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bearingFaultBands
構文
説明
例
ベアリングの仕様を使用した周波数帯域
この例では、ピッチの直径が 12 cm で 8 つの転動体をもつベアリングについて考えます。各転動体の直径は 2 cm です。内輪が 25 Hz で駆動される間、外輪は静止状態を保ちます。転動体の接触角は 15 度です。
上記のベアリングの物理的寸法から、bearingFaultBands
を使用して周波数帯域を構成します。
FR = 25; NB = 8; DB = 2; DP = 12; beta = 15; FB = bearingFaultBands(FR,NB,DB,DP,beta)
FB = 4×2
82.6512 85.1512
114.8488 117.3488
71.8062 74.3062
9.2377 11.7377
FB
は 4 行 2 列の配列として返されます。周波数帯域幅は FR
の 10% (既定の設定) の 2.5 Hz です。FB
の 1 列目に の値が格納され、2 列目にそれぞれの欠陥特性周波数のすべての の値が格納されます。
ローラー ベアリングの周波数帯域
この例では、各ローラーが 7.5 mm の 11 個のローラーをもつマイクロ ローラー ベアリングについて考えます。ピッチの直径は 34 mm、接触角は 0 度です。シャフト回転数を 1800 rpm と想定して、ローラー ベアリングの周波数帯域を構成します。'Domain
' を 'frequency
' と指定して、FR
と同じ単位で周波数帯域 FB
を取得します。
FR = 1800; NB = 11; DB = 7.5; DP = 34; beta = 0; [FB1,info1] = bearingFaultBands(FR,NB,DB,DP,beta,'Domain','frequency')
FB1 = 4×2
104 ×
0.7626 0.7806
1.1994 1.2174
0.3791 0.3971
0.0611 0.0791
info1 = struct with fields:
Centers: [7.7162e+03 1.2084e+04 3.8815e+03 701.4706]
FaultGroups: [1 2 3 4]
Labels: {'1Fo' '1Fi' '1Fb' '1Fc'}
次に、名前と値のペア 'Sidebands
' を使用して内輪と転動体の欠陥周波数の側波帯を含めます。
[FB2,info2] = bearingFaultBands(FR,NB,DB,DP,beta,'Domain','order','Sidebands',0:1)
FB2 = 8×2
4.2368 4.3368
5.6632 5.7632
6.6632 6.7632
7.6632 7.7632
1.7167 1.8167
2.1064 2.2064
2.4961 2.5961
0.3397 0.4397
info2 = struct with fields:
Centers: [4.2868 5.7132 6.7132 7.7132 1.7667 2.1564 2.5461 0.3897]
FaultGroups: [1 2 2 2 3 3 3 4]
Labels: {'1Fo' '1Fi-1Fr' '1Fi' '1Fi+1Fr' '1Fb-1Fc' '1Fb' '1Fb+1Fc' '1Fc'}
生成された故障帯域 FB
から、faultBandMetrics
コマンドを使用してスペクトル メトリクスを抽出できます。
ベアリング特性周波数周辺の周波数帯域の可視化
この例では、ピッチの直径が 12 cm で 8 つの転動体をもつ破損したベアリングについて考えます。各転動体の直径は 2 cm です。内輪が 25 Hz で駆動される間、外輪は静止状態を保ちます。転動体の接触角は 15 度です。
上記のベアリングの物理的寸法から、bearingFaultBands
を使用して故障周波数帯域を可視化します。
FR = 25; NB = 8; DB = 2; DP = 12; beta = 15; bearingFaultBands(FR,NB,DB,DP,beta)
プロットから、ベアリング固有の次の振動周波数がわかります。
ケージの欠陥周波数
Fc
は 10.5 Hz。ボールの欠陥周波数
Fb
は 73 Hz。外輪の欠陥周波数
Fo
は 83.9 Hz。内輪の欠陥周波数
Fi
は 116.1 Hz。
ボール ベアリングの周波数帯域とスペクトル メトリクス
この例では、ピッチの直径が 12 cm で 10 個の転動体をもつボール ベアリングについて考えます。各転動体の直径は 0.5 cm です。内輪が 25 Hz で駆動される間、外輪は静止状態を保ちます。ボールの接触角は 0 度です。データセット bearingData.mat
には、ベアリング振動信号についてのパワー スペクトル密度 (PSD) とそれぞれの周波数データが table に格納されています。
まず、ボール ベアリングの物理的特性を使用して最初の 3 つの側波帯を含むベアリング周波数帯域を構成します。
FR = 25;
NB = 10;
DB = 0.5;
DP = 12;
beta = 0;
FB = bearingFaultBands(FR,NB,DB,DP,beta,'Sidebands',1:3)
FB = 14×2
118.5417 121.0417
53.9583 56.4583
78.9583 81.4583
103.9583 106.4583
153.9583 156.4583
178.9583 181.4583
203.9583 206.4583
262.2917 264.7917
274.2708 276.7708
286.2500 288.7500
⋮
FB
は一次周波数とそれらの側波帯を含む 14 行 2 列の配列になります。
PSD データを読み込みます。bearingData.mat
の table X
には、1 列目に PSD、2 列目に周波数グリッドがそれぞれ cell 配列として格納されています。
load('bearingData.mat','X') X
X=1×2 table
Var1 Var2
________________ ________________
{12001x1 double} {12001x1 double}
table X
の PSD データと FB
の周波数帯域を使用してスペクトル メトリクスを計算します。
spectralMetrics = faultBandMetrics(X,FB)
spectralMetrics=1×43 table
PeakAmplitude1 PeakFrequency1 BandPower1 PeakAmplitude2 PeakFrequency2 BandPower2 PeakAmplitude3 PeakFrequency3 BandPower3 PeakAmplitude4 PeakFrequency4 BandPower4 PeakAmplitude5 PeakFrequency5 BandPower5 PeakAmplitude6 PeakFrequency6 BandPower6 PeakAmplitude7 PeakFrequency7 BandPower7 PeakAmplitude8 PeakFrequency8 BandPower8 PeakAmplitude9 PeakFrequency9 BandPower9 PeakAmplitude10 PeakFrequency10 BandPower10 PeakAmplitude11 PeakFrequency11 BandPower11 PeakAmplitude12 PeakFrequency12 BandPower12 PeakAmplitude13 PeakFrequency13 BandPower13 PeakAmplitude14 PeakFrequency14 BandPower14 TotalBandPower
______________ ______________ __________ ______________ ______________ __________ ______________ ______________ __________ ______________ ______________ __________ ______________ ______________ __________ ______________ ______________ __________ ______________ ______________ __________ ______________ ______________ __________ ______________ ______________ __________ _______________ _______________ ___________ _______________ _______________ ___________ _______________ _______________ ___________ _______________ _______________ ___________ _______________ _______________ ___________ ______________
121 121 314.43 56.438 56.438 144.95 81.438 81.438 210.57 106.44 106.44 276.2 156.44 156.44 407.45 181.44 181.44 473.07 206.44 206.44 538.7 264.75 264.75 691.77 276.75 276.75 723.27 288.69 288.69 754.61 312.69 312.69 817.61 324.62 324.62 848.94 336.62 336.62 880.44 13.188 13.188 31.418 7113.4
spectralMetrics
は、FB
の各周波数範囲の計算されたピーク振幅、ピーク周波数、および帯域パワーを含む 1 行 43 列の table になります。spectralMetrics
の最後の列は、FB
の 14 個のすべての周波数全体で計算された合計帯域パワーです。
入力引数
FR
— シャフトまたは内輪の回転速度
正のスカラー
シャフトまたは内輪の回転速度。正のスカラーとして指定します。FR
は、bearingFaultBands
で周辺の故障周波数帯域を生成する基本周波数です。FR
はヘルツまたは 1 分あたりの回転数で指定します。
NB
— ボールまたはローラーの数
正の整数
ベアリングのボールまたはローラーの数。正の整数として指定します。
DB
— ボールまたはローラーの直径
正のスカラー
ボールまたはローラーの直径。正の整数として指定します。
DP
— ピッチの直径
正のスカラー
ベアリングのピッチの直径。正のスカラーとして指定します。DP
は、ベアリング回転時にボールまたはローラーの中心が通る円の直径です。
beta
— 接触角
非負のスカラー
ボールまたはローラーの軸に対して垂直な平面と 2 つの軌道を結ぶ線との間の接触角 (度単位)。正のスカラーとして指定します。
名前と値の引数
オプションの引数のペアを Name1=Value1,...,NameN=ValueN
として指定します。Name
は引数名で、Value
は対応する値です。名前と値の引数は他の引数の後に指定しなければなりませんが、ペア自体は順不同で構いません。
R2021a 以前は、名前と値をそれぞれコンマで区切り、 Name
を引用符で囲みます。
例: ...,'Harmonics',[1,3,5]
Harmonics
— 含められる基本周波数の高調波
1
(既定値) | 正の整数のベクトル
含められる基本周波数の高調波。'Harmonics
' と正の整数のベクトルで構成されるコンマ区切りのペアとして指定します。既定値は 1 です。'Harmonics
' は、基本周波数の高調波をさらに含めて周波数帯域を構成する場合に指定します。
Sidebands
— 含められる基本周波数とその高調波の周辺の側波帯
0
(既定値) | 非負の整数のベクトル
含められる基本周波数とその高調波の周辺の側波帯。'Sidebands
' と非負の整数のベクトルで構成されるコンマ区切りのペアとして指定します。既定値は 0 です。'Sidebands
' は、基本周波数とその高調波の周辺の側波帯を含めて周波数帯域を構成する場合に指定します。
Width
— 定格故障周波数を中心とする周波数帯域幅
基本周波数の 10
% (既定値) | 正のスカラー
定格故障周波数を中心とする周波数帯域幅。'Width
' と正のスカラーで構成されるコンマ区切りのペアとして指定します。既定値は基本周波数の 10% です。故障帯域がオーバーラップしないように、'Width
' で大きな値を指定することは避けてください。
Folding
— 負の定格故障周波数を周波数原点で折り返す必要があるかどうかを指定する logical 値
false
(既定値) | true
負の定格故障周波数を周波数原点で折り返す必要があるかどうかを指定する logical 値。'Folding
' と true
または false
のいずれかで構成されるコンマ区切りのペアとして指定します。'Folding
' を true
に設定すると、faultBands
は負の定格故障周波数の絶対値を取得して周波数原点で折り返し、折り返された故障帯域が常に正の周波数範囲に収まるようにします。折り返された故障帯域は として計算されます。ここで、W
は名前と値のペア 'Width
'、F
はいずれかの定格故障周波数です。
出力引数
FB
— 故障周波数帯域
配列
故障周波数帯域。N 行 2 列の配列として返されます。ここで、N は故障周波数の数です。FB
は FR
と同じ単位で返されます。'Domain
' の値に応じてヘルツまたは次数のいずれかになります。生成された故障周波数帯域から、faultBandMetrics
を使用してスペクトル メトリクスを抽出します。生成された故障帯域 の中心は次のとおりです。
外輪の欠陥周波数
Fo
とその高調波内輪の欠陥周波数
Fi
とその高調波およびFR
の側波帯転動体 (ボール) の欠陥周波数
Fb
とその高調波およびFc
の側波帯ケージ (トレーン) の欠陥周波数
Fc
とその高調波
値 W
は周波数帯域の幅です。名前と値のペア 'Width
' を使用して指定できます。ベアリングの周波数の詳細については、アルゴリズムを参照してください。
info
— 故障周波数帯域に関する情報
構造体
FB
の故障周波数帯域に関する情報。次のフィールドをもつ構造体として返されます。
Centers
— 中心の故障周波数Labels
— それぞれの周波数を示すラベルFaultGroups
— 関連する故障周波数を識別する故障グループ番号
アルゴリズム
bearingFaultBands
は、それぞれのベアリング特性周波数を次のように計算します。
外輪の欠陥周波数、
内輪の欠陥周波数、
転動体 (ボール) の欠陥周波数、
ケージ (トレーン) の欠陥周波数、
参照
[1] Chandravanshi, M & Poddar, Surojit. "Ball Bearing Fault Detection Using Vibration Parameters." International Journal of Engineering Research & Technology. 2. 2013.
[2] Singh, Sukhjeet & Kumar, Amit & Kumar, Navin. "Motor Current Signature Analysis for Bearing Fault Detection in Mechanical Systems." Procedia Materials Science. 6. 171–177. 10.1016/j.mspro.2014.07.021. 2014.
[3] Roque, Antonio & Silva, Tiago & Calado, João & Dias, J. "An approach to fault diagnosis of rolling bearings." WSEAS Transactions on Systems and Control. 4. 2009.
バージョン履歴
R2019b で導入
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