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ドライビング シナリオを使用した閉ループ ADAS アルゴリズムのテスト
このモデルでは、Simulink® で閉ループ ADAS (先進運転支援システム) アルゴリズムをテストする方法を説明します。閉ループ ADAS アルゴリズムにおいて、自車は、シミュレーションの進行に伴うシナリオ環境の変化によって制御されます。
シナリオをテストするために、Driving Scenario Designer アプリから保存したドライビング シナリオを使用します。このモデルでは、Scenario Reader ブロックを使用してシナリオを読み込んでから、自動緊急ブレーキ (AEB) システムのアルゴリズムのパフォーマンスをBird's-Eye Scopeで視覚的に確認します。
ドライビング シナリオの検査
この例では、プリビルド Euro NCAP テスト プロトコル シナリオの 1 つに基づくドライビング シナリオを使用します。シナリオは、ドライビング シナリオ デザイナー アプリからアクセスできます。これらのシナリオの詳細については、Euro NCAP Driving Scenarios in Driving Scenario Designerを参照してください。
アプリでシナリオ ファイルを開きます。
drivingScenarioDesigner('AEB_PedestrianChild_Nearside_50width_overrun.mat')
[実行] をクリックして、シナリオをシミュレートします。このシナリオでは、自車が道路を横断している児童歩行者に衝突します。
この例で使用するモデルでは、AEB センサー フュージョン アルゴリズムを使用して児童歩行者を検出し、自車のブレーキ作動が間に合って衝突を回避するかどうかをテストします。
モデルの検査
このモデルはAutonomous Emergency Braking with Sensor Fusionの例で説明されている AEB アルゴリズムを実装しており、歩行者との衝突のシナリオをシミュレートするように構成されています。モデルを開きます。
open_system('AEBTestBenchExample')
Scenario Readerブロックは、指定されたシナリオ ファイルから非エゴ アクターと道路を読み取り、非エゴ アクターを出力します。自車は入力端子からブロックに渡されます。
Scenario Reader ブロックは、"Vehicle Environment > Actors and Sensor Simulation" サブシステムにあります。このサブシステムを開きます。
open_system('AEBTestBenchExample/Vehicle and Environment/Actors and Sensor Simulation')
Scenario Reader ブロックの [ドライビング シナリオ デザイナーのファイル名] パラメーターは、シナリオ ファイルの名前を指定します。この例で使用するシナリオ ファイルのように MATLAB® 検索パス上にあるシナリオ ファイル、またはシナリオ ファイルの絶対パスを指定できます。あるいは、[ドライビング シナリオのソース] を From workspace
に設定してから [MATLAB またはモデル ワークスペースの変数名] を有効な drivingScenario
オブジェクトのワークスペース変数名に設定することにより、
オブジェクトを指定できます。閉ループ シミュレーションでは、drivingScenario
drivingScenario
オブジェクトを指定すると便利です。モデル内で自車の初期位置の指定をより細かく制御できるためです。
Scenario Reader ブロックは、シナリオにある非エゴ アクターの姿勢を出力します。これらの姿勢はビジョン センサーとレーダー センサーに渡され、それらの検出値を使用して AEB コントローラーの動作が決定されます。
アクターの姿勢は、車両座標で出力されます。ここで、
"X" 軸は、自車の前方向を指します。
"Y" 軸は、自車の左方向を指します。
原点は自車の後車軸の中心です。
このシナリオには事前定義された自車が含まれていますが、Scenario Reader ブロックはこの自車の定義を無視するように構成されています。その代わりに、自車はモデル内で定義され、Scenario Reader ブロックの入力として指定されています ([自車のソース] パラメーターが Input port
に設定されている)。シミュレーションが進むにしたがって、AEB アルゴリズムによって自車の姿勢と軌跡が決定されます。自車がドライビング シナリオで事前定義される開ループのアルゴリズムを開発している場合は、[自車のソース] パラメーターを Scenario
に設定します。例については、ドライビング シナリオを使用した開ループ ADAS アルゴリズムのテストを参照してください。
シミュレーションの可視化
シナリオを可視化するには、Bird's-Eye Scopeを使用します。Simulink ツールストリップの [結果の確認] で [鳥瞰図スコープ] をクリックします。次に、スコープの [信号の検出] をクリックしてシミュレーションを実行します。AEB アルゴリズムにより、自車のブレーキ作動が間に合って衝突を回避します。
参考
アプリ
ブロック
- Scenario Reader | Driving Radar Data Generator | Vision Detection Generator | Lidar Point Cloud Generator