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faultBands
構文
説明
___ = faultBands(___,Name,Value)
では、1 つ以上の名前と値のペアの引数を使用して追加のパラメーターを指定できます。
例
電源の周波数帯域
この例では、電源周波数の最初の 5 つの高調波周辺の信号成分を解析するための周波数帯域を生成します。
電源の交流電流の周波数である 60 Hz を基本周波数として、電源の最初の 5 つの高調波を faultBands
を使用して生成します。
F0 = 60; N0 = 1:5; FB = faultBands(F0,N0)
FB = 5×2
58.5000 61.5000
118.5000 121.5000
178.5000 181.5000
238.5000 241.5000
298.5000 301.5000
FB
は 5 行 2 列の配列として返されます。周波数帯域幅は F0
の 5% (既定の設定) の 3 Hz です。FB
の 1 列目に の値が格納され、2 列目にそれぞれの高調波のすべての の値が格納されます。
故障した誘導モーターの周波数帯域
この例では、破損した回転子バーがある誘導モーターについて考えます。負荷がある通常の動作においては、回転子の速度が常に磁場の速度よりも遅れます。回転子バーでは、この遅れから磁力線を切断して有用なトルクを生成できます。この差を滑りと呼びます。破損した回転子があるシステムの滑り値を 0.03 として、基本周波数 60 Hz 周辺の側波帯成分の周波数帯域を構成します。
F0 = 60; N0 = 1:2; slip = 0.03; F1 = 2*slip*F0; N1 = 1:3; [FB,info] = faultBands(F0,N0,F1,N1)
FB = 12×2
47.7000 50.7000
51.3000 54.3000
54.9000 57.9000
62.1000 65.1000
65.7000 68.7000
69.3000 72.3000
107.7000 110.7000
111.3000 114.3000
114.9000 117.9000
122.1000 125.1000
⋮
info = struct with fields:
Centers: [49.2000 52.8000 56.4000 63.6000 67.2000 70.8000 109.2000 112.8000 116.4000 123.6000 127.2000 130.8000]
HarmonicGroups: [1 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 2]
Labels: {'1F0-3F1' '1F0-2F1' '1F0-1F1' '1F0+1F1' '1F0+2F1' '1F0+3F1' '2F0-3F1' '2F0-2F1' '2F0-1F1' '2F0+1F1' '2F0+2F1' '2F0+3F1'}
電源の周波数帯域と高調波の可視化
電源周波数の最初の 3 つの高調波周辺の信号成分を解析するための周波数帯域を生成します。
電源の交流電流の 60 Hz を基本周波数として、電源の最初の 3 つの高調波を faultBands
を使用して可視化します。
F0 = 60; N0 = 1:3; faultBands(F0,N0)
プロットから、次のことがわかります。
最初の高調波
1F0
は基本周波数と同じ 60 Hz2 番目の高調波
2F0
は 120 Hz3 番目の高調波
3F0
は 180 Hz
定格故障周波数周辺における実際のシステム信号の想定される変動をより明確にするには、各帯域の幅を 10 Hz に設定します。
faultBands(F0,N0,'Width',10)
負の故障周波数の折り返し
この例では、静的および動的な回転子の偏心をもつ誘導モーターについて考えます。基本周波数の周辺に回転子の偏心による 4 つの極対がある誘導モーターの 4 つの側波帯成分の周波数帯域を構成して可視化します。
F0 = 60; N0 = 1; slip = 0.029; polePairs = 4; F1 = 2*F0*(1-slip)/polePairs
F1 = 29.1300
N1 = 0:4; faultBands(F0,N0,F1,N1)
Warning: Truncated or removed negative fault frequency bands.
負の故障周波数帯域の切り捨てが生じないように、'Folding
' を true
に設定して正の周波数軸に折り返します。
faultBands(F0,N0,F1,N1,'Folding',true)
側波帯の周波数 1F0-3F1
と 1F0-4F1
が正の軸に表示されるようになることがわかります。
入力引数
F0
— 対象となる基本周波数
正のスカラー
対象となる基本周波数。正のスカラーとして指定します。faultBands
は、基本周波数 F0
の周辺の故障周波数帯域を構成します。たとえば、故障した誘導モーターの故障帯域を構成するには、60 Hz の電源周波数が対象の基本周波数になります。同様に、故障したギア列の故障帯域を生成するには、入力シャフトの周波数が基本周波数になります。
F0
はヘルツまたは次数で指定できます。
N0
— 基本周波数の高調波
1
(既定値) | 正の整数のベクトル
基本周波数の高調波。正の整数のベクトルとして指定します。基本周波数 F0
とその高調波の周辺の故障帯域を N0
で指定します。N0
は名前と値のペア 'Harmonics
' と等価であり、既定値は 1 です。
F1
— 基本周波数から最初の側波帯までの距離
0.1*F0
(既定値) | 正のスカラー
基本周波数から最初の側波帯までの距離。正のスカラーとして指定します。F1
が指定されていない場合、faultBands
は F1
を基本周波数の 10% の値と仮定します。
N1
— 基本周波数とその高調波の側波帯
非負の整数のベクトル
基本周波数とその高調波の側波帯。非負の整数のベクトルとして指定します。N1
は名前と値のペア 'Sidebands
' と等価であり、既定値は 0 です。
名前と値の引数
オプションの引数のペアを Name1=Value1,...,NameN=ValueN
として指定します。Name
は引数名で、Value
は対応する値です。名前と値の引数は他の引数の後に指定しなければなりませんが、ペア自体は順不同で構いません。
R2021a 以前は、名前と値をそれぞれコンマで区切り、 Name
を引用符で囲みます。
例: ...,'Harmonics',[1,3,5]
Harmonics
— 含められる基本周波数の高調波
1
(既定値) | 正の整数のベクトル
含められる基本周波数の高調波。'Harmonics
' と正の整数のベクトルで構成されるコンマ区切りのペアとして指定します。既定値は 1 です。'Harmonics
' は、基本周波数の高調波をさらに含めて周波数帯域を構成する場合に指定します。
Sidebands
— 含められる基本周波数とその高調波の周辺の側波帯
0
(既定値) | 非負の整数のベクトル
含められる基本周波数とその高調波の周辺の側波帯。'Sidebands
' と非負の整数のベクトルで構成されるコンマ区切りのペアとして指定します。既定値は 0 です。'Sidebands
' は、基本周波数とその高調波の周辺の側波帯を含めて周波数帯域を構成する場合に指定します。
Width
— 定格故障周波数を中心とする周波数帯域幅
基本周波数の 5
% (既定値) | 正のスカラー
定格故障周波数を中心とする周波数帯域幅。'Width
' と正のスカラーで構成されるコンマ区切りのペアとして指定します。既定値は基本周波数の 5% です。故障帯域がオーバーラップしないように、'Width
' で大きな値を指定することは避けてください。
Type
— 連続する側波帯間の分離値
'additive'
(既定値) | 'multiplicative'
連続する側波帯間の分離値。'Type
' と 'additive'
または 'multiplicative'
のいずれかで構成されるコンマ区切りのペアとして指定します。'Type
' は次のように指定します。
連続する側波帯間の分離を
F1
に設定する場合は'additive'
。連続する側波帯間の分離を高調波次数と側波帯値の両方に比例するように設定する場合は
'multiplicative'
。
Folding
— 負の定格故障周波数を周波数原点で折り返す必要があるかどうかを指定する logical 値
false
(既定値) | true
負の定格故障周波数を周波数原点で折り返す必要があるかどうかを指定する logical 値。'Folding
' と true
または false
のいずれかで構成されるコンマ区切りのペアとして指定します。'Folding
' を true
に設定すると、faultBands
は負の定格故障周波数の絶対値を取得して周波数原点で折り返し、折り返された故障帯域が常に正の周波数範囲に収まるようにします。折り返された故障帯域は として計算されます。ここで、W
は名前と値のペア 'Width
'、F
はいずれかの定格故障周波数です。
出力引数
FB
— 故障周波数帯域
Nx2
の配列
故障周波数帯域。Nx2
の配列として返されます。ここで、N
は故障周波数の数です。FB
は F0
と同じ単位で返されます。ヘルツまたは次数のいずれかになります。生成された故障帯域 の中心は、側波帯の指定に応じて次のようになります。
バージョン履歴
R2019b で導入
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