fgoalattain
多目的ゴール到達問題を解く
構文
説明
fgoalattain
はゴール到達問題を解きます。これは多目的最適化問題を最小化するための定式化です。
fgoalattain
は、以下で指定された問題の最小値を求めます。
weight
、goal
、b および beq はベクトル、A および Aeq は行列、F(x)、c(x) および ceq(x) はベクトルを返す関数です。F(x)、c(x)、ceq(x) を非線形関数にすることもできます。
x、lb および ub はベクトルまたは行列として渡すことができます。行列引数を参照してください。
[
は上記に加え、解 x
,fval
,attainfactor
,exitflag
,output
] = fgoalattain(___)x
における到達因子、fgoalattain
の終了条件を記述する値 exitflag
、および最適化プロセスに関する情報を含む構造体 output
を返します。
例
基本的なゴール到達問題
2 つの目的を持つ次の関数を考えます。
この関数は、 が で最小値 2 となり、 が で最小値 5 となることが明らかです。
ゴール [3,6] および重み [1,1] を設定し、x0
= 1 から始めてゴール到達問題を解きます。
fun = @(x)[2+(x-3)^2;5+x^2/4]; goal = [3,6]; weight = [1,1]; x0 = 1; x = fgoalattain(fun,x0,goal,weight)
Local minimum possible. Constraints satisfied. fgoalattain stopped because the size of the current search direction is less than twice the value of the step size tolerance and constraints are satisfied to within the value of the constraint tolerance.
x = 2.0000
解での の値を求めます。
fun(x)
ans = 2×1
3.0000
6.0000
fgoalattain
がゴールを正確に達成します。
線形制約を使用したゴール到達
目的関数は次のとおりです。
ここで、p_1
= [2,3] および p_2
= [4,1] です。ゴールは [3,6]、重みは [1,1]、線形制約は です。
目的関数、ゴール、および重みを作成します。
p_1 = [2,3]; p_2 = [4,1]; fun = @(x)[2 + norm(x-p_1)^2;5 + norm(x-p_2)^2/4]; goal = [3,6]; weight = [1,1];
A*x <= b
を表す線形制約行列 A
および b
を作成します。
A = [1,1]; b = 4;
初期点 [1,1] を設定し、ゴール到達問題を解きます。
x0 = [1,1]; x = fgoalattain(fun,x0,goal,weight,A,b)
Local minimum possible. Constraints satisfied. fgoalattain stopped because the size of the current search direction is less than twice the value of the step size tolerance and constraints are satisfied to within the value of the constraint tolerance.
x = 1×2
2.0694 1.9306
解での の値を求めます。
fun(x)
ans = 2×1
3.1484
6.1484
fgoalattain
はゴールを満たしていません。重みが等しいため、ソルバーは各ゴールに対して同じ量だけ劣到達になります。
範囲を使用したゴール到達
目的関数は次のとおりです。
ここで、p_1
= [2,3] および p_2
= [4,1] です。ゴールは [3,6]、重みは [1,1]、範囲は , です。
目的関数、ゴール、および重みを作成します。
p_1 = [2,3]; p_2 = [4,1]; fun = @(x)[2 + norm(x-p_1)^2;5 + norm(x-p_2)^2/4]; goal = [3,6]; weight = [1,1];
範囲を作成します。
lb = [0,2]; ub = [3,5];
初期点を [1,4] に設定し、ゴール到達問題を解きます。
x0 = [1,4];
A = []; % no linear constraints
b = [];
Aeq = [];
beq = [];
x = fgoalattain(fun,x0,goal,weight,A,b,Aeq,beq,lb,ub)
Local minimum possible. Constraints satisfied. fgoalattain stopped because the size of the current search direction is less than twice the value of the step size tolerance and constraints are satisfied to within the value of the constraint tolerance.
x = 1×2
2.6667 2.3333
解での の値を求めます。
fun(x)
ans = 2×1
2.8889
5.8889
fgoalattain
はゴールを満たし過ぎています。重みが等しいため、ソルバーは各ゴールに対して同じ量だけ過到達になります。
非線形制約を使用したゴール到達
目的関数は次のとおりです。
ここで、p_1
= [2,3] および p_2
= [4,1] です。ゴールは [3,6]、重みは [1,1]、非線形制約は です。
目的関数、ゴール、および重みを作成します。
p_1 = [2,3]; p_2 = [4,1]; fun = @(x)[2 + norm(x-p_1)^2;5 + norm(x-p_2)^2/4]; goal = [3,6]; weight = [1,1];
非線形制約関数は norm4.m
ファイルにあります。
type norm4
function [c,ceq] = norm4(x) ceq = []; c = norm(x)^2 - 4;
線形制約と範囲のために空の入力引数を作成します。
A = []; Aeq = []; b = []; beq = []; lb = []; ub = [];
初期点を [1,1] に設定し、ゴール到達問題を解きます。
x0 = [1,1]; x = fgoalattain(fun,x0,goal,weight,A,b,Aeq,beq,lb,ub,@norm4)
Local minimum possible. Constraints satisfied. fgoalattain stopped because the size of the current search direction is less than twice the value of the step size tolerance and constraints are satisfied to within the value of the constraint tolerance.
x = 1×2
1.1094 1.6641
解での の値を求めます。
fun(x)
ans = 2×1
4.5778
7.1991
fgoalattain
はゴールを満たしていません。重みが等しいにもかかわらず、 は 3 というゴールから約 1.58 離れており、 は 6 というゴールから約 1.2 離れています。非線形制約により、解 x
はゴールに等しく到達しません。
既定ではないオプションを使用したゴール到達
反復表示を返すようにオプションを設定して、ゴール到達の求解プロセスを監視します。
options = optimoptions('fgoalattain','Display','iter');
目的関数は次のとおりです。
ここで、p_1
= [2,3] および p_2
= [4,1] です。ゴールは [3,6]、重みは [1,1]、線形制約は です。
目的関数、ゴール、および重みを作成します。
p_1 = [2,3]; p_2 = [4,1]; fun = @(x)[2 + norm(x-p_1)^2;5 + norm(x-p_2)^2/4]; goal = [3,6]; weight = [1,1];
A*x <= b
を表す線形制約行列 A
および b
を作成します。
A = [1,1]; b = 4;
線形等式制約、範囲、および非線形制約のために空の入力引数を作成します。
Aeq = []; beq = []; lb = []; ub = []; nonlcon = [];
初期点 [1,1] を設定し、ゴール到達問題を解きます。
x0 = [1,1]; x = fgoalattain(fun,x0,goal,weight,A,b,Aeq,beq,lb,ub,nonlcon,options)
Attainment Max Line search Directional Iter F-count factor constraint steplength derivative Procedure 0 4 0 4 1 9 -1 2.5 1 -0.535 2 14 -1.235e-08 0.2813 1 0.883 3 19 0.1452 0.005926 1 0.883 4 24 0.1484 2.868e-06 1 0.883 5 29 0.1484 6.757e-13 1 0.883 Hessian modified Local minimum possible. Constraints satisfied. fgoalattain stopped because the size of the current search direction is less than twice the value of the step size tolerance and constraints are satisfied to within the value of the constraint tolerance.
x = 1×2
2.0694 1.9306
報告された到達因子が正の値である場合、fgoalattain
によってゴールを満たす解が見つからないことを示します。
ゴール到達での目的関数値の取得
目的関数は次のとおりです。
ここで、p_1
= [2,3] および p_2
= [4,1] です。ゴールは [3,6]、重みは [1,1]、線形制約は です。
目的関数、ゴール、および重みを作成します。
p_1 = [2,3]; p_2 = [4,1]; fun = @(x)[2 + norm(x-p_1)^2;5 + norm(x-p_2)^2/4]; goal = [3,6]; weight = [1,1];
A*x <= b
を表す線形制約行列 A
および b
を作成します。
A = [1,1]; b = 4;
初期点 [1,1] を設定し、ゴール到達問題を解きます。目的関数の値を要求します。
x0 = [1,1]; [x,fval] = fgoalattain(fun,x0,goal,weight,A,b)
Local minimum possible. Constraints satisfied. fgoalattain stopped because the size of the current search direction is less than twice the value of the step size tolerance and constraints are satisfied to within the value of the constraint tolerance.
x = 1×2
2.0694 1.9306
fval = 2×1
3.1484
6.1484
目的関数値がゴールより大きくなっています。つまり、fgoalattain
はゴールを満たしていません。
ゴール到達でのすべての出力の取得
目的関数は次のとおりです。
ここで、p_1
= [2,3] および p_2
= [4,1] です。ゴールは [3,6]、重みは [1,1]、線形制約は です。
目的関数、ゴール、および重みを作成します。
p_1 = [2,3]; p_2 = [4,1]; fun = @(x)[2 + norm(x-p_1)^2;5 + norm(x-p_2)^2/4]; goal = [3,6]; weight = [1,1];
A*x <= b
を表す線形制約行列 A
および b
を作成します。
A = [1,1]; b = 4;
初期点 [1,1] を設定し、ゴール到達問題を解きます。目的関数、到達因子、終了フラグ、出力構造体、およびラグランジュ乗数の値を要求します。
x0 = [1,1]; [x,fval,attainfactor,exitflag,output,lambda] = fgoalattain(fun,x0,goal,weight,A,b)
Local minimum possible. Constraints satisfied. fgoalattain stopped because the size of the current search direction is less than twice the value of the step size tolerance and constraints are satisfied to within the value of the constraint tolerance.
x = 1×2
2.0694 1.9306
fval = 2×1
3.1484
6.1484
attainfactor = 0.1484
exitflag = 4
output = struct with fields:
iterations: 6
funcCount: 29
lssteplength: 1
stepsize: 4.1023e-13
algorithm: 'active-set'
firstorderopt: []
constrviolation: 6.6663e-13
message: 'Local minimum possible. Constraints satisfied....'
lambda = struct with fields:
lower: [2x1 double]
upper: [2x1 double]
eqlin: [0x1 double]
eqnonlin: [0x1 double]
ineqlin: 0.5394
ineqnonlin: [0x1 double]
attainfactor
が正の値である場合、ゴールに到達していないことを示します。これは、fval
を goal
と比較することによっても確認できます。
lambda.ineqlin
の値が非ゼロです。これは、線形不等式によって解が制約を受けていることを示します。
ゴール到達での重み、ゴール、および制約の影響
目的関数は次のとおりです。
ここで、p_1
= [2,3] および p_2
= [4,1] です。ゴールは [3,6]、初期重みは [1,1] です。
目的関数、ゴール、および初期重みを作成します。
p_1 = [2,3]; p_2 = [4,1]; fun = @(x)[2 + norm(x-p_1)^2;5 + norm(x-p_2)^2/4]; goal = [3,6]; weight = [1,1];
線形制約 を設定します。
A = [1 1]; b = 4;
点 x0 = [1 1]
から始めてゴール到達問題を解きます。
x0 = [1 1]; [x,fval] = fgoalattain(fun,x0,goal,weight,A,b)
Local minimum possible. Constraints satisfied. fgoalattain stopped because the size of the current search direction is less than twice the value of the step size tolerance and constraints are satisfied to within the value of the constraint tolerance.
x = 1×2
2.0694 1.9306
fval = 2×1
3.1484
6.1484
fval
の各成分が goal
の対応する成分より大きくなっています。これは、ゴールに到達していないことを示します。
weight(1)
をより小さい値に設定して、最初のゴールを満たす重要度を高めます。
weight(1) = 1/10; [x,fval] = fgoalattain(fun,x0,goal,weight,A,b)
Local minimum possible. Constraints satisfied. fgoalattain stopped because the size of the current search direction is less than twice the value of the step size tolerance and constraints are satisfied to within the value of the constraint tolerance.
x = 1×2
2.0115 1.9885
fval = 2×1
3.0233
6.2328
fval(1)
の値は goal(1)
にかなり近くなっていますが、fval(2)
は goal(2)
から離れています。
goal(2)
を、現在の解より大きい 7 に変更します。解が変化します。
goal(2) = 7; [x,fval] = fgoalattain(fun,x0,goal,weight,A,b)
Local minimum possible. Constraints satisfied. fgoalattain stopped because the size of the current search direction is less than twice the value of the step size tolerance and constraints are satisfied to within the value of the constraint tolerance.
x = 1×2
1.9639 2.0361
fval = 2×1
2.9305
6.3047
fval
の両方の成分が goal
の対応する成分より小さくなっています。しかし、fval(2)
と goal(2)
に比べて、fval(1)
と goal(1)
はかなり近くなっています。重みを小さくすると、ゴールに到達できない場合にはその成分がほぼ満たされる可能性が高くなり、ゴールに到達できる場合には過到達の程度が低くなります。
重みが等しくなるように変更します。fval
の結果は、ゴールからの距離が等しくなります。
weight(2) = 1/10; [x,fval] = fgoalattain(fun,x0,goal,weight,A,b)
Local minimum possible. Constraints satisfied. fgoalattain stopped because the size of the current search direction is less than twice the value of the step size tolerance and constraints are satisfied to within the value of the constraint tolerance.
x = 1×2
1.7613 2.2387
fval = 2×1
2.6365
6.6365
制約によって、結果として得られる fval
がゴールに等しく近くならないことがあります。たとえば、x(2)
の上限を 2 に設定します。
ub = [Inf,2]; lb = []; Aeq = []; beq = []; [x,fval] = fgoalattain(fun,x0,goal,weight,A,b,Aeq,beq,lb,ub)
Local minimum possible. Constraints satisfied. fgoalattain stopped because the size of the current search direction is less than twice the value of the step size tolerance and constraints are satisfied to within the value of the constraint tolerance.
x = 1×2
2.0000 2.0000
fval = 2×1
3.0000
6.2500
この場合、fval(1)
はそのゴールを正確に満たしますが、fval(2)
はゴールより小さくなります。
入力引数
fun
— 目的関数
関数ハンドル | 関数名
目的関数。関数ハンドルまたは関数名として指定します。fun
は、ベクトル x
を受け入れ、ベクトル F
(x
で評価される目的関数) を返す関数です。関数 fun
は関数ファイルの関数ハンドルとして指定することができます。
x = fgoalattain(@myfun,x0,goal,weight)
ここで myfun
は次のような MATLAB® 関数です。
function F = myfun(x) F = ... % Compute function values at x.
fun
は無名関数の関数ハンドルにもなります。
x = fgoalattain(@(x)sin(x.*x),x0,goal,weight);
fgoalattain
は、目的関数および任意の非線形制約関数に x0
引数の形式で x
を渡します。たとえば、x0
が 5 行 3 列の配列の場合、fgoalattain
は 5 行 3 列の配列として x
を fun
に渡します。ただし、fgoalattain
は、x
を列ベクトル x(:)
に変換してから、線形制約行列 A
または Aeq
を x
と乗算します。
目的関数を可能な限りゴールに近づけるには (すなわち、大きくもなく小さくもなくするには) optimoptions
を使用して EqualityGoalCount
オプションをゴール値の近傍にあることが必要な目的関数の数に設定してください。このような目的関数を fun
が返すベクトル F
の最初の要素に割り当て "なければなりません"。
また目的関数の勾配を計算することもでき、"さらに" 次のように SpecifyObjectiveGradient
オプションが true
であるとします。
options = optimoptions('fgoalattain','SpecifyObjectiveGradient',true)
この場合、関数 fun
は 2 番目の出力引数に x
での勾配値 G
(行列) を返さなければなりません。勾配は点 x
における各 F
の偏導関数 dF/dx です。F
が長さ m
のベクトルであり、x
の長さが n
で、n
が x0
の長さである場合、F(x)
の勾配 G
は n
行 m
列の行列です。ここで G(i,j)
は F(j)
の x(i)
に関する偏導関数です (すなわち、G
の第 j
番目の列が j
番目の目的関数 F(j)
の勾配です)。
メモ
SpecifyObjectiveGradient
を true
に設定することは、問題に非線形制約がない場合と、問題の非線形制約の SpecifyConstraintGradient
が true
の場合のみ有効です。内部的に目的関数が制約に含まれるため、ソルバーは、勾配推定を避けるために両方の勾配 (目的関数と制約) が指定されていることを必要とします。
データ型: char
| string
| function_handle
x0
— 初期点
実数ベクトル | 実数配列
初期点。実数ベクトルまたは実数配列として指定されます。ソルバーは、x0
の要素数および x0
のサイズを使用して、fun
が受け入れる変数の数およびサイズを決定します。
例: x0 = [1,2,3,4]
データ型: double
goal
— 到達するゴール
実数ベクトル
到達するゴール。実数ベクトルとして指定します。fgoalattain
は、解 x で i のすべての値に対してこれらの不等式を満足する最小乗数 γ を求めようとします。
weight
が正のベクトルであると仮定します。
ソルバーによってすべてのゴールに同時に到達する点
x
が見つかる場合、到達因子 γ は負であり、ゴールは過到達になります。ソルバーによってすべてのゴールに同時に到達する点
x
が見つからない場合、到達因子 γ は正であり、ゴールは劣到達になります。
例: [1 3 6]
データ型: double
weight
— 相対到達因子
実数ベクトル
相対到達因子。実数ベクトルとして指定します。fgoalattain
は、解 x で i のすべての値に対してこれらの不等式を満足する最小乗数 γ を求めようとします。
goal
の値が "すべて非ゼロ" であるとき、有効な目的関数の劣到達または過到達が同じ割合になるように、weight
を abs(goal)
に設定してください (アクティブな目的関数は、解におけるゴールのさらなる改良に対する障害になる目的関数の集合です)。
メモ:
weight
ベクトルの成分をゼロへ設定すると、ゴール制約としてではなく厳しい制約として、対応するゴール到達は処理されます。厳しい制約を設定する代わりの方法は、入力引数 nonlcon
を使用することです。
weight
が正であるとき、fgoalattain
は目的関数がゴール値より小さくなるようにします。目的関数がゴール値より大きくなるようにするには、weight
を正ではなく負に設定してください。重みが解に与えるいくつかの影響については、ゴール到達での重み、ゴール、および制約の影響を参照してください。
目的関数が可能な限りゴール値に近づくようにするには、EqualityGoalCount
オプションを使用して、この目的関数を fun
が返すベクトルの最初の要素として指定してください (fun
および options
を参照)。例については、多目的ゴール到達の最適化を参照してください。
例: abs(goal)
データ型: double
A
— 線形不等式制約
実数行列
実数行列として指定される線形不等式制約です。A
は M
行 N
列の行列で、M
は不等式の数、N
は変数の数 (x0
の要素数) です。大規模な問題の場合は、A
をスパース行列として渡します。
A
は M
個の線形不等式を符号化します。
A*x <= b
,
ここで、x
は N
個の変数 x(:)
の列ベクトル、b
は M
個の要素をもつ列ベクトルです。
たとえば、次の不等式を考えてみましょう。
x1 + 2x2 ≤ 10
3x1 + 4x2 ≤ 20
5x1 + 6x2 ≤ 30,
次の制約を入力することによって、不等式を指定します。
A = [1,2;3,4;5,6]; b = [10;20;30];
例: x の成分の和が 1 以下であることを指定するには、A = ones(1,N)
と b = 1
を使用します。
データ型: double
b
— 線形不等式制約
実数ベクトル
実数ベクトルで指定される線形不等式制約です。b
は、行列 A
に関連する M
要素ベクトルです。b
を行ベクトルとして渡す場合、ソルバーは b
を列ベクトル b(:)
に内部的に変換します。大規模な問題の場合は、b
をスパース ベクトルとして渡します。
b
は M
個の線形不等式を符号化します。
A*x <= b
,
ここで、x
は N
個の変数 x(:)
の列ベクトル、A
は M
行 N
列の行列です。
たとえば、次の不等式を考えてみましょう。
x1 + 2x2 ≤ 10
3x1 + 4x2 ≤ 20
5x1 + 6x2 ≤ 30.
次の制約を入力することによって、不等式を指定します。
A = [1,2;3,4;5,6]; b = [10;20;30];
例: x の成分の和が 1 以下であることを指定するには、A = ones(1,N)
と b = 1
を使用します。
データ型: double
Aeq
— 線形等式制約
実数行列
実数行列として指定される線形等式制約です。Aeq
は Me
行 N
列の行列で、Me
は等式の数、N
は変数の数 (x0
の要素数) です。大規模な問題の場合は、Aeq
をスパース行列として渡します。
Aeq
は Me
個の線形等式を符号化します。
Aeq*x = beq
,
ここで、x
は N
個の変数 x(:)
の列ベクトル、beq
は Me
個の要素をもつ列ベクトルです。
たとえば、次の不等式を考えてみましょう。
x1 + 2x2 + 3x3 = 10
2x1 + 4x2 + x3 = 20,
次の制約を入力することによって、不等式を指定します。
Aeq = [1,2,3;2,4,1]; beq = [10;20];
例: x の成分の和が 1 であることを指定するには、Aeq = ones(1,N)
と beq = 1
を使用します。
データ型: double
beq
— 線形等式制約
実数ベクトル
実数ベクトルで指定される線形等式制約です。beq
は、行列 Aeq
に関連する Me
要素ベクトルです。beq
を行ベクトルとして渡す場合、ソルバーは beq
を列ベクトル beq(:)
に内部的に変換します。大規模な問題の場合は、beq
をスパース ベクトルとして渡します。
beq
は Me
個の線形等式を符号化します。
Aeq*x = beq
,
ここで、x
は N
個の変数 x(:)
の列ベクトル、Aeq
は Me
行 N
列の行列です。
たとえば、次の等式を考えてみましょう。
x1 + 2x2 + 3x3 = 10
2x1 + 4x2 + x3 = 20.
次の制約を入力することによって、等式を指定します。
Aeq = [1,2,3;2,4,1]; beq = [10;20];
例: x の成分の和が 1 であることを指定するには、Aeq = ones(1,N)
と beq = 1
を使用します。
データ型: double
lb
— 下限
実数ベクトル | 実数配列
下限。実数ベクトルまたは実数配列として指定されます。x0
の要素数と lb
の要素数が等しい場合、lb
は次を指定します。
x(i) >= lb(i)
(すべての i
について)
numel(lb) < numel(x0)
の場合、lb
は次を指定します。
x(i) >= lb(i)
(1 <= i <= numel(lb)
)
lb
の要素数が x0
より少ない場合、ソルバーは警告を生成します。
例: x のすべての成分が正であることを指定するには、lb = zeros(size(x0))
を使用します。
データ型: double
ub
— 上限
実数ベクトル | 実数配列
実数ベクトルまたは実数配列として指定される上限です。x0
の要素数と ub
の要素数が等しい場合、ub
は次を指定します。
x(i) <= ub(i)
(すべての i
について)
numel(ub) < numel(x0)
の場合、ub
は次を指定します。
x(i) <= ub(i)
(1 <= i <= numel(ub)
)
ub
の要素数が x0
より少ない場合、ソルバーは警告を生成します。
例: x のすべての成分が 1 未満であることを指定するには、ub = ones(size(x0))
を使用します。
データ型: double
nonlcon
— 非線形制約
関数ハンドル | 関数名
非線形制約。関数ハンドルまたは関数名として指定されます。nonlcon
は、ベクトルまたは配列 x
を受け、2 つの配列 c(x)
および ceq(x)
を返す関数です。
c(x)
は、x
での非線形不等式制約の配列です。fgoalattain
は次の条件を満たそうとします。c(x) <= 0
for all entries ofc
.ceq(x)
は、x
での非線形等式制約の配列です。fgoalattain
は次の条件を満たそうとします。ceq(x) = 0
for all entries ofceq
.
たとえば、
x = fgoalattain(@myfun,x0,...,@mycon)
ここで mycon
は次のような MATLAB 関数です。
function [c,ceq] = mycon(x) c = ... % Compute nonlinear inequalities at x. ceq = ... % Compute nonlinear equalities at x.
また制約関数の勾配を計算することができ、"さらに" 次のように SpecifyConstraintGradient
オプションが true
であるとします。
options = optimoptions('fgoalattain','SpecifyConstraintGradient',true)
この場合、関数 nonlcon
は 3 番目および 4 番目の出力引数に c(x)
の勾配 GC
および ceq(x)
の勾配 GCeq
を返さなければなりません。与えられた勾配を受け付けないソルバーに使用する勾配を条件付ける方法の説明は、非線形制約を参照してください。
nonlcon
が m
成分のベクトル c
を返し、x
の長さが n
で、n
が x0
の長さである場合、c(x)
の勾配 GC
は n
行 m
列の行列です。ここで GC(i,j)
は c(j)
の x(i)
に関する偏導関数です (すなわち、GC
の第 j
列が j
番目の不等式制約 c(j)
の勾配です)。ceq
が p
個の成分をもち、ceq(x)
の勾配 GCeq
が n
行 p
列の行列である場合も同様です。このとき、GCeq(i,j)
は ceq(j)
の x(i)
に関する偏導関数です (すなわち、GCeq
の第 j
列が j
番目の等式制約 ceq(j)
の勾配です)。
メモ
SpecifyConstraintGradient
の true
への設定は SpecifyObjectiveGradient
が true
に設定されている場合のみ効果的です。内部的に目的関数が制約に含まれるため、ソルバーは、勾配推定を避けるために両方の勾配 (目的関数と制約) が指定されていることを必要とします。
メモ:
Optimization Toolbox™ の関数が double
型の入力のみを受け入れるため、ユーザーが指定した目的関数と非線形制約関数は double
型の出力を返さなければなりません。
必要に応じて非線形制約関数 nonlcon
をパラメーター化する方法については、追加パラメーターの受け渡しを参照してください。
データ型: char
| function_handle
| string
options
— 最適化オプション
optimoptions
の出力 | optimset
などによって返される構造体
最適化オプション。optimoptions
の出力、または optimset
などによって返される構造体として指定されます。
一部のオプションは、optimoptions
に表示されません。このようなオプションは、次の表ではイタリックで示されています。詳細については、最適化オプションの表示を参照してください。
optimset
の名前が異なるオプションの詳細については、新旧のオプション名を参照してください。
オプション | 説明 |
---|---|
ConstraintTolerance | 制約違反に関する終了許容誤差 (非負のスカラー)。既定値は
|
Diagnostics | 最小化または求解する関数に関する情報を表示します。選択肢は |
DiffMaxChange | 有限差分勾配を計算する場合に変数内で生じる最大変化量です (正のスカラー)。既定値は |
DiffMinChange | 有限差分勾配を計算する場合に変数内で生じる最小変化量です (正のスカラー)。既定値は |
| 表示レベル (反復表示を参照):
|
EqualityGoalCount | 目的関数
|
FiniteDifferenceStepSize | 有限差分のスカラーまたはベクトルのステップ サイズ ファクター。
sign′(0) = 1 を除き sign′(x) = sign(x) です。中心有限差分法では
FiniteDifferenceStepSize はベクトルに拡張します。既定値は、前進有限差分法では sqrt(eps) 、中心有限差分法では eps^(1/3) です。
|
FiniteDifferenceType | 勾配推定に使用される有限差分のタイプは アルゴリズムは有限差分の両方のタイプを推定するとき、範囲に注意深く従います。たとえば、forward ステップではなく、backward ステップを選択すると、範囲外の点を計算しないようにすることができます。
|
FunctionTolerance | 関数値に関する終了許容誤差 (非負のスカラー)。既定値は
|
FunValCheck | 目的関数値と制約値が有効であるかどうかをチェックします。 |
MaxFunctionEvaluations | 関数評価の最大許容回数 (非負の整数)。既定値は
|
MaxIterations | 反復の最大許容回数 (非負の整数)。既定値は
|
MaxSQPIter | SQP 反復の最大数 (正の整数)。既定値は |
MeritFunction | このオプションを |
OptimalityTolerance | 1 次の最適性に関する終了許容誤差 (非負のスカラー)。既定値は
|
OutputFcn | 各反復で最適化関数が呼び出す 1 つ以上のユーザー定義の関数。関数ハンドルか、関数ハンドルの cell 配列を渡します。既定の設定はなし ( |
PlotFcn | アルゴリズム実行時における、進行状態の各種測定値を示すプロット。定義済みのプロットから選択するか、自身で記述します。名前、関数ハンドル、または名前か関数ハンドルの cell 配列を渡します。カスタム プロット関数の場合は、関数ハンドルを渡します。既定の設定はなし (
カスタムのプロット関数は、出力関数と同じ構文を使用します。詳細については、Optimization Toolbox の出力関数と出力関数とプロット関数の構文を参照してください。
|
RelLineSrchBnd |
|
RelLineSrchBndDuration |
|
SpecifyConstraintGradient | ユーザーにより定義される非線形制約関数に対する勾配。
|
SpecifyObjectiveGradient | ユーザーが定義する目的関数の勾配。勾配の定義方法については、
|
StepTolerance |
|
TolConSQP | 内部反復 SQP 制約違反に関する終了許容誤差 (正のスカラー)。既定値は |
TypicalX | 典型的な |
UseParallel | 並列計算の指標。 |
例: optimoptions('fgoalattain','PlotFcn','optimplotfval')
problem
— 問題構造体
構造体
問題構造体。次の表のフィールドをもつ構造体として指定します。
フィールド名 | エントリ |
---|---|
| 目的関数 fun |
| x の初期点 |
| 到達するゴール |
| 相対的に重要なゴール因子 |
| 線形不等式制約の行列 |
| 線形不等式制約のベクトル |
| 線形等式制約の行列 |
| 線形等式制約のベクトル |
lb | 下限のベクトル |
ub | 上限のベクトル |
| 非線形制約関数 |
| 'fgoalattain' |
| optimoptions で作成されたオプション |
problem
構造体では、少なくとも objective
、x0
、goal
、weight
、solver
、および options
フィールドを指定しなければなりません。
データ型: struct
出力引数
x
— 解
実数ベクトル | 実数配列
実数ベクトルまたは実数配列として返される解です。x
のサイズは、x0
のサイズと同じです。通常、exitflag
が正の場合、x
は問題に対する局所的な解になります。解の質の詳細については、ソルバーが成功する場合を参照してください。
fval
— 解での目的関数値
実数配列
解での目的関数値。実数配列として返されます。一般的に、fval
= fun(x)
になります。
attainfactor
— 到達因子
実数
到達因子。実数として返されます。attainfactor
は解での γ の値を含みます。attainfactor
が負である場合、ゴールは過到達になります。attainfactor
が正である場合、ゴールは劣到達になります。詳細については、goal
を参照してください。
exitflag
— fgoalattain
の停止理由
整数
fgoalattain
の停止理由。整数として返されます。
| 関数が解 |
| 探索方向の大きさが指定した許容誤差より小さく、制約違反が |
| 方向導関数の大きさが指定した許容誤差より小さく、制約違反が |
| 反復回数が |
| 出力関数またはプロット関数によって停止したことを示します。 |
| 実行可能な点が見つかりません。 |
output
— 最適化プロセスに関する情報
構造体
最適化プロセスに関する情報。次の表のフィールドをもつ構造体として返されます。
iterations | 実行した反復回数 |
funcCount | 関数評価の回数 |
lssteplength | 探索方向に対する直線探索ステップのサイズ |
constrviolation | 制約関数の最大値 |
stepsize |
|
algorithm | 使用される最適化アルゴリズム |
firstorderopt | 1 次の最適性の尺度 |
message | 終了メッセージ |
アルゴリズム
fgoalattain
アルゴリズムの説明およびゴール到達の概念の詳細については、アルゴリズムを参照してください。
代替機能
アプリ
[最適化] ライブ エディター タスクが fgoalattain
にビジュアル インターフェイスを提供します。
拡張機能
自動並列サポート
Parallel Computing Toolbox™ を使用して自動的に並列計算を実行することで、コードを高速化します。
並列実行するには、'UseParallel'
オプションを true
に設定します。
options = optimoptions('
solvername
','UseParallel',true)
詳細については、Optimization Toolbox での並列計算の使用を参照してください。
バージョン履歴
R2006a より前に導入
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