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MATLAB ジョブ スケジューラのスタートアップ パラメーターの定義

MATLAB® ジョブ スケジューラ サービスは複数のパラメーターを使用して実行されます。これらのパラメーターにより、MATLAB ジョブ スケジューラ クラスターのプロセス名、ユーザー名、ログ ファイルの場所、ポートなどが設定されます。

mjs サービスのインストール前または開始前に mjs_def でパラメーターを編集できます。このファイルは次の場所にあります。

  • matlabroot\toolbox\parallel\bin\mjs_def.bat (Microsoft® Windows® オペレーティング システム)

  • matlabroot/toolbox/parallel/bin/mjs_def.sh (Linux® オペレーティング システム)

mjs サービスは、mjs サービスの開始または停止時、引数コンソールでの mjs サービスの実行時、または Windows オペレーティング システムでの mjs サービスのインストールまたはアンインストール時に mjs_def ファイルを読み取ります。ワーカーおよびジョブ マネージャーを開始および停止すると、それらは実行に使用されている mjs サービスに接続し、このファイルに保存されている定義および既定の値を取得します。したがって、mjs サービスは、ワーカーおよびジョブ マネージャーの開始および停止時に mjs_def ファイルを再度読み取りません。

有効なクラスターの設定にするには、mjs_def ファイルはクラスターのすべてのホストで一貫した設定を使用する必要があります。

メモ

同じホストで複数のジョブ マネージャーを実行する場合、それぞれの名前が一意でなければなりません。スタートアップ コマンドでフラグを使用してその名前を指定します。

mjs_def ファイル内のユーザーが構成可能なパラメーターを以下に定義します。

MATLAB ジョブ スケジューラ プロセスおよびログ

パラメーター

説明

HOSTNAME

mjs_def ファイルを読み取るホストの名前。

mjs の下のプロセスは、ホスト名 HOSTNAME を使用して自身を公開します。ジョブ マネージャーは MATLAB ワーカーが公開しているホスト名を解決できる必要があり、すべての MATLAB ワーカーおよびクライアントはジョブ マネージャーが公開しているホスト名を解決できる必要があります。

Windows オペレーティング システムでは、既定の HOSTNAME はホストの完全修飾ドメイン名 (FQDN) です。クライアントがホストの短い名前を別のホストに解決する場合、mjs サービスは FQDN を使用できます。mjs サービスは次のコマンドを使用してホストの FQDN を判別します。

for /F "usebackq skip=2 tokens=4" %%A in (`reg query HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Tcpip\Parameters /v "NV Hostname" 2^>nul`) do (
	    set strHostname=%%A
)

for /F "usebackq skip=2 tokens=4" %%A in (`reg query HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Tcpip\Parameters /v "NV Domain" 2^>nul`) do (
	    set strDomain=%%A
)
HOSTNAME=%strHostname%.%strDomain%

Linux オペレーティング システムでは、mjs サービスは次のコマンドを使用して既定の HOSTNAME を判別します。

HOSTNAME=`hostname -f`

この設定を変更するのは以下の場合のみにしてください。

  • 上記のコードまたはコマンドで正しくないホスト名が返される

  • 上記のコマンドを使用できない

  • 上記のコードまたはコマンドにより、mjs サービスの下のプロセスが通信する他のすべてのコンピューターで解決できないホスト名が返される

BASE_PORT

mjs サービスのベース ポート。

mjs サービスでは、BASE_PORT から始めて必要な数だけのポートを使用します。既定では BASE_PORT は 27350 です。

合計 nJ 個のジョブ マネージャーと nW 個のワーカーを実行するホストを使用する場合、mjs サービスはそれ自体で使用するために合計 7+2*nJ+4*nW 個の連続するポートを予約します。異なるホスト上にあるものも含め、連携して動作するすべてのジョブ マネージャーとワーカーは同一のベース ポートを使用しなければなりません。そうしない場合、ジョブ マネージャーとワーカーは互いに連絡できなくなります。さらに、MPI 通信は BASE_PORT+1000 から始まるポートで行われ、連続する 2*nW 個のポートを使用します。

たとえば、ジョブ マネージャー 1 つとワーカーを 16 個持つホストを使用する場合、次の範囲のポートを開く必要があります。

  • 27350 – 27422: mjs サービス用。

  • 28350 – 28382: MPI 通信用。

既定以外の BASE_PORT を使用して MATLAB からクラスターに接続するには、MATLAB ジョブ スケジューラ クラスター プロファイルの 'Host' プロパティに BASE_PORT の値を追加しなければなりません。これは、たとえば myMJSHost:44001 のように、Hostname:BASE_PORT の形式で行わなければなりません。

MJSUSER

mjs サービスを開始するユーザー名。

既定では、mjs サービスが管理するすべてのプロセスは、mjs サービスを開始するユーザーに関連付けられます。MJSUSER が指定されていない場合、mjs サービスは Windows オペレーティング システムでは LocalSystem として、Linux オペレーティング システムでは root ユーザーとして実行されます。

このパラメーターを設定することで、mjs サービスを開始したユーザーとは異なるユーザーとしてこのサービスを実行できます。Windows オペレーティング システムでは、サービスのインストール前に値を設定します。Linux オペレーティング システムでは、サービスの開始前に値を設定します。

MJSUSER は MATLAB インストール フォルダーにアクセスできる必要があります。MJSUSERDOMAINNAME\USERNAME として、またはユーザーがローカル ユーザーである場合は .\USERNAME として指定できます。

MJSUSER の特権および要件の詳細については、ユーザーの設定を参照してください。

MJSPASS

MJSUSER パラメーターで指定されたユーザー名のパスワード (Windows オペレーティング システムのみ)。

mjs サービスを MJSUSER として実行するために、そのユーザーのパスワードを指定できます。mjs.def ファイルにパスワードを設定できます。設定しなかった場合は、mjs サービスの開始時に mjs サービスからパスワードを入力するように求められます。

mjs_def ファイルにパスワードを指定し、バッチ ファイルで特殊文字として扱われる文字がそのパスワードで使用されている場合は、特殊文字を適切なエスケープ シーケンスに置き換える必要があります。

  • パスワード内の単一の感嘆符 (!) は ^^! として指定する必要があります。

  • パスワード内の単一のパーセント記号 (%) は %% として指定する必要があります。

  • パスワード内の単一のキャレット (^) は ^^^^ として指定する必要があります。

  • 他の特殊文字 & < > [ ] { } = ; ' + , ` ~ は前に単一の ^ を付けてエスケープする必要があります。

PIDBASE および LOCKBASE

PID およびロック ファイルの保存に使用するフォルダー。(Linux オペレーティング システムのみ。)

PIDBASE および LOCKBASE フォルダーには、mjs サービスの PID およびロック ファイルが含まれます。PIDBASE の既定値は /var/run であり、LOCKBASE の既定値は /var/lock/subsys です。

mjs サービスの実行に使用されるユーザーがこのフォルダーへの書き込みアクセス権限を確実にもつようにする必要があります。

LOGBASE

mjs ログ ファイルの保存に使用するフォルダー。

LOGBASE フォルダーには、mjs サービスが通常の動作中に生成するログ ファイルが含まれます。

  • Microsoft Windows オペレーティング システムでは、既定の LOGBASE フォルダー パスは %PROGRAMDATA%\MJS\Log です。ここで %PROGRAMDATA% はシステム プログラム データ環境変数です。たとえば、%PROGRAMDATA%C:\ProgramData に設定されている場合、ログ ファイルは C:\ProgramData\MJS\Log に配置されます。フォルダー名を二重引用符で囲んだり、フォルダー名に小かっこを含めたりしてはなりません。

  • Linux オペレーティング システムでは、既定値は /var/log/mjs です。

mjs サービスの実行に使用されるユーザーがこのフォルダーへの書き込みアクセス権限を確実にもつようにする必要があります。セキュリティ レベル 3 のワーカー ホストでは、mjs サービスを実行するユーザーは、ホストでジョブおよびタスクを実行するすべてのユーザーにこのフォルダーへの書き込み権限を付与できる必要もあります。

CHECKPOINTBASE

mjs チェックポイント フォルダーの保存に使用するフォルダー。

CHECKPOINTBASE フォルダーには、mjs サービスに関連した永続的な情報が含まれます。

  • Microsoft Windows オペレーティング システムでは、既定の CHECKPOINTBASE フォルダー パスは %PROGRAMDATA%\MJS\Checkpoint です。ここで %PROGRAMDATA% はシステム プログラム データ環境変数です。たとえば、%PROGRAMDATA%C:\ProgramData に設定されている場合、チェックポイント フォルダーは C:\ProgramData\MJS\Checkpoint に配置されます。フォルダー名を二重引用符で囲んだり、フォルダー名に小かっこを含めたりしてはなりません。

  • Linux オペレーティング システムでは、既定値は /var/lib/mjs です。

ジョブ マネージャーを実行するホストでは、チェックポイント フォルダーにはジョブ マネージャーに関連したデータベース情報が保存されるため、大きなディスク スペースが必要になることがあります。

ワーカーを実行するホストでは、チェックポイント フォルダーにはワーカーのタスクで転送されるデータが保存されます。

mjs サービスの実行に使用されるユーザーがこのフォルダーへの書き込みアクセス権限を確実にもつようにする必要があります。

MJS_JAVA

mjs サービス用の Java® ランタイム環境 (JRE™) のパスを設定します。

既定では、mjs サービスは、MATLAB に付属の Java インストール環境を使用します。mjs サービス用に独自の JRE インストール環境を使用するには、インストールされている JRE のパスを指定します。MATLAB と互換性のある Java のバージョンの詳細については、MATLAB Interfaces to Other Languages を参照してください。

ジョブ マネージャーのセキュリティ

パラメーター

説明

SECURITY_LEVEL

クラスターのセキュリティ レベル。

MATLAB ジョブ スケジューラ クラスターのセキュリティ レベルを指定できます。以下のレベルのいずれかを選択します。

  1. レベル 0 – どのセキュリティ機能も有効になりません。これは既定のセキュリティ レベルです。ジョブは保護されません。

  2. レベル 1 – このレベルでは、ユーザーが他のユーザーのジョブおよびタスクにアクセスしようとすると、ユーザーに警告が出されます。ただし、この場合でも、すべてのユーザーがすべてのアクションを実行できます。

  3. レベル 2 – ユーザーは自分のジョブおよびタスクにアクセスするためにパスワードを入力する必要があります。他のユーザーは、AuthorizedUsers ジョブ プロパティを介してジョブの所有者からアクセス権が付与されない限り、アクセスできません。

  4. レベル 3 – このレベルではワーカー上のジョブおよびタスクがそれが属しているユーザーとして実行される点を除き、レベル 2 と同じです。パスワードは、ワーカー ホストへのログオンに使用するシステムまたはネットワーク パスワードでなければなりません。信頼できるワーカー (つまり、同一の共有シークレット ファイルを使用しているワーカー) のみがジョブ マネージャーに接続できます。下の SHARED_SECRET_FILE を参照してください。

    USE_SECURE_COMMUNICATION パラメーターを true に設定する必要があります。Linux オペレーティング システムでは、mjs サービスを root ユーザーとして実行する必要があります。

詳細については、セキュリティ レベルの設定を参照してください。

ADMIN_USER

クラスター管理者アカウントのユーザー名。

セキュリティ レベル 2 および 3 では、管理者はすべてのユーザーのジョブおよびタスクにアクセスして操作できます。また、LDAP サーバー認証が有効になっていない場合は、ユーザーのパスワードも変更できます。

ジョブ マネージャーの開始時または管理者操作の実行時に、mjs サービスから管理者アカウントのパスワードを入力するように求められます。

LDAP サーバー認証が有効になっている場合は、ADMIN_USER パラメーターに指定するユーザー名は LDAP サーバーで有効なユーザー名でなければなりません。管理者のユーザー名を LDAP サーバーに対して認証するには、ジョブ マネージャーの開始時に、ADMIN_USER で指定したユーザー名のパスワードを入力する必要があります。

ユーザー名を指定しなかった場合、クラスター管理者アカウントのユーザー名は既定で admin になります。

USE_SECURE_COMMUNICATION

サービス間で暗号化通信を使用します。

ジョブ マネージャー、クライアント、およびワーカーの間に暗号化通信を設定します。

既定では、ジョブ マネージャーおよびワーカーは非暗号化チャネルを介して通信します。これは、データを保護する必要がない場合、または未承認のアクセスに対して接続が既に保護されている場合 (たとえば、クラスター ネットワークが隔離されていて、インターネットへのアクセスがない場合) に役立つことがあります。また、暗号化通信では、メッセージの暗号化時に追加のオーバーヘッドが発生するため、パフォーマンスが低下することがあります。

USE_SECURE_COMMUNICATIONtrue に設定すると、MATLAB クライアント、ジョブ マネージャー、およびワーカー間の通信が暗号化されます。

暗号化通信を使用するには、参加する各ホスト (MATLAB クライアントを除く) に共有シークレット ファイルがなければなりません。共有シークレット ファイルの生成方法など、共有シークレット ファイルの詳細については、下の SHARED_SECRET_FILE の説明を参照してください。

クラスターをセキュリティ レベル 3 に設定した場合、既定で USE_SECURE_COMMUNICATION が有効になります。MATLAB ジョブ スケジューラ、クライアントおよびワーカーの間に暗号化通信を確立する場合は、暗号化通信の設定を参照してください。

REQUIRE_SCRIPT_VERIFICATION

クラスターに送信された特権コマンドの検証を必須にします。

既定では、REQUIRE_SCRIPT_VERIFICATIONfalse に設定されており、mjs サービスは検証を行うことなく、送信されたコマンドを実行します。このため、すべてのユーザーが、ワーカーまたはジョブ マネージャーのプロセスを開始または停止するなどして、クラスターの状態を変更できます。

特権コマンドには、クラスターの状態を変更できるすべてのコマンドが含まれます。REQUIRE_SCRIPT_VERIFICATIONtrue に設定すると、mjs サービスはシークレット ファイルを使用して各コマンドを検証してから実行します。クラスターをセキュリティ レベル 3 に設定した場合、既定でコマンド検証が有効になります。

詳細については、クラスター コマンド検証の設定を参照してください。

SHARED_SECRET_FILE

共有シークレット ファイルの場所。

ジョブ マネージャーとワーカー間で暗号化接続を確立するには、参加しているすべてのホスト上に共有シークレット ファイルがなければなりません。共有シークレット ファイルは createSharedSecret スクリプトを使用して作成できます。詳細については、共有シークレット ファイルの作成を参照してください。

mjs の開始時に共有シークレット ファイルがまだ存在していない場合、mjs サービスは既定の場所 %CHECKPOINTBASE%\security\secret に共有シークレット ファイルを作成します。

クラスターをセキュリティ レベル 3 に設定した場合、mjs は共有シークレット ファイルを使用して、信頼できるワーカーのみがジョブ マネージャーに接続できるようにします。

メモ

シークレット ファイルには機密データが含まれるため、未承認のアクセスに対して保護する必要があります。シークレット ファイルにアクセスできるすべてのユーザーがサービス間の接続を盗聴できる可能性があります。

ALLOW_CLIENT_PASSWORD_CACHE

将来のセッションのためにユーザー パスワードを記憶します。

true に設定した場合、このオプションにより、ユーザーは MATLAB クライアントが将来のクライアント セッション用にログイン情報を記憶できるようにすることが可能です。その場合でも、ユーザーは MATLAB のパスワード プロンプトで情報を保存しないように選択できます。

ALLOWED_USERS

ジョブ マネージャーにログオンできるユーザーのリスト。

このプロパティでは、ジョブ マネージャーにアクセスできるユーザーのリストを定義します。複数のユーザー名はコンマで区切って指定する必要があります。既定では、ALLOWED_USERSALL に設定されています。

すべてのユーザーがジョブ マネージャーにアクセスできるようにするには、ユーザー名のリストの代わりにキーワード ALL を使用します。

REQUIRE_CLIENT_CERTIFICATE

暗号化通信を使用しているときに MATLAB クライアントがジョブ マネージャーに接続するために証明書を提示しなければならないようにします。

既定では、REQUIRE_CLIENT_CERTIFICATEfalse に設定されています。REQUIRE_CLIENT_CERTIFICATEtrue に設定した場合、クラスター ユーザーには、ジョブ マネージャーに接続するための証明書が含まれたクラスター プロファイルが必要です。詳細については、MATLAB クライアント検証の設定を参照してください。

WORKER_DOMAIN

セキュリティ レベル 3 でログ記録している場合に使用する Windows ドメイン ワーカー (Windows オペレーティング システムのみ)。

タスクを投入したユーザーとしてタスクを実行する場合は、Windows ではユーザー名に加えてドメインが必要です。既定では、タスクが USER に属している場合、ソフトウェアはこのタスクを %WORKER_DOMAIN%\USER として実行します。

ほとんどの状況では既定値が適切であるため、変更してはなりません。

メモ

このプロパティは、セキュリティ レベル 3 を使用して Windows で実行している場合にのみ必要です。

USE_LDAP_SERVER_AUTHENTICATION

LDAP サーバーを使用してユーザー資格情報を認証するオプション。 (R2023a 以降)

既定では、USE_LDAP_SERVER_AUTHENTICATIONfalse に設定されています。セキュリティ レベル 2 または 3 のクラスターで LDAP サーバー認証を有効にするには、このパラメーターを true に設定します。詳細については、MATLAB ジョブ スケジューラの LDAP サーバー認証の構成を参照してください。

クラスター ユーザーは LDAP サーバーのユーザー名とパスワードを使用してクラスターに接続する必要があります。

LDAP_URL

ユーザーを認証する LDAP サーバーの URL。 (R2023a 以降)

LDAP サーバー認証を使用するようにクラスターを構成した場合は、LDAP_URL を設定する必要があります。LDAP_URL は以下のように指定します。

ldap://HOST:PORT

SSL を介した LDAP サーバーを構成した場合は、以下のように URL を指定します。

ldaps://HOST:PORT

詳細については、MATLAB ジョブ スケジューラの LDAP サーバー認証の構成を参照してください。

LDAP_SECURITY_PRINCIPAL_FORMAT

LDAP サーバーのセキュリティ プリンシパルの形式。 (R2023a 以降)

LDAP サーバーが認証に使用するセキュリティ プリンシパルの形式を指定できます。

一般的な形式には "[username]@domain.com""cn=[username],ou=Users,dc=domain,dc=com" などがあります。認証時に [username] トークンはプリンシパルのユーザー名に置き換えられます。

LDAP_SYNCHRONIZATION_INTERVAL_SECS

クラスターが LDAP サーバーと同期する頻度。 (R2023a 以降)

既定値は 1800 秒です。つまり、クラスターは LDAP サーバーと 30 分ごとに同期されます。

次のいずれかを指定できます。

  • 同期間の秒数に対応する正の数値。古い/有効期限の切れた資格情報に対して、次の同期までクラスターへのアクセスが許可されることがあります。

  • 0.認証を必要とするクラスターへのアクセスごとにクラスターは LDAP サーバーと同期されます。

EXPORT_METRICS

ジョブ マネージャーからクラスター監視メトリクスをエクスポートするオプション。 (R2024b 以降)

クラスター監視ツールと統合する目的でジョブ マネージャーからメトリクスをエクスポートできます。詳細については、Configure Metrics for MATLAB Job Schedulerを参照してください。

METRICS_PORT

メトリクスをエクスポートするためのポート。 (R2024b 以降)

ジョブ マネージャーは、指定されたポートの HTTP(S) サーバーを使用してメトリクスをエクスポートします。既定では、このポート番号は 8001 です。

USE_SECURE_METRICS

メトリクスのエクスポートに暗号化通信を使用するオプション。 (R2024b 以降)

既定では、USE_SECURE_METRICStrue に設定されており、ジョブ マネージャーは暗号化された HTTPS サーバーでメトリクスをエクスポートします。暗号化を無効にして HTTP サーバーでメトリクスをエクスポートするには、USE_SECURE_METRICSfalse に設定します。

METRICS_CA_FILE

暗号化されたメトリクス用のジョブ マネージャーの信頼済み認証機関 (CA)。 (R2024b 以降)

クライアント証明書を検証するための CA 証明書のパス。USE_SECURE_METRICStrue の場合、ジョブ マネージャーは、この CA が署名した証明書を提示するクライアントへの暗号化接続のみを確立します。USE_SECURE_METRICStrue の場合はこのパラメーターを設定する必要があります。

mjssetup ツールを使用してジョブ マネージャーの CA 証明書を生成できます。詳細については、Configure Metrics for MATLAB Job Schedulerを参照してください。

METRICS_CERT_FILE

暗号化されたメトリクス用のジョブ マネージャーの証明書。 (R2024b 以降)

ジョブ マネージャーの公開証明書のパス。ジョブ マネージャーは、メトリクス用に暗号化された接続を確立しようとしているクライアントにこの証明書を提示します。USE_SECURE_METRICStrue の場合はこのパラメーターを設定する必要があります。

mjssetup ツールを使用してジョブ マネージャーの公開証明書を生成できます。詳細については、Configure Metrics for MATLAB Job Schedulerを参照してください。

METRICS_KEY_FILE

暗号化されたメトリクス用のジョブ マネージャーの秘密鍵。 (R2024b 以降)

METRICS_CERT_FILE で指定した証明書ファイルに関連付けられた秘密鍵のパス。USE_SECURE_METRICS が true の場合はこのパラメーターを設定する必要があります。

mjssetup ツールを使用してジョブ マネージャーの秘密鍵を生成できます。詳細については、Configure Metrics for MATLAB Job Schedulerを参照してください。

ジョブ マネージャーおよびワーカーの設定

パラメーター

説明

DEFAULT_JOB_MANAGER_NAME

ジョブ マネージャーの既定の名前。

新しいジョブ マネージャーを開始する際には、ネットワーク上の名前で指定する必要があります。また、新しいワーカーを開始する際には、登録するジョブ マネージャーの名前がわかっている必要があります。DEFAULT_JOB_MANAGER_NAME パラメーターで指定した値は、どちらのケースでも使用される既定のジョブ マネージャーの名前になります。

既定のジョブ マネージャーの名前をオーバーライドするには、-name フラグを指定して startjobmanager コマンドを使用します。ワーカー ホスト上のジョブ マネージャー名を変更するには、-jobmanager フラグを指定して startworker コマンドを使用します。

JOB_MANAGER_HOST

ジョブ マネージャー ルックアップ プロセスが実行されるホスト。

MATLAB ワーカー プロセスおよびジョブ マネージャー プロセスは、指定したホスト上のジョブ マネージャー ルックアップ プロセスに接続します。

-jobmanagerhost フラグを指定して startworker コマンドを使用することで、ジョブ マネージャー ホストをオーバーライドできます。

SAVE_JOB_HISTORY

ジョブおよびタスクのアカウンティング情報をディスクに保存。 (R2024a 以降)

既定では、SAVE_JOB_HISTORYtrue に設定されており、ジョブ マネージャーはジョブとタスクの情報を、CHECKPOINTBASE フォルダー内にあるジョブ履歴データベースに保存します。ジョブ履歴ファイルには 10 GB の制限があります。ジョブ履歴データは、アカウンティングを目的とした抽出と解析が可能です。ジョブ履歴データの保存を無効にするには、このパラメーターを false に設定します。詳細については、Manage and Access MATLAB Job Scheduler Job Historyを参照してください。

JOB_MANAGER_MAXIMUM_MEMORY

ジョブ マネージャー Java プロセスの最大ヒープ サイズ。

ジョブ マネージャー Java プロセスのヒープ メモリの量を調整できます。既定では、JOB_MANAGER_MAXIMUM_MEMORY1024m に設定されています。ジョブ マネージャーのヒープ メモリを調整するタイミングに関する推奨事項については、ヒープ メモリの増加を参照してください。

DEFAULT_WORKER_NAME

ワーカーの既定の名前。

-name フラグを指定して startworker コマンドを呼び出すことで、既定のワーカーをオーバーライドできます。ワーカー名は各ホストで一意でなければなりません。したがって、単一のホストで複数のワーカーを開始する場合は、startworker コマンドで -name フラグを使用する必要があります。

WORKER_MAXIMUM_MEMORY

すべてのワーカー Java プロセスの最大ヒープ サイズ。

ワーカー Java プロセスのヒープ メモリの量を調整できます。既定では、WORKER_MAXIMUM_MEMORY1024m に設定されています。WORKER_MAXIMUM_MEMORY は、MATLAB ワーカーが使用できるメモリの量に影響を及ぼしません。

WORKER_START_TIMEOUT

ワーカー セッションで停滞を検出する前に MATLAB の開始を待機する秒数。

既定値は 600s です。MATLAB セッションの開始にかかる時間より大きい値を選択する必要があります。

MATLAB_SHELL

システム呼び出しで使用するシェル ワーカー (Linux オペレーティング システムのみ)。

ワーカーが MATLAB システム コマンドを呼び出す際に発生するシェルを指定できます。たとえば、Bourne シェルを使用するには、MATLAB_SHELL/bin/sh に設定します。

MATLAB はまず MATLAB_SHELL 変数を内部的にチェックします。その変数が空か定義されていない場合は、SHELL をチェックします。SHELL も空か定義されていない場合は、MATLAB は Bourne シェル /bin/sh を使用します。MATLAB_SHELL の値は絶対パスでなければなりません。つまり、単に sh とするのではなく、/bin/sh とします。

なお、一部のシェル (たとえば、tcsh) では、サブシェルではなく新規ログイン シェルを起動するリクエストとして MATLAB でシステム コマンドを解釈することを選択する場合があります。これにより、MATLAB で行った環境変数の変更 (たとえば、他のアプリケーションを実行できるようにする PATH 環境変数に対するものなど) に影響が生じることがあります。

USE_ONLINE_LICENSING

オンラインで管理されるライセンスを使用します。

USE_ONLINE_LICENSINGtrue に設定することで、オンデマンド ライセンスを有効にするか、オンラインで管理されるライセンスを使用します。

有効になっている場合は、ユーザーは MathWorks® アカウントにログインしてクラスターに接続する必要があり、そのアカウントはオンラインで管理されている MATLAB Parallel Server™ ライセンスにリンクされている必要があります。

ALL_SERVER_SOCKETS_IN_CLUSTER

クライアントからクラスターへの接続を開始します。

すべての接続をクライアントからのアウトバウンド接続にするには、ALL_SERVER_SOCKETS_IN_CLUSTERtrue に設定します。クライアントからのアウトバウンド接続に加え、ジョブ マネージャーおよびワーカーからクライアントへのインバウンド接続も許可する場合は、ALL_SERVER_SOCKETS_IN_CLUSTERfalse に設定します。

MJS_ADDITIONAL_MATLABROOTS

以前の MATLAB リリースの追加インストール環境のパス。

MJS_ADDITIONAL_MATLABROOTS は、使用されている MATLAB Parallel Server バージョンとは異なる MATLAB のインストール環境を指定する場合にのみ必要です。

MATLAB インストール環境のパスを、引用符で囲まずにリストする必要があります。複数の項目は、次の例のように、セミコロンで区切って指定できます。

MJS_ADDITIONAL_MATLABROOTS=C:\Program Files\MATLAB\R2016a;C:\Program Files\MATLAB\R2016b

R2016a 以降では、使用している MATLAB Parallel Server バージョンより前にリリースされた MATLAB のバージョンのみがサポートされます。

バージョンのパスが指定されている場合、MATLAB クライアントはこのクラスターのみを使用できます。

MAX_LINUX_WORKERS

オンデマンドでクラスターがスケールアップできる Linux ワーカーの最大数。この値は、クラスターの自動サイズ変更を設定した場合にのみ設定します。詳細については、MATLAB ジョブ スケジューラ クラスターの自動サイズ変更の設定を参照してください。

MAX_WINDOWS_WORKERS

オンデマンドでクラスターがスケールダウンできる Windows ワーカーの最大数。この値は、クラスターの自動サイズ変更を設定した場合にのみ設定します。詳細については、MATLAB ジョブ スケジューラ クラスターの自動サイズ変更の設定を参照してください。

SCHEDULING_ALGORITHM

ジョブ マネージャーのスケジューリング アルゴリズム。 (R2023b 以降)

以下のオプションのいずれかを選択します。

  • standard: (既定) 通信オーバーヘッドを削減するために、可能な限り少ないワーカー マシン間に通信ジョブを分散し、ワーカー マシン上の未使用のスペースに独立ジョブを割り当てます。このスケジューリング アルゴリズムは、自動サイズ変更またはオートスケーリングを有効にしたクラスターを含めて、多様な用途で良好な動作を提供します。

  • loadBalancing:クラスターが十分に活用されていないときに、クラスター間で均等に負荷を分散して、実行中のジョブとタスクに可能な限り多くのリソースを提供します。

参考

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