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binoinv

二項累積分布逆関数

説明

x = binoinv(y,n,p) は、x で評価された二項累積分布関数が y 以上になる最小の整数 x を返します。p をそれぞれの試行で成功する確率としたとき、yn 回の独立試行で x 回の成功が観測される確率と考えることができます。x の各値は n 以下の正の整数です。

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試行回数が 100、各試行の成功確率が 0.6 の二項分布から値の 95% を含む区間を見つけます。

n = 100;
p = 0.6;
x = binoinv([0.025 0.975],n,p)
x = 1×2

    50    69

成功回数が 50 回以下になる確率が 2.5%、成功回数が 69 回以下になる確率が 97.5% です。言い換えると、95% の試行において成功回数が 50 ~ 69 回になります。

入力引数

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cdf の逆関数 (icdf) を評価する確率値。スカラー値、または各要素が範囲 [0,1] にあるスカラー値の配列を指定します。

複数の値で icdf を評価するには、配列を使用して y を指定します。複数の分布の icdf を評価するには、配列を使用して np を指定します。入力引数 yn および p の 1 つ以上が配列である場合、配列のサイズは同じでなければなりません。この場合、binoinv は配列入力と同じサイズの定数配列に各スカラー入力を拡張します。x の各要素は、y 内の対応する要素で評価された、n および p 内の対応する要素によって指定された分布の icdf の値です。

例: [0.1,0.5,0.9]

データ型: single | double

試行回数。正の整数、または正の整数の配列を指定します。

複数の分布の icdf を評価するには、配列を使用して np を指定します。入力引数 yn および p の 1 つ以上が配列である場合、配列のサイズは同じでなければなりません。この場合、binoinv は配列入力と同じサイズの定数配列に各スカラー入力を拡張します。x の各要素は、y 内の対応する要素で評価された、n および p 内の対応する要素によって指定された分布の icdf の値です。

例: [10 20 50 100]

データ型: single | double

各試行の成功確率。スカラー値、またはスカラー値の配列を指定します。p のすべての値が区間 [0 1] に含まれていなければなりません。

複数の分布の icdf を評価するには、配列を使用して np を指定します。入力引数 yn および p の 1 つ以上が配列である場合、配列のサイズは同じでなければなりません。この場合、binoinv は配列入力と同じサイズの定数配列に各スカラー入力を拡張します。x の各要素は、y 内の対応する要素で評価された、n および p 内の対応する要素によって指定された分布の icdf の値です。

例: [0.01 0.1 0.5 0.7]

データ型: single | double

出力引数

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y 内の確率値で評価した icdf の値。スカラー値、またはスカラー値の配列として返されます。x は、必要なスカラー拡張後の yn および p と同じサイズになります。x の各要素は、y 内の対応する要素で評価された、n および p 内の対応する要素によって指定された分布の icdf の値です。

アルゴリズム

二項累積分布関数の逆関数を近似するために、ソフトウェアではさまざまな方法が使用されます。

  1. [1]で規定されている有効な条件下で、相補誤差関数を使用して漸近的な逆関数が適用されます。

  2. n が 20 以上で p が 0.05 以下の値について、漸近法が適さない場合はポアソン近似が使用されます。

  3. 上記のいずれの方法も適用できない場合は、1 次までで打ち切ったコーニッシュ・フィッシャー[2]展開を使用して歪度が含められます。

近似逆関数の計算後、近似値の近傍を探索することで厳密な逆関数が求められます。

参照

[1] Gil, A., J. Segura, and N. M. Temme. “Asymptotic Inversion of the Binomial and Negative Binomial Cumulative Distribution Functions.” ETNA - Electronic Transactions on Numerical Analysis 52 (2020): 270–80, Section 3, Pg 6.

[2] Cornish, E. A., and R. A. Fisher. “Moments and Cumulants in the Specification of Distributions.” Revue de l’Institut International de Statistique / Review of the International Statistical Institute 5, no. 4 (January 1938): 307.

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バージョン履歴

R2006a より前に導入

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