コードの編集と書式設定
コードを編集するには、エディターおよびライブ エディターで、列選択、コードのオートコンプリート、およびリファクタリングを使用します。コードを書式設定して読みやすくするには、インデント、テキスト幅の指定、コードの折りたたみ、および [アウトライン] パネルを使用します。
列選択
エディターおよびライブ エディターでコードを追加または編集する際、コードの四角形領域を選択して編集できます ("列選択" または "ブロック編集" とも呼ばれます)。いくつかのデータ列 (行ではなく) をコピーまたは削除する場合、あるいは一度に複数の行を編集する場合に、コードを選択して編集すると便利です。四角形領域を選択するには、Alt キーを押しながらマウスで選択します。macOS システムでは、代わりに Option キーを使用します。
たとえば、A にあるデータの 2 列目を選択します。

「0」と入力して、選択したすべての値を 0 に設定します。

R2021b より前: 列選択はライブ エディターでのみ使用でき、エディターでは使用できません。
大文字/小文字の変更
エディターおよびライブ エディターで、選択したテキストまたはコードを大文字から小文字に、またはその逆に変更できます。テキストを選択し、右クリックして [大文字/小文字の変更] を選択します。代わりに、Ctrl + Shift + A を押すこともできます。テキストに大文字と小文字が含まれる場合、MATLAB® はすべて大文字に変更します。
macOS では、Ctrl キーの代わりに Command キーを使用します。
R2021b より前: [大文字/小文字の変更] オプションはライブ エディターでのみ使用でき、エディターでは使用できません。
行の複製とコピー
エディターおよびライブ エディターでコード行を複製できます。コード行を複製するには、行を右クリックして [行の複製] を選択します。あるいは、Ctrl+Shift+C を押すこともできます。macOS では、Ctrl キーの代わりに Command キーを使用します。
コードを選択せずにコード行をコピーするには、キーボード ショートカット Ctrl+L を押します。コード行を切り取るには、Ctrl+X を押します。macOS では、代わりにキーボード ショートカット Command+C および Command+X を使用します。 (R2025a 以降)
R2021b より前: [行の複製] オプションはライブ エディターでのみ使用でき、エディターでは使用できません。
コードの自動的な補完
MATLAB では、エディターおよびライブ エディターでコードを入力しているとき、かっこや引用符が自動的に補完されます。たとえば、エディターまたはライブ エディターで開きかっこを入力すると、MATLAB で閉じかっこが追加されます。また、MATLAB で Enter キーを押すと、コメント、文字ベクトル、文字列、かっこが自動的に分割されます。たとえば、コメントで Enter キーを押すと、MATLAB ではカーソルの後ろのテキストが新しい行に移動し、新しい行の先頭にパーセント (%) 記号が追加されます。
さらに、MATLAB では、制御フロー ステートメントや関数定義、クラス定義のブロックの終了も自動的に補完できます。ブロックの終了をオートコンプリートするには、[ホーム] タブの [環境] セクションで
[設定] をクリックします。[エディター/デバッガー] 、 [候補とオートコンプリート] を選択し、[オートコーディングのオプション] セクションで [オートコンプリートブロックの終了] の 1 つ以上のオプションを選択します。
自動コード補完を元に戻すには、Ctrl + Z または [元に戻す] ボタンを押します。すべての自動コード補完を無効にするには、[エディター/デバッガー] 、 [候補とオートコンプリート] 設定の [オートコーディングのオプション] セクションで、[オートコーディングを有効にする] 設定をオフにします。あるいは、特定の自動コード補完のみを無効にするには、[オートコンプリートのペア]、[改行時にオートコンプリート]、および [オートコンプリートブロックの終了] セクションの 1 つ以上の設定をオフにします。詳細については、Editor/Debugger Settingsを参照してください。
R2021b より前: MATLAB はライブ エディターでのみコードを補完し、エディターでは補完しません。
コードのリファクタリング
選択した範囲のコードを関数やローカル関数に変換することにより、大規模なスクリプトや関数を小さく分割でき、これはコード "リファクタリング" と呼ばれます。
選択した範囲のコードをリファクタリングするには、次を行います。
1 行または複数行のコードを選択します。
[エディター] タブまたは [ライブ エディター] タブの [コード] セクションで、 [リファクター] をクリックして利用可能なオプションから選択します。
新しい関数の名前を入力します。MATLAB は選択したコードを使用して関数を作成し、元のコードを新たに作成した関数への呼び出しに置き換えます。
R2021b より前: リファクタリング オプションはライブ エディターでのみ使用でき、エディターでは使用できません。
コードのインデント
コードのインデントにより、関数やステートメント (while ループなど) が読みやすくなります。既定では、MATLAB は、エディターおよびライブ エディターでの入力中にコードを自動的にインデントします。これは "スマート インデント" と呼ばれます。タブまたはスペースを使って行をインデントした場合も、MATLAB はそれらの行とその後の行を整列します。
スマート インデントが無効になっている場合に選択したコード行をインデントするには、[エディター] タブまたは [ライブ エディター] タブに移動し、[コード] セクションで [スマート インデント] ボタン
をクリックします。
選択した行のインデントを手動でさらに右または左に変更するには、[エディター] タブまたは [ライブ エディター] タブで [インデントを増やす] ボタン
または [インデントを減らす] ボタン
をクリックします。インデントの手動による変更は、スマート インデントが有効でも無効でも機能します。代わりに、Tab キーまたは Shift+Tab キーもそれぞれ使用できます。
スマート インデントの無効化
スマート インデントを使用しない場合は無効にすることができます。MATLAB 内にはスマート インデントをサポートする言語ごとにこの機能を無効にする設定があります。
[ホーム] タブの [環境] セクションで [設定] をクリックします。
[MATLAB] 、 [エディター/デバッガー] 、 [MATLAB 言語] または [MATLAB] 、 [エディター/デバッガー] 、 [その他の言語] 、 [
language name] を選択します。ここで、language nameはスマート インデントを無効にするプログラミング言語です。R2025a より前: [MATLAB] 、 [エディター/デバッガー] 、 [言語] を選択し、[言語] ドロップダウン リストでプログラミング言語を選択します。
選択した言語の [インデント処理] セクションで、[入力時にスマート インデントを適用] 設定をオフにします。この設定は、すべての言語でサポートされているわけではありません。
インデントの動作の変更
エディターおよびライブ エディターでのインデントの動作を変更できます。
MATLAB コード ファイル内の関数のインデント方法を変更するには、[ホーム] タブの [環境] セクションで [設定] をクリックします。[MATLAB] 、 [エディター/デバッガー] 、 [MATLAB 言語] を選択します。次に、[インデント処理] セクションで [関数のインデント書式] オプションから選択します。関数のインデント書式それぞれの詳細と例については、Editor/Debugger Settingsを参照してください。
スマート インデントの動作を変更するには、[MATLAB] 、 [エディター/デバッガー] 、 [インデント処理] 設定に移動し、1 つ以上のスマート インデント設定をクリアまたは設定します。詳細については、Editor/Debugger Settingsを参照してください。
R2025a より前: MATLAB コード ファイル内の関数のインデント方法を変更するには、[MATLAB] 、 [エディター/デバッガー] 、 [言語] を選択します。スマート インデントの動作をプログラムによって変更するには、matlab.editor 設定を使用します。たとえば、次のコードでは、自動インデント時のドキュメント全体の書式設定を有効にしています。詳細については、matlab.editor 設定を参照してください。
s = settings; s.matlab.editor.indent.SmartIndentEntireDocument.PersonalValue = 1;
コードの折りたたみ
コードの折りたたみでは、エディターで MATLAB コードのブロックを展開したり折りたたんだりします。コードの折りたたみを使用して、編集中でないコードを非表示にできます。コードの折りたたみにより、多数の関数やその他のコード ブロックが含まれているファイルが読みやすくなります。コードの折りたたみはライブ エディターではサポートされていません。
たとえば、以下を折りたたむことができます。
コード セクション
forブロックおよびparforブロック関数のコード
クラスのコード
複数行のコメント
コード ブロックを展開または折りたたむには、エディターで構成要素の左側に表示されるプラス記号
またはマイナス記号
をクリックします。代わりに、キーボード ショートカットの Ctrl + Shift + . (ピリオド) および Ctrl + . (ピリオド) または [ビュー] タブのコードの折りたたみボタンも使用できます。
ファイル内のすべてのコードを展開または折りたたむには、ファイル内の任意の場所にカーソルを置き、[ビュー] タブに移動して [すべて展開] ボタン
または [すべて折りたたむ] ボタン
を選択します。代わりに、キーボード ショートカットの Ctrl + Shift + , (コンマ) および Ctrl + , (コンマ) も使用できます。
メモ
折りたたまれた構成要素が 1 つ以上あるファイルを印刷すると、印刷されたファイルではこれらの構成要素は展開されます。
MATLAB ファイルをはじめて開くときに、どのプログラミング構成を折りたたむことができるかと、プログラミング構成が折りたたまれた状態にするかどうかを変更できます。[ホーム] タブの [環境] セクションで [設定] をクリックします。[エディター/デバッガー] 、 [コードの折りたたみ] を選択し、設定オプションを調整します。
右側のテキスト制限インジケーターの変更
既定では、エディターの 75 列目に、行が 75 文字を超える位置を示すライト グレーの垂直線 (罫線) が表示されます。このテキスト制限インジケーターは別の値に設定できるため、行の幅の制限が異なる別のテキスト エディターでコードを表示する場合などに役立ちます。右側のテキスト制限インジケーターはライブ エディターではサポートされていません。
垂直線の外観を非表示にするか変更するには、次を行います。
[ホーム] タブの [環境] セクションで [設定] をクリックします。
[設定] ウィンドウで [MATLAB] 、 [エディター/デバッガー] 、 [表示] を選択します。
[テキスト右端の制限] セクションの設定を調整します。
右側のテキスト制限インジケーターは単なる視覚的な手掛かりであり、テキストがその制限を超えないようにするものではありません。コメント テキストを指定した列番号で自動的に折り返すには、[ホーム] タブに移動し、[環境] セクションの [設定] をクリックします。[MATLAB] 、 [エディター/デバッガー] 、 [MATLAB 言語] を選択し、[コメント書式] 設定を調整します。
R2025a より前: [MATLAB] 、 [エディター/デバッガー] 、 [言語] を選択し、[言語] フィールドで [MATLAB] を選択します。
コードのアウトラインの表示
R2025a 以降
エディターおよびライブ エディターで、[アウトライン] パネルを使用して、MATLAB コード ファイルの大まかなアウトラインを表示できます。エディターまたはライブ エディターで開いているファイルのアウトラインを表示するには、[ビュー] タブに移動し、[ツール] セクションで [アウトライン] をクリックします。コード ファイル内の領域に移動するには、[アウトライン] パネルで関連するエントリをダブルクリックします。
