Vehicle Body 6DOF
並進運動および回転運動を行う 2 車軸の車体
ライブラリ:
Vehicle Dynamics Blockset /
Vehicle Body
説明
Vehicle Body 6DOF ブロックは、縦方向運動、横方向運動、垂直運動、ピッチ運動、ロール運動、ヨー運動を計算するために、6 自由度 (DOF) 剛体の 2 車軸車体モデルを実装します。このブロックでは、車体質量、慣性、空力抵抗、路面の傾斜に加えて、サスペンション、外力、およびモーメントによる車軸間の重量分布が考慮されます。さまざまな負荷条件での車両運動を解析するには、[慣性負荷] パラメーターを使用します。
このブロックを、バーチャル センサーまたはサスペンション システム、あるいはボディ コントロール アクチュエータなどの外部システムに接続できます。走行およびハンドリングの調査では Vehicle Body 6DOF ブロックを使用して、抗力、同乗者の荷重、およびサスペンションのハードポイント位置の影響をモデル化します。
追加の入力端子を作成するには、[入力信号] で次のブロック パラメーターを選択します。
パラメーター | 入力端子 | 説明 |
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フロント ヒッチ力 | FhF | 車両固定座標系におけるフロント ヒッチの位置で車体にかかるヒッチ力、FhFx、FhFy、FhFz |
フロント ヒッチ モーメント | MhF | 車両固定座標系におけるフロント ヒッチの位置でのヒッチ モーメント、MhFx、MhFy、MhFz |
リア ヒッチ力 | FhR | 車両固定座標系におけるリア ヒッチの位置で車体にかかるヒッチ力、FhRx、FhRy、FhRz |
リア ヒッチ モーメント | MhR | 車両固定座標系におけるリア ヒッチの位置でのヒッチ モーメント、MhRx、MhRy、MhRz |
慣性負荷
さまざまな負荷条件での車両運動を解析するには、[慣性負荷] パラメーターを使用します。具体的には、次の負荷を指定できます。
フロント パワートレイン
前座席と後座席の同乗者
天井部の積み荷
後部の積み荷
それぞれの負荷について、質量、位置、および慣性を指定できます。
次の図は、負荷の位置と車両パラメーターの寸法を示しています。次の表は、対応する位置パラメーターの符号の設定を示しています。
次の表は、点で示されている負荷の位置を指定するパラメーター設定をまとめています。位置について、このブロックは次の距離ベクトルを使用します。
車両固定の "x" 軸に沿った、フロント サスペンションのハードポイントから負荷まで
車両固定の "y" 軸に沿った、車両の中心線から負荷まで
車両固定の "z" 軸に沿った、フロント サスペンションのハードポイントから負荷まで
負荷 | パラメーター | 位置の例 |
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前方 | 前車軸からの距離ベクトル、z1R |
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上 | 前車軸からの距離ベクトル、z2R |
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列 1、左側 | 前車軸からの距離ベクトル、z3R |
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列 1、右側 | 前車軸からの距離ベクトル、z4R |
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列 2、左側 | 前車軸からの距離ベクトル、z5R |
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列 2、右側 | 前車軸からの距離ベクトル、z6R |
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後 | 前車軸からの距離ベクトル、z7R |
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運動方程式
このブロックは、車両運動を求めるために剛体車両運動、空気抗力、慣性負荷、および座標変換の計算を実装します。車体固定の座標系と車両固定の座標系は同じです。
Vehicle Body 6DOF ブロックでは、平坦な地球固定の慣性基準座標系を中心とする車体固定座標系の回転が考慮されます。車体固定座標系の原点は、車体の重心です。
このブロックでは、次の式を使用して車体固定座標系の並進運動を計算します。ここで、加えられる力 [Fx Fy Fz]T は車体固定座標系に基づき、車体質量 m は定数と仮定されます。
車体固定の角速度ベクトル [p q r]T と、オイラー角の変化率 の関係を求めるために、このブロックはオイラー角速度を車体固定座標系に関連付けます。
J の逆行列を計算すると、オイラー角速度ベクトルを求めるために必要な関係が得られます。
加えられる力とモーメントは、抗力、重力、外力、およびサスペンション力の和です。
計算 | 実装 |
---|---|
負荷の質量と慣性 | ブロックは平行軸定理を使用して、個々の負荷の質量および慣性を、車両の質量および慣性に関連付けます。 |
重力 Fg | ブロックは方向余弦行列 (DCM) を使用して、慣性固定座標系の重力ベクトルを車体固定座標系に変換します。 |
抗力 Fd とモーメント Md | ブロックは対気速度を求めるために、車両重心 (CM) の速度から風速を減算します。このブロックは、対気速度を使用して抗力を求めます。 このブロックは、対気速度を使用して抗力モーメントを求めます。 |
外力 Fin とモーメント Min | 外力とモーメントは、端子 |
サスペンション力とモーメント | ブロックでは、サスペンション力とモーメントが次のハードポイント位置に作用すると仮定されます。
|
式では次の変数を使用します。
車両固定の "x" 軸に沿った車両 CM の変位、速度、および加速度 | |
車両固定の "y" 軸に沿った車両 CM の変位、速度、および加速度 | |
車両固定の "z" 軸に沿った車両 CM の変位、速度、および加速度 | |
φ | 地球固定の "X" 軸を中心とする車両固定座標系の回転 (ロール) |
θ | 地球固定の "Y" 軸を中心とする車両固定座標系の回転 (ピッチ) |
ψ | 地球固定の "Z" 軸を中心とする車両固定座標系の回転 (ヨー) |
FFLx, FFLy, FFLz | 車両固定の "x"、"y"、"z" の各軸に沿って、左前のハードポイントにかかるサスペンション力 |
FFRx, FFRy, FFRz | 車両固定の "x"、"y"、"z" の各軸に沿って、右前のハードポイントにかかるサスペンション力 |
FRLx, FRLy, FRLz | 車両固定の "x"、"y"、"z" の各軸に沿って、左後のハードポイントにかかるサスペンション力 |
FRRx, FRRy, FRRz | 車両固定の "x"、"y"、"z" の各軸に沿って、右後のハードポイントにかかるサスペンション力 |
MFx, FFy, FFz | 車両 CM にかかる、車両固定の "x"、"y"、"z" の各軸を中心とするサスペンション モーメント |
Fextx, Fexty, Fextz | 車両固定の "x"、"y"、"z" の各軸に沿って、車両 CM にかかる外力 |
Fdx, Fdy, Fdz | 車両固定の "x"、"y"、"z" の各軸に沿って、車両 CM にかかる抗力 |
Mextx, Mexty, Mextz | 車両固定の "x"、"y"、"z" の各軸を中心とした、車両 CM にかかる外部モーメント |
Mdx, Mdy, Mdz | 車両固定の "x"、"y"、"z" の各軸を中心とした、車両 CM にかかる抗力モーメント |
I | 車体の慣性モーメント |
a, b | 共通の車軸平面に車両 CM を垂直投影した点から前輪と後輪までの各距離 |
d | 車両固定の "y" 軸に沿った、幾何学的中心線から重心までの横方向の距離 |
h | 車軸平面から上の車両 CM の高さ |
hh | 車両固定の "z" 軸に沿って、車軸平面から上のヒッチの高さ |
dh | 共通の車軸平面にトラクター CG を垂直投影した点からヒッチまでの縦方向の距離 |
hl | 車両固定の "y" 軸に沿った、重心からヒッチまでの横方向の距離 |
wF, wR | フロント トラックとリア トラックの幅 |
Cd | 車両固定の "x" 軸に沿って作用する空気抵抗係数 |
Cs | 車両固定の "y" 軸に沿って作用する空気抵抗係数 |
Cl | 車両固定の "z" 軸に沿って作用する空気抵抗係数 |
Crm | 車両固定の "x" 軸を中心として作用する空気抵抗のロール モーメント |
Cpm | 車両固定の "y" 軸を中心として作用する空気抵抗のピッチ モーメント |
Cym | 車両固定の "z" 軸を中心として作用する空気抵抗のヨー モーメント |
Af | 前面投影面積 |
R | 大気の比気体定数 |
T | 環境の気温 |
Pabs | 環境の絶対圧力 |
wx, wy, wz | 車両固定の "x"、"y"、"z" の各軸に沿った風速 |
Wx, Wy, Wz | 慣性座標系の "X"、"Y"、"Z" の各軸に沿った風速 |
例
端子
入力
出力
パラメーター
参照
[1] Gillespie, Thomas. Fundamentals of Vehicle Dynamics. Warrendale, PA: Society of Automotive Engineers (SAE), 1992.
拡張機能
バージョン履歴
R2018a で導入
参考
6DOF (Euler Angles) (Aerospace Blockset) | Vehicle Body 3DOF | Vector Concatenate