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逆レビンソン・ダービン再帰法
構文
説明
例
入力引数
出力引数
アルゴリズム
逆レビンソン・ダービン再帰法は、対称テプリッツ連立線形方程式を解くためのステップダウン アルゴリズムを実装します。
ここで、r = [r(1) r(2) … r(p) r(p + 1)] および a = [1 a(2) … a(p + 1)] です。* という表記は複素共役転置演算を表します。
線形予測アプリケーションの場合:
ベクトル r は、予測誤差フィルターへの入力の自己相関列を表します。ここで、r(1) はゼロラグの要素です。テプリッツ行列 R は、自己相関行列です。
ベクトル a は、z に関して降べきの順に並べられた、この予測フィルターの多項式係数を表します。
スカラー p は、予測フィルターの次数を表します。
次の図は、このタイプの典型的なフィルターを示しています。ここで、H(z) は最適線形予測子、x(n) は入力信号、 は予測信号、e(n) は予測誤差信号です。予測誤差の分散 var(e) は、スカラーの予測誤差パワーです。
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関数は、予測フィルター係数をもつベクトル a
が与えられた場合、この連立方程式を解いて自己相関列 r
を計算します。有効な自己相関列を生成するには、フィルターが最小位相でなければなりません。スカラー eFinal
は、最終予測誤差パワー var(e) を表します。rlevinson
関数が実装するレビンソン・ダービン再帰法は、この値を目標推定誤差として目指します。
出力 u
、k
、または eEvolution
を要求した場合、rlevinson
は、自己相関行列の逆行列 R−1 の UDU* 分解も実行します。この分解により行列 U と E が求められ、自己相関行列の逆行列 R−1 を効率的に求めることができるようになります。
出力引数 u
は行列 U を返します。この行列には、逆レビンソン・ダービン再帰法の各反復処理で得られた再帰予測フィルターの多項式 (a1、a2、…、ap+1) が格納されます。
各ベクトル ai には再帰多項式の係数がリストされます。ここで、ai(j) は、(i-1) 次の予測フィルター多項式 (すなわち再帰処理の i 番目のステップ) における j 番目の係数です。たとえば、4 次予測フィルター多項式の係数は a5 として取得できます。ここで、a5 = u(5:-1:1,5)
であり、このベクトルは多項式 を表します。したがって、U の (p+1) 番目の列には入力多項式の係数ベクトル a
が格納されます。これは、u(p+1:-1:1,p+1)'
を使用して取得できます。
出力引数 k
は、U の最初の行の非対角要素の共役である反射係数をもつ列ベクトルを返します。つまり、k
は u(1,2:end)'
として返されます。
出力引数 eEvolution
は、行列 E の最初の要素を除く対角要素から得られる再帰予測誤差が格納された行ベクトルを返します。
各要素 ei には、(i-1) 次の予測フィルター多項式 (すなわち再帰処理の i 番目のステップ) における再帰予測誤差がリストされます。たとえば、4 次予測フィルター多項式の予測誤差は、e5 = eEvolution(4)
として取得できます。これは、多項式 を予測フィルターとして使用した場合の予測誤差です。
E の最初の対角要素 e1 は、自己相関列 r の最初の要素 r(1) と一致します。
E の (p+1) 番目の対角要素 e1 (これは
eEvolution
の最後の要素でもあります) は、最終予測誤差パワーeFinal
と一致します。
参照
[1] Kay, Steven M. Modern Spectral Estimation: Theory and Application. Englewood Cliffs, NJ: Prentice-Hall, 1988.
拡張機能
バージョン履歴
R2006a より前に導入