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plotDiagnostics

一般化線形回帰モデルの観測値の診断情報のプロット

説明

plotDiagnostics は、影響力が大きい観測値および外れ値を識別するための、観測値の診断情報 (てこ比、クックの距離など) のプロットを作成します。

plotDiagnostics(mdl) は、一般化線形回帰モデル (mdl) の観測値のてこ比のプロットを作成します。プロット内の点線は、推奨されるしきい値を表します。

plotDiagnostics(mdl,plottype) は、観測値の診断情報のタイプ plottype を指定します。

plotDiagnostics(___,Name,Value) では、前の構文におけるいずれかの入力引数の組み合わせに加えて、1 つ以上の名前と値のペアの引数を使用して追加のオプションを指定します。たとえば、データ点のマーカー記号やサイズを指定できます。

plotDiagnostics(ax,___) は、現在の座標軸 (gca) ではなく ax によって指定される座標軸にプロットします。 (R2024a 以降)

h = plotDiagnostics(___) は、プロット内のラインまたは等高線のグラフィックス オブジェクトを返します。プロットの作成後に特定のラインまたは等高線のプロパティを修正するには、h を使用します。プロパティの一覧については、Line のプロパティ および Contour のプロパティ を参照してください。

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当てはめた一般化線形モデルのてこ比のプロットとクックの距離のプロットを作成し、外れ値を求めます。

基となる 2 つの予測子 X(:,1) および X(:,2) のポアソン乱数を使って標本データを生成します。

rng('default') % For reproducibility
rndvars = randn(100,2);
X = [2 + rndvars(:,1),rndvars(:,2)];
mu = exp(1 + X*[1;2]);
y = poissrnd(mu);

ポアソン データの一般化線形回帰モデルを作成します。

mdl = fitglm(X,y,'y ~ x1 + x2','Distribution','poisson');

てこ比のプロットを作成します。

plotDiagnostics(mdl)
legend('show') % Show the legend

Figure contains an axes object. The axes object with title Case order plot of leverage, xlabel Row number, ylabel Leverage contains 2 objects of type line. One or more of the lines displays its values using only markers These objects represent Leverage, Reference Line.

点線は、推奨されるしきい値 2*p/n を表します。p は係数の数、n は観測値の数です。NumCoefficients および NumObservations プロパティを使用して、しきい値を求めます。

t_leverage = 2*mdl.NumCoefficients/mdl.NumObservations
t_leverage = 
0.0600

てこ比の値がしきい値を超えている観測値を検出します。

find(mdl.Diagnostics.Leverage > t_leverage)
ans = 5×1

     9
    21
    64
    65
    70

データ ヒントを使用して観測値の番号を確認することもできます。しきい値のラインより上にあるデータ点を選択すると、データ ヒントが表示されます。データ ヒントには、選択した点の x 軸および y 軸の値と、観測値の番号が含まれます。

クックの距離の値をプロットします。

plotDiagnostics(mdl,'cookd')

Figure contains an axes object. The axes object with title Case order plot of Cook's distance, xlabel Row number, ylabel Cook's distance contains 2 objects of type line. One or more of the lines displays its values using only markers These objects represent Cook's distance, Reference Line.

点線は、推奨されるしきい値を表します。しきい値 t_cookd を計算します。

t_cookd = 3*mean(mdl.Diagnostics.CooksDistance')
t_cookd = 
0.0294

クックの距離の値がしきい値を超えている観測値を検出します。

find(mdl.Diagnostics.CooksDistance > t_cookd)
ans = 5×1

    15
    21
    27
    65
    70

3 つの観測値 (21、65 および 70) は両方の尺度で外れ値ですが、いくつかの点 (9、15、27 および 64) は一方の尺度のみで外れ値です。

入力引数

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一般化線形回帰モデル。fitglm または stepwiseglm を使用して作成した GeneralizedLinearModel オブジェクトとして指定します。

プロットのタイプ。次の表のいずれかの値を指定します。

プロット タイププロット内の点線の基準線 目的
'contour'クックの距離の等高線を重ね合わせた、残差対てこ比クックの距離の等高線残差、てこ比およびクックの距離の値が大きい観測値を特定。
'cookd'クックの距離3*mean(mdl.Diagnostics.CooksDistance) によって計算された、推奨されるしきい値クックの距離の値が大きい観測値を特定。
'leverage'てこ比2*p/n によって計算された、推奨されるしきい値。p は係数の数 (mdl.NumCoefficients)、n は観測値の数 (mdl.NumObservations)てこ比が大きい観測値を特定。

'cookd' および 'leverage' の場合、x 軸は観測値の行番号 (ケース順) です。

mdlDiagnostics プロパティには、plotDiagnostics がプロットの作成に使用した診断値が格納されます。

観測値の診断情報の詳細については、クックの距離、およびてこ比を参照してください。

R2024a 以降

ターゲットの座標軸。axes オブジェクトとして指定します。座標軸を指定しない場合、plotDiagnostics は現在の座標軸 (gca) を使用します。

名前と値の引数

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オプションの引数のペアを Name1=Value1,...,NameN=ValueN として指定します。ここで、Name は引数名で、Value は対応する値です。名前と値の引数は他の引数の後に指定しなければなりませんが、ペアの順序は重要ではありません。

R2021a より前では、名前と値をそれぞれコンマを使って区切り、Name を引用符で囲みます。

例: 'Color','blue','Marker','o'

メモ

ここでは、グラフィック プロパティの一部だけを紹介しています。完全な一覧については、Line のプロパティ を参照してください。指定したプロパティによって、診断データ点の外観が決まります。

ラインの色。RGB 3 成分、16 進数カラー コード、あるいは以下の表に記載されているいずれかの色オプションに対応する色の名前または省略名として指定します。

MarkerEdgeColor"auto" (既定) であり MarkerFaceColor"auto" である場合、名前と値の引数 Color はマーカーの輪郭の色とマーカーの塗りつぶし色も決定します。

カスタム色の場合は、RGB 3 成分または 16 進数のカラー コードを指定します。

  • RGB 3 成分は、色の赤、緑、青成分の強度を指定する 3 要素の行ベクトルです。強度は範囲 [0,1] に含まれていなければなりません。たとえば [0.4 0.6 0.7] のようになります。

  • 16 進数のカラー コードは、ハッシュ記号 (#) で始まり、0 から F の範囲にある 16 進数が 3 つまたは 6 つ続く、string スカラーまたは文字ベクトルです。この値では、大文字と小文字は区別されません。したがって、カラー コード "#FF8800""#ff8800""#F80""#f80" は等価です。

あるいは、一部の一般的な色を名前で指定できます。次の表は、名前が付いた色のオプション、等価な RGB 3 成分、および 16 進数カラー コードの一覧です。

色の名前省略名RGB 3 成分16 進数のカラー コード外観
"red""r"[1 0 0]"#FF0000"

Sample of the color red

"green""g"[0 1 0]"#00FF00"

Sample of the color green

"blue""b"[0 0 1]"#0000FF"

Sample of the color blue

"cyan" "c"[0 1 1]"#00FFFF"

Sample of the color cyan

"magenta""m"[1 0 1]"#FF00FF"

Sample of the color magenta

"yellow""y"[1 1 0]"#FFFF00"

Sample of the color yellow

"black""k"[0 0 0]"#000000"

Sample of the color black

"white""w"[1 1 1]"#FFFFFF"

Sample of the color white

"none"該当なし該当なし該当なし色なし

次の表に、ライト テーマとダーク テーマのプロット用の既定のカラー パレットを示します。

パレットパレットの色

"gem" — ライト テーマの既定の設定

R2025a より前: ほとんどのプロットでは、これらの色が既定で使用されます。

Sample of the "gem" color palette

"glow" — ダーク テーマの既定の設定

Sample of the "glow" color palette

これらのパレットの RGB 3 成分と 16 進数カラー コードは、orderedcolors 関数と rgb2hex 関数を使用して取得できます。たとえば、"gem" パレットの RGB 3 成分を取得し、それらを 16 進数カラー コードに変換します。

RGB = orderedcolors("gem");
H = rgb2hex(RGB);

R2023b より前: RGB = get(groot,"FactoryAxesColorOrder") を使用して RGB 3 成分を取得します。

R2024a より前: H = compose("#%02X%02X%02X",round(RGB*255)) を使用して 16 進数カラー コードを取得します。

例: Color="blue"

データ型: single | double | string | char

ラインの幅。ポイント単位の正の値として指定します。ラインにマーカーがある場合、ライン幅はマーカー エッジにも影響を与えます。

例: LineWidth=0.75

データ型: single | double

マーカー記号。次の表のいずれかの値として指定します。

マーカー説明結果として得られるマーカー
"o"

Sample of circle marker

"+"プラス記号

Sample of plus sign marker

"*"アスタリスク

Sample of asterisk marker

"."

Sample of point marker

"x"十字

Sample of cross marker

"_"水平線

Sample of horizontal line marker

"|"垂直線

Sample of vertical line marker

"square"正方形

Sample of square marker

"diamond"菱形

Sample of diamond marker

"^"上向き三角形

Sample of upward-pointing triangle marker

"v"下向き三角形

Sample of downward-pointing triangle marker

">"右向き三角形

Sample of right-pointing triangle marker

"<"左向き三角形

Sample of left-pointing triangle marker

"pentagram"星形五角形

Sample of pentagram marker

"hexagram"星形六角形

Sample of hexagram marker

"none"マーカーなし該当なし

例: Marker="+"

データ型: string | char

マーカーの輪郭の色。RGB 3 成分、16 進数カラー コード、あるいは名前と値の引数 Color に記載されているいずれかの色オプションに対応する色の名前または省略名として指定します。

既定値 "auto" では、名前と値の引数 Color を使用して指定されるものと同じ色が使用されます。色なしとして "none" を指定することもできます。

例: MarkerEdgeColor="blue"

データ型: single | double | string | char

マーカーの塗りつぶしの色。RGB 3 成分、16 進数カラー コード、あるいは名前と値の引数 Color に記載されているいずれかの色オプションに対応する色の名前または省略名として指定します。既定値の "none" は色なしを指定します。

"auto" では、名前と値の引数 Color を使用して指定されるものと同じ色が使用されます。

例: MarkerFaceColor="blue"

データ型: single | double | string | char

マーカーのサイズ。ポイント単位の正の値として指定します。

例: MarkerSize=2

データ型: single | double

出力引数

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プロット内のラインまたは等高線に対応するグラフィックス オブジェクト。グラフィックス配列として返されます。グラフィックス オブジェクトのプロパティのクエリと設定を行うには、ドット表記を使用します。詳細については、Line のプロパティ および Contour のプロパティ を参照してください。

名前と値のペアの引数を使用して、1 番目のグラフィックス オブジェクト h(1) に対応する、診断データ点の外観を指定できます。

詳細

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ヒント

  • データ カーソルを使用すると、選択したプロットの点の値がデータ ヒント (データ点の横にある小さいテキスト ボックス) に表示されます。データ ヒントには、選択した点の x 軸および y 軸の値と、観測値の名前または番号が含まれます。

  • 事前設定済みの凡例を表示するには、legend('show') を使用します。

代替機能

GeneralizedLinearModel オブジェクトには、複数のプロット関数が用意されています。

  • モデルを検証するときに、問題があるデータを探し、各観測値の効果を理解するには、plotDiagnostics を使用します。また、モデルの残差を分析するには、plotResiduals を使用します。

  • モデルを当てはめた後で、特定の予測子の効果を理解するには、plotPartialDependence を使用します。また、予測曲面を通るスライスをプロットするには、plotSlice を使用します。

参照

[1] Neter, J., M. H. Kutner, C. J. Nachtsheim, and W. Wasserman. Applied Linear Statistical Models, Fourth Edition. Chicago: McGraw-Hill Irwin, 1996.

拡張機能

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バージョン履歴

R2012a で導入

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