットで結果を可視化します。
ドキュメンテーション | 例
リンクレベル シミュレーション
WLAN のエンドツーエンドの無線通信リンクをシミュレーションします。送信機、チャネルモデリング、受信機の操作を組み込みます。チャネルモデルを適用し、IEEE 802.11 規格の各種バージョンに対応したリンクレベル シミュレーションを実行します。パケットエラーレート (PER)、ビットエラーレート、およびスループット メトリクスを計算することによって、リンクのパフォーマンスを解析します。
ドキュメンテーション | 例
テストと計測
ノイズや干渉のある環境下で RF トランシーバーをモデル化し、テストします。変調精度、スペクトル放射マスク、平坦度などの送信機の測定を行います。最小入力感度の準拠メトリクスを使用して受信機をテストします。
ドキュメンテーション | 例
信号リカバリ
WLAN パケットを検出して復号化し、信号情報を復元します。フレーム同期、周波数オフセット補正、チャネル推定およびチャネル等化、共通エラー位相トラッキングを実行します。信号フィールドとデータフィールドを復調および復号します。802.11 OFDM 非 HT ビーコンパケットを復元します。
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AI、測位、およびセンシング
AI 技術を応用し、Wi-Fi ネットワーク上にある特徴の位置を特定して検出します。畳み込みニューラル ネットワークを使用して、チャネル状態情報を用いた無線センシングを行います。フィンガープリントに基づく複数のステーションの高精度測位のために、ディープ ニューラル ネットワークを学習させ、テストします。
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802.11be
規格に準拠した 802.11be™ 波形を生成します。TGax 伝播チャネルモデルと受信機を使用して、エンドツーエンドのリンクレベル シミュレーションを構築します。受信した 802.11be (Wi-Fi 7) パケットを検出し、そのデータフィールドと MAC フレームを復号化します。マルチユーザーリンクをモデル化し、PER、エラーベクトル振幅 (EVM)、スペクトル特性を測定します。
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システムレベル シミュレーション
複数のデバイスで構成される Wi-Fi ネットワークをモデル化します。物理層、MAC 層、アプリケーション層をシミュレーションします。WLAN と Bluetooth 信号の共存を調査します。802.11ax™ OFDMA ネットワークをシミュレーションします。物理層の抽象化を使用してシミュレーションを高速化します。
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無線の接続性
送信機モデルと受信機モデルを無線デバイスに接続し、無線で信号を送受信します。MATLAB を使用して RF 機器またはソフトウェア無線 (SDR) ハードウェアで受信した信号を収集して解析します。WLAN の時刻同期と周波数同期のモデルを実装します。
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