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gtext

マウス操作で Figure にテキストを追加

説明

gtext(str) は、マウスで選択された位置にテキスト str を挿入します。Figure ウィンドウ上に移動したポインターは十字線に変化し、gtext は位置が選択されるまで待機します。ポインターを目的の位置に移動し、Figure をクリックするか、任意のキー (Enter キーを除く) を押します。

gtext(str,Name,Value) は、1 つ以上の名前と値のペアの引数を使用して、テキスト プロパティを指定します。たとえば、'FontSize',14 は 14 ポイントのフォントを指定します。

t = gtext(___) は、gtext で作成された text オブジェクトの配列を返します。text オブジェクトの作成後にそのプロパティを変更するには、t を使用します。プロパティと説明の一覧については、Text のプロパティ を参照してください。前述の構文に示した任意の引数を使用して、出力引数を返すことができます。

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簡単なライン プロットを作成し、gtext を使用してマウス操作で Figure にテキストを追加します。

plot(1:10)
gtext('My Plot')

Crosshair selection cursor on a plot

Figure をクリックして、選択した位置にテキストを配置します。

Plot containing the text "My Plot"

簡単なライン プロットを作成し、マウス操作で Figure にテキストを追加します。赤の 14 ポイントのフォントを使用します。

plot(1:10)
gtext('My Plot','Color','red','FontSize',14)

Figure 内のテキストを表示する位置をクリックします。

Plot containing the red, 14-point text "My Plot"

簡単なライン プロットを作成し、マウス操作で Figure にテキストを追加します。作成した text オブジェクト t を返します。

plot(1:10)
t = gtext('My Plot')

Figure をクリックしてテキストを配置し、text オブジェクトを作成します。

Plot containing the text "My Plot"

t = 

  Text (My Plot) with properties:

                 String: 'My Plot'
               FontSize: 10
             FontWeight: 'normal'
               FontName: 'Helvetica'
                  Color: [0 0 0]
    HorizontalAlignment: 'left'
               Position: [4.3906 5.3950 0]
                  Units: 'data'

  Show all properties

t を使用してテキストのプロパティを設定することにより、テキストのフォント サイズと色を変更します。プロパティの設定にはドット表記を使用します。

t.Color = 'red';
t.FontSize = 14;

Plot containing the red, 14-point text "My Plot"

入力引数

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表示するテキスト。次のいずれかの形式で指定します。

  • 文字ベクトル — 1 回のクリックでテキストを表示します。例を示します。

    gtext('my text')

  • 文字ベクトルの cell 配列 — クリックするたびに配列の 1 行を表示します。たとえば、次のコードは 1 回目のクリックで first、2 回目のクリックで second を表示します。

    gtext({'first';'second'})

    複数行のテキストを表示するには、行ごとに複数の文字ベクトルを指定します。

    gtext({'first','new line';'second','new line'})

  • 文字配列 — クリックするたびに配列の 1 行を表示します。各行には、同数の文字が含まれなければなりません。例を示します。

    gtext(['one';'two'])

  • string 配列 — クリックするたびに配列の 1 行を表示します。以下に例を示します。

    gtext(["one";"two"])

上付き文字、下付き文字、ギリシャ文字、数学記号などの特殊文字を含めるには、TeX マークアップを使用します。サポートされるマークアップの一覧については、Interpreter プロパティを参照してください。

名前と値の引数

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オプションの引数のペアを Name1=Value1,...,NameN=ValueN として指定します。ここで、Name は引数名で、Value は対応する値です。名前と値の引数は他の引数の後に指定しなければなりませんが、ペアの順序は重要ではありません。

R2021a より前では、コンマを使用して名前と値をそれぞれ区切り、Name を引用符で囲みます。

例: text(.5,.5,'my text','FontSize',14,'Color','red')

ここには一部のプロパティのみを示します。完全な一覧については、Text のプロパティ を参照してください。

メモ

テキストの作成時にテキストの Position プロパティを名前と値のペアとして指定することはできません。gtext は指定された値を無視します。

フォント サイズ。ポイント単位のゼロより大きいスカラー値として指定します。既定のフォント サイズは、特定のオペレーティング システムとロケールによって異なります。1 ポイントは 1/72 インチです。フォントの単位を変更するには、FontUnits プロパティを使用します。

例: 12

データ型: single | double | int8 | int16 | int32 | int64 | uint8 | uint16 | uint32 | uint64

文字の太さ。'normal' または 'bold' として指定します。

MATLAB® ではフォントは、FontWeight プロパティを使用して、ユーザーのシステムで使用可能なフォントから選択します。すべてのフォントに太字があるとは限りません。そのため、太字フォントを指定しても標準フォントの太さと変わらない場合があります。

フォント名。サポートされているフォント名または "FixedWidth" として指定します。テキストを正しく表示し印刷するには、システムでサポートされているフォントを選択しなければなりません。既定のフォントは、オペレーティング システムとロケールによって異なります。

どのロケールでもテキストが整って見える固定幅のフォントを使用するには、"FixedWidth" を使用します。固定幅フォントは、ルートの FixedWidthFontName プロパティによって決まります。ルートの FixedWidthFontName プロパティを設定すると、表示内容が新しいフォントを使用して直ちに更新されます。

テキストの色。RGB 3 成分、16 進数カラー コード、色名、または省略名として指定します。既定値 [0 0 0] は、黒に相当します。

カスタム色を使用する場合は、RGB 3 成分または 16 進数カラー コードを指定します。

  • RGB 3 成分は、色の赤、緑、青成分の強度を指定する 3 成分の行ベクトルです。強度値は [0,1] の範囲でなければなりません。たとえば [0.4 0.6 0.7] のようになります。

  • 16 進数カラー コードは、ハッシュ記号 (#) で始まり、3 桁または 6 桁の 0 から F までの範囲の 16 進数が続く string スカラーまたは文字ベクトルです。この値は大文字と小文字を区別しません。したがって、カラー コード "#FF8800""#ff8800""#F80"、および "#f80" は等価です。

あるいは、名前を使用して一部の一般的な色を指定できます。次の表に、名前の付いた色オプション、等価の RGB 3 成分、および 16 進数カラー コードを示します。

色名省略名RGB 3 成分16 進数カラー コード外観
"red""r"[1 0 0]"#FF0000"

Sample of the color red

"green""g"[0 1 0]"#00FF00"

Sample of the color green

"blue""b"[0 0 1]"#0000FF"

Sample of the color blue

"cyan" "c"[0 1 1]"#00FFFF"

Sample of the color cyan

"magenta""m"[1 0 1]"#FF00FF"

Sample of the color magenta

"yellow""y"[1 1 0]"#FFFF00"

Sample of the color yellow

"black""k"[0 0 0]"#000000"

Sample of the color black

"white""w"[1 1 1]"#FFFFFF"

Sample of the color white

"none"該当なし該当なし該当なし色なし

次の表に、ライト テーマとダーク テーマでのプロットの既定のカラー パレットを示します。

パレットパレットの色

"gem" — ライト テーマの既定値

R2025a より前: ほとんどのプロットで、これらの色が既定で使用されます。

Sample of the "gem" color palette

"glow" — ダーク テーマの既定値

Sample of the "glow" color palette

orderedcolors 関数と rgb2hex 関数を使用すると、これらのパレットの RGB 3 成分および 16 進数カラー コードを取得できます。たとえば、"gem" パレットの RGB 3 成分を取得し、16 進数カラー コードに変換します。

RGB = orderedcolors("gem");
H = rgb2hex(RGB);

R2023b より前: RGB = get(groot,"FactoryAxesColorOrder") を使用して、RGB 3 成分を取得します。

R2024a より前: H = compose("#%02X%02X%02X",round(RGB*255)) を使用して、16 進数カラー コードを取得します。

例: 'blue'

例: [0 0 1]

例: '#0000FF'

Position プロパティの x 値を基準にしたテキストの水平方向の整列。次の表のいずれかの値を指定します。垂直線は、テキストに対する x 値の位置を示します。

結果
'left' (既定)

Sample of left-aligned text

'center'

Sample of centered text

'right'

Sample of right-aligned text

テキスト インタープリター。次の値のいずれかとして指定します。

  • 'tex' — TeX マークアップのサブセットを使用して文字を解釈します。

  • 'latex' — LaTeX マークアップを使用して文字を解釈します。

  • 'none' — リテラル文字を表示します。

TeX マークアップ

MATLAB では、既定で TeX マークアップのサブセットをサポートしています。TeX マークアップを使用して、上付き文字や下付き文字の追加、フォントのタイプや色の変更、テキストへの特殊文字の挿入を行うことができます。

修飾子の効果はテキストの末尾まで適用されます。上付き文字と下付き文字は例外であり、次の 1 文字または中かっこで囲まれた文字にのみ適用されます。インタープリターを "tex" に設定した場合にサポートされる修飾子は次のとおりです。

修飾子説明
^{ }上付き文字"text^{superscript}"
_{ }下付き文字"text_{subscript}"
\bf太字フォント"\bf text"
\itイタリック フォント"\it text"
\sl斜体フォント (通常はイタリック フォントと同じ)"\sl text"
\rm標準フォント"\rm text"
\fontname{specifier}フォント名 — specifier をフォント ファミリの名前に置き換えます。これは他の修飾子と組み合わせて使用できます。"\fontname{Courier} text"
\fontsize{specifier}フォント サイズ — specifier をポイント単位の数値スカラーに置き換えます。"\fontsize{15} text"
\color{specifier}フォントの色 — specifier を、redgreenyellowmagentablueblackwhitegraydarkGreenorangelightBlue の色のいずれかに置き換えます。"\color{magenta} text"
\color[rgb]{specifier}フォントのカスタムの色 — specifier を RGB 3 成分に置き換えます。"\color[rgb]{0,0.5,0.5} text"

次の表に、"tex" インタープリターでサポートされる特殊文字を示します。

文字列記号文字列記号文字列記号

\alpha

α

\upsilon

υ

\sim

~

\angle

\phi

ϕ

\leq

\ast

*

\chi

χ

\infty

\beta

β

\psi

ψ

\clubsuit

\gamma

γ

\omega

ω

\diamondsuit

\delta

δ

\Gamma

Γ

\heartsuit

\epsilon

ϵ

\Delta

Δ

\spadesuit

\zeta

ζ

\Theta

Θ

\leftrightarrow

\eta

η

\Lambda

Λ

\leftarrow

\theta

θ

\Xi

Ξ

\Leftarrow

\vartheta

ϑ

\Pi

Π

\uparrow

\iota

ι

\Sigma

Σ

\rightarrow

\kappa

κ

\Upsilon

ϒ

\Rightarrow

\lambda

λ

\Phi

Φ

\downarrow

\mu

µ

\Psi

Ψ

\circ

º

\nu

ν

\Omega

Ω

\pm

±

\xi

ξ

\forall

\geq

\pi

π

\exists

\propto

\rho

ρ

\ni

\partial

\sigma

σ

\cong

\bullet

\varsigma

ς

\approx

\div

÷

\tau

τ

\Re

\neq

\equiv

\oplus

\aleph

\Im

\cup

\wp

\otimes

\subseteq

\oslash

\cap

\in

\supseteq

\supset

\lceil

\subset

\int

\cdot

·

\o

ο

\rfloor

\neg

¬

\nabla

\lfloor

\times

x

\ldots

...

\perp

\surd

\prime

´

\wedge

\varpi

ϖ

\0

\rceil

\rangle

\mid

|

\vee

\langle

\copyright

©

LaTeX マークアップ

LaTeX マークアップを使用するには、インタープリターを "latex" に設定します。インライン モードでは、マークアップを 1 つのドル記号 ($) で囲みます。表示モードでは、マークアップを 2 つのドル記号 ($$) で囲みます。

LaTeX モード結果
インライン

"$\int_1^{20} x^2 dx$"

Equation with LaTeX inline mode

表示

"$$\int_1^{20} x^2 dx$$"

Equation with LaTeX display mode

テキストは LaTeX の既定のフォント スタイルで表示され、FontNameFontWeightFontAngle のプロパティは無視されます。フォント スタイルを変更するには、LaTeX マークアップを使用します。

LaTeX インタープリターで使用できるテキストの最大サイズは 1200 文字です。複数行のテキストの場合は、さらに 1 行につき 10 文字ほど文字数が少なくなります。

MATLAB では、大半の標準の LaTeX 数式モード コマンドがサポートされています。詳細については、サポートされる LaTeX コマンドを参照してください。TeX および LaTeX の使用例については、チャートのテキスト内のギリシャ文字と特殊文字を参照してください。

アルゴリズム

gtext は関数 ginput および text を使用します。

バージョン履歴

R2006a より前に導入