診断の表示
[診断ビューアー] を使用して、モデルによって生成されたエラーと警告の表示と診断を行うことができます。[診断ビューアー] には、エラー、警告、情報の 3 種類の診断メッセージが表示されます。モデルは、モデルの読み込み、シミュレーション、ブロック線図の更新など操作の実行時にこれらのメッセージを生成します。
診断ビューアーをモデルにドックして、モデルに固有の診断を表示したり、スタンドアロンの診断ビューアーですべてのモデルの診断を表示したりすることができます。
診断ビューアーをモデルにドックするには、[デバッグ]、[診断]、[ドックされた診断ビューアー] に移動するか、または [モデル化]、[環境]、[Simulink 基本設定]、[エディター]、[ドックされた診断ビューアーを使用] に移動します。
メモ
診断ビューアーをドックすることは、システム全体の操作です。モデル単位で基本設定を変更することはできません。
診断ビューアーのウィンドウは以下に分かれています。
ツール バー メニュー: 診断メッセージを管理するためのさまざまなコマンドを表示します。詳細については、ツール バーを参照してください。
診断メッセージ ペイン: エラー、警告および情報のメッセージを表示します。詳細については、診断メッセージ ペインを参照してください。
推奨アクション: 診断のエラーと警告を解決するための推奨事項や修正法を表示します。詳細については、推奨アクションを参照してください。
ツール バー
診断メッセージを管理するには、[診断ビューアー] ツール バーを使用します。
メニュー | アクション |
---|---|
すべてのエラー メッセージを表示 | |
すべての警告メッセージを表示 | |
すべての情報メッセージを表示 | |
| 特定のキーワードによるメッセージの検索とメッセージ間の移動 |
| このドロップダウンに時刻とイベントが表示されます。イベントをクリックすることで、そのイベントに固有の診断メッセージを表示できます。 |
レポート | 次のことが可能です。
メモ メッセージ内の任意の場所を右クリックして、イベントに固有のメッセージを保存したりコピーしたりできます。 |
設定 | 類似する警告のグループ化。タブ形式ペインで表示されるモデルの最大数およびモデルごとの表示イベントの最大数の設定 |
診断メッセージ ペイン
[診断メッセージ] ペインには、エラー、警告および情報メッセージがタブ形式で表示されます。これらのメッセージは区分および階層を表すために色分けされています。
連続するイベントごとに新しい段階が生成され、段階を保存またはクリアできます。各段階は、モデルの読み込み、ブロック線図の更新、シミュレーションなどの単一のイベントを表します。
診断メッセージには次の種類があります。
情報メッセージ: モデルの読み込みに関連する情報を表示します。情報メッセージには、
のマークが付きます。
優先順位の高い警告: モデルの読み込み時に発生したエラーを優先順位の高い警告として表示します。優先順位の高い警告メッセージを修正せずにモデルの更新など後続の操作を行うと、エラーとしてマークされます。優先順位の高い警告には、
のマークが付きます。
警告: モデルでの処理中に関連付けられた警告を表示します。警告には
のマークが付きます。
エラー: モデルでの処理中に関連付けられたエラーを表示します。エラーには
のマークが付きます。
ヒント
エラーの原因を特定するには、メッセージのハイパーリンクをクリックします。エラーの原因がモデル内で強調表示されます。
診断場所のトレース
モデルのエラーを簡単に調査できるように、診断ビューアーでエラーの場所をトレースできます。別のファイルから呼び出されるファイルにエラーがある場合、展開可能なスタックとして診断が表示されます。スタックは必要に応じて展開または折りたたむことができます。スタックを展開すると、エラーまたは警告があるファイルと行に関する情報が表示されます。リンクをクリックしてエラーや警告に移動できます。MATLAB® で sim
コマンドを使用中にも、スタック トレースを利用できる同じ診断メッセージを見ることができます。
メモ
保護されたファイルについては、エラーの正確な場所をトレースすることはできません。
カスタム コンパイラからの診断の特定
診断ビューアーは、カスタム コンパイラによって生成されたビルドからのエラーと警告を認識できます。次の命令を使用して、コンパイラ固有のパターンを指定できます。
% Here tool is the buildtool obtained from the toolchain tool.setDirective ('WarningPattern','warning #(\d+):'); %Specifies warning patterns tool.setDirective ('ErrorPattern','error:'); %Specifies error pattern tool.setDirective ('FileNamePattern','[^\s]*\w+\.(c|h)'); %Specifies file name pattern tool.setDirective ('LineNumberPattern','\(\d+\)'); %Specifies line number pattern
ToolchainInfo
オブジェクトの作成の詳細については、カスタム ツールチェーンの登録および実行可能ファイルのビルド (Simulink Coder)を参照してください。
非表示にされた診断
非表示マネージャーを使用して、モデル内の特定のオブジェクトに対する特定の数値の診断 (たとえばオーバーフロー、飽和、桁落ち) を非表示にできます。[モデル コンフィギュレーション パラメーター] の [診断] セクションで診断レベルが [エラー]
に設定されている特定のエラーを非表示にすることもできます。非表示にされた診断のコメントを追加できます。
指定したソースからの診断を非表示にするには、診断ビューアーで [非表示にする] ボタンをクリックします。非表示にした診断に適切なコメントを追加します。
非表示にした診断を表示するには、[デバッグ] タブで、[診断] 、 [非表示マネージャー] をクリックします。非表示にした診断を元に戻すには、[元に戻す] を選択します。診断の非表示はモデルに保存され、セッション全体で有効のままです。
非表示マネージャーでは、モデル名、非表示の場所、および診断のコメントが表形式で表示されます。[アクション] メニューを使用して、コメントを追加または編集したり、診断を非表示にしたり、診断をブロック レベルからサブシステム レベルに移動したり ([親レベルに追加]) できます。
詳細については、プログラムによる診断メッセージの非表示を参照してください。
推奨アクション
診断ビューアーには、診断のエラーと警告のメッセージに対する推奨事項や修正法が表示されます。これらの推奨事項や修正法は、診断メッセージ ペインの [推奨アクション] セクションに表示されます。
診断のエラーまたは警告には、複数の修正法や推奨事項がある場合があります。各修正法は [修正] ボタンに関連付けられています。
最適な修正法の [修正] ボタンをクリックすると、エラーを自動的に修正できます。場合によっては、以下のいずれかの方法によって修正を提供できることがあります。
使用可能なエディット ボックスに値を入力する。
コンボ ボックスにリストされた値の中から値を 1 つ選択する。
修正法が正常に適用されると、診断のエラーまたは警告の [修正] ボタンは利用できなくなります。修正に失敗した場合は、[推奨アクション] セクションに失敗メッセージが表示されます。
自動的に修正できないエラーと警告に対しては、推奨事項が表示されます。
メモ
[推奨アクション] セクションは、修正法が事前定義されている診断のエラーまたは警告の場合にのみ使用できます。