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nrSymbolDemodulate

シンボルの復調とビットへの変換

説明

out = nrSymbolDemodulate(in,mod) は、変調スキーム mod を使用し、コードワード in に含まれる複素数シンボルをソフト ビットに復調します。この関数は、TS 38.211 の Section 5.1[1]の逆の処理を実装するものです。

out = nrSymbolDemodulate(in,mod,nVar) は、ソフト ビットのノイズ分散スケーリング係数を指定します。

out = nrSymbolDemodulate(in,mod,'DecisionType',decision) は、名前と値のペアの引数を使用して復調時の判定モードを指定します。

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バイナリ値から成る長さ 40 のランダムなシーケンスを生成します。

data = randi([0 1],40,1);

QPSK 変調を使用して変調シンボルを生成します。

modsymb = nrSymbolModulate(data,'QPSK'); 

0.1 のノイズ分散に対し、軟判定モードで QPSK 復調を実行します。

nVar = 0.1;
recsymb = awgn(modsymb,1/nVar,1,'linear');
out = nrSymbolDemodulate(recsymb,'QPSK',0.1);

バイナリ値から成る長さ 100 のランダムなシーケンスを生成します。

data = randi([0 1],100,1,'int8');

16-QAM 変調を使用して変調シンボルを生成します。

modsymb = nrSymbolModulate(data,'16QAM');

SNR が 15 dB となるように、変調後のシンボルにノイズを追加します。

recsymb = awgn(modsymb,15);

硬判定モードで 16-QAM 復調を実行します。

demodbits = nrSymbolDemodulate(recsymb,'16QAM','DecisionType','Hard');

ビット エラーをチェックします。

numErr = biterr(data,demodbits)
numErr = 0

入力引数

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復調するコードワード。複素数列ベクトルとして指定します。

データ型: double | single
複素数のサポート: あり

変調スキーム。'pi/2-BPSK''BPSK''QPSK''16QAM''64QAM''256QAM'、または '1024QAM' として指定します。この変調スキームによって、入力コードワードで実行される変調タイプと、変調シンボルごとに使用されるビット数が決まります。

変調スキームシンボルごとのビット数

'pi/2-BPSK'

'BPSK'

1
'QPSK'2
'16QAM'4
'64QAM'6
'256QAM'8
'1024QAM'10

データ型: char | string

ノイズ分散。非負の数値スカラーとして指定します。ソフト ビットは、加法性ホワイト ガウス ノイズ (AWGN) の分散でスケーリングされます。既定値は、単位信号パワーを仮定したときの SNR である 100 dB に対応します。この引数は軟判定モードの場合にのみ適用されます。

メモ

既定値は、ノイズ分散が 0 で、変調器と復調器が直接接続されていることを仮定しています。この関数は、出力値が +/-Inf となるのを防ぐため、ノイズ分散の既定値として 1e-10 を使用します。ノイズを含むチャネルで信号を送信するときに適切な結果を得るには、ノイズ分散を正しく調整します。

データ型: double

判定モード。'soft' または 'hard' として指定します。判定モードは、受信シンボルに対して実行する復調タイプを制御します。

  • 'soft' — ソフト判定モードでは、復調されたビットの対数尤度比に応じたビットごとの近似を含む数値出力が得られます。出力 out は、入力 in からデータ型を継承します。

  • 'hard' — ハード判定モードでは、入力 in に最も近いコンスタレーション ポイントに対応するビット グループを含むバイナリ出力が得られます。出力 outint8 に型キャストされます。

データ型: char | string

出力引数

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復調された出力ビット。数値列ベクトルまたはバイナリ列ベクトルとして返されます。復調は、TS 38.211 の Section 5.1[1]で定義された入力コンスタレーション電力正規化が行われるものと仮定して実行されます。

変調スキームコンスタレーション電力正規化係数

'pi/2-BPSK'

'BPSK'

'QPSK'

1/sqrt(2)
'16QAM'1/sqrt(10)
'64QAM'1/sqrt(42)
'256QAM'1/sqrt(170)
'1024QAM'1/sqrt(682)

復調された各シンボルは、変調スキーム mod におけるシンボルごとのビット数に対応するビット グループにマッピングされます。先頭ビットは最上位ビットを表し、最終ビットは最下位ビットを表します。out の長さは、入力 in の長さにシンボルごとのビット数を乗算したものです。decision モードは、復調された出力ビットの内容とデータ型を制御します。

データ型: double | single | int8

参照

[1] 3GPP TS 38.211. “NR; Physical channels and modulation.” 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network.

拡張機能

バージョン履歴

R2018b で導入

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