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Simscape 実行時パラメーターについて

Simscape™ 実行時パラメーターは、実行時に構成可能な MATLAB® 変数または Simulink.Parameter オブジェクトです。既定では、実行時に構成可能なパラメーターはコード生成時にインライン化されません。Simscape 実行時パラメーターを使用すると、パラメーター値を変更する際にモデルの再コンパイルをスキップできます。パラメーター値は以下の場合に変更できます。

  • 開発用コンピューター上での高速リスタートによる反復的なシミュレーションの間

  • 開発用コンピューターの参照モデル内

  • ラピッド シミュレーション (RSim)、またはリアルタイム ターゲット ハードウェアで生成されたコード内

これらのタイプのシミュレーションで Simscape 実行時パラメーターを使用する方法の詳細については、Simscape 実行時パラメーターの使用によるパラメーター スイープ効率の向上を参照してください。

既定では、すべての Simscape ブロック パラメーターはコンパイル時パラメーターです。コンパイル時パラメーターの値は、開発用コンピューター上のプラント モデルでしか変更できません。

実行時設定変更の有効化

Simscape では、数値入力を必要とするほとんどのパラメーターについて実行時設定変更がサポートされます。特定のパラメーターを Simscape 実行時パラメーターとして指定できるかどうか判断するには、ブロックのプロパティ インスペクターでパラメーターの設定を確認します。パラメーターが実行時に構成可能である場合、既定の設定である [コンパイル時] に設定されてプロパティ インスペクターに表示されます。これを [Run-time] に変更にして、パラメーターを実行時構成可能に設定できます。Simscape モデルからコードを生成する前の任意のタイミングで、この設定を変更できます。

Simscape ブロック パラメーターを実行時設定変更に指定するには、ブロックのプロパティ インスペクターでパラメーター名の下に表示される [設定変更][Compile-time] から [Run-time] に変更します。次の図は、DC Voltage Source ブロックの [定電圧] パラメーターについての実行時コンフィギュレーションの設定を示しています。

実行時パラメーターの値は、プロパティ インスペクターで数値的に指定できます。また、MATLAB ワークスペースで変数の名前を入力し、ワークスペース変数の値を変更してパラメーターを調整することでパラメーターの値を指定することもできます。開発用コンピューターとターゲット コンピューターの Simscape 実行時パラメーターを指定および変更する方法を示す例については、Simscape 実行時パラメーターの指定と変更ターゲット ハードウェア上でのパラメーター値の変更を参照してください。

Simscape 実行時パラメーターを使用すると反復シミュレーションの効率性が向上しますが、生成するコードの効率性が減少する場合があります。コンパイル時パラメーターまたはインライン化された実行時パラメーターが含まれるコードは、パラメーター値を格納または取得する必要がないため、より計算効率に優れています。既定のパラメーター動作で、コード生成をインラインに設定すると、生成コードのアルゴリズムによって、すべてのブロック パラメーターの数値が定数としてインライン化されます。

どのようなときに Simscape 実行時パラメーターをインライン化するかを判断するために役立つ情報の詳細については、Simscape 実行時パラメーターのインライン化による計算コストの削減を参照してください。Simscape 実行時パラメーターをインライン化する方法については、Simscape 実行時パラメーターの管理を参照してください。

Simscape 実行時パラメーターは、Simulink® の調整可能なパラメーターと同じではありません。2 種類のパラメーター間の比較の詳細については、Simscape の実行時パラメーターと Simulink の調整可能なパラメーターの違いを参照してください。

ブロックレベルでの変数初期化のターゲット値の実行時における設定変更

一部の Simscape ブロックの [初期ターゲット] 設定を使用すると、ブロックレベルでの変数初期化のターゲット値を設定できます。詳細については、モデルのシミュレーションに向けたブロック変数の初期化ブロック変数の優先順位と初期ターゲットの設定を参照してください。

[初期ターゲット] 設定に含まれる変数は、既定で実行時に構成可能です。MATLAB ワークスペースに保存する変数を使用してターゲット値を指定すると、シミュレーションの実行間に、変数初期化のターゲット値をブロックレベルで調整できます。

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