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5G Waveform Generator

5G NR 波形の作成、劣化、可視化、およびエクスポート

R2020a 以降

説明

5G 波形発生器アプリを使用することで、5G NR 波形の作成、劣化、可視化、およびエクスポートができます。

このアプリは、5G NR 波形の生成用に構成された 無線波形発生器アプリを使用してこれらの機能を提供します。このアプリを使用して以下ができます。

  • NR アップリンクとダウンリンクの搬送波形の生成。

  • TS 38.141-1 の Section 4.9.2 [1]で定義されている FR1 用の NR テスト モデル (NR-TM) の生成。

  • TS 38.141-2 の Section 4.9.2 [2]で定義されている FR2 用の NR-TM の生成。

  • TS 38.101-1 の Annex A.3 [3]で定義されている NR ダウンリンク fixed reference channel (FRC) 波形の生成。

  • TS 38.104 の Annex A [4]で定義されている NR アップリンク FRC 波形の生成。

  • ワークスペース、.mat または .bb ファイルへの NR 波形のエクスポート。

  • 実行可能な MATLAB® スクリプトまたは Simulink® ブロックへの NR 波形生成パラメーターのエクスポート。

    • エクスポートしたスクリプトを使用して、アプリを使用せずにコマンド ラインから波形を生成する。

    • エクスポートしたブロックを Simulink モデルで波形ソースとして使用する。詳細については、Waveform From Wireless Waveform Generator App を参照してください。

  • スペクトル アナライザー、チャネル ビュー、OFDM グリッド、リソース エレメント (RE) マッピング (ダウンリンクとアップリンクのみ)、および相補累積分布関数 (CCDF) プロットでの NR 波形の可視化。アプリは、現在の波形の構成を反映するように OFDM グリッドとチャネル ビュー プロットを即座に更新します。OFDM グリッドは、チャネル間や信号間の競合も強調表示します

  • AWGN、位相オフセット、周波数オフセット、DC オフセット、I/Q 不平衡、および無記憶 3 次非線形性などの RF 劣化要因の追加による NR 波形の歪みの生成。

  • 接続されたシグナル ジェネレーター、無線送信機、または SDR を使用して送信できる NR 波形を生成します。

    • シグナル ジェネレーターを使用して波形を送信するには、Instrument Control Toolboxソフトウェアを使用し、サポートされているシグナル ジェネレーターをコンピューターに接続します。詳細については、Lab シグナル ジェネレーター計器を使用した送信を参照してください。

    • SDR を使用して波形を送信するには、サポートされている SDR (ADALM-Pluto、USRP™、USRP Embedded Series、および Xilinx® Zynq-Based Radios) の 1 つをコンピューターに接続し、関連するアドオンをインストールします。詳細については、SDR を使用した送信を参照してください。

    • 無線デバイスでサポートされている最大ベースバンド サンプル レートで波形を無線送信するには、Wireless Testbench™ ソフトウェアを使用し、サポートされている無線をコンピューターに接続します。詳細については、Supported Radio Devices (Wireless Testbench)を参照してください。この機能にはWireless Testbenchが必要です。例については、無線送信機を使用したアプリ生成無線波形の送信を参照してください。

NR 波形以外の波形の作成、劣化、可視化、およびエクスポートを行うには、アプリを再構成しなければなりません。機能の全リストについては、無線波形発生器アプリを参照してください。

詳細は、無線波形発生器アプリを使用した波形の作成 を参照してください。

5G Waveform Generator app

5G Waveform Generator アプリを開く

MATLAB ツールストリップ: [アプリ] タブの [信号処理と通信] でアプリのアイコンをクリックします。

MATLAB コマンド プロンプト: nrWaveformGenerator と入力します。このコマンドは、5G 波形の生成用に構成された 無線波形発生器アプリを開きます。

すべて展開する

この例では、"5G 波形発生器" アプリを使用して、規格に準拠した NR のアップリンクとダウンリンクの搬送波形、NR テスト モデル (NR-TM)、および NR のアップリンクとダウンリンクの fixed reference channel (FRC) 波形を生成する方法を示します。この例では、アプリで使用できる、波形のエクスポートと転送のオプションについても説明します。

5G 波形発生器アプリを開く

MATLAB® ツールストリップの [アプリ] タブにある [信号処理と通信]"5G 波形発生器" アプリのアイコンをクリックします。5G 波形の生成用に構成された "無線波形発生器" アプリが開きます。

5G NR 波形の選択

アプリのツールストリップの [波形タイプ] セクションで、生成する波形をクリックします。次の波形のいずれかを選択します。

  • 5G Downlink

  • 5G Uplink

  • 5G Test Models

  • 5G Downlink FRC

  • 5G Uplink FRC

5G NR 波形の生成

選択した波形に応じて、選択した波形のパラメーターを設定できる特定のタブがアプリに表示されます。アプリのツールストリップの [生成] セクションで、劣化要因の追加や、選択した波形に適用できる可視化ツールの設定ができます。選択した可視化ツールで波形を可視化するには、[生成] をクリックします。

たとえば、次の図は、既定のパラメーターを使用した 5G NR ダウンリンク波形の可視化結果を示しています。

MATLAB ワークスペースまたは MATLAB ファイルへの生成波形のエクスポート

生成波形をエクスポートするには、アプリのツールストリップの [エクスポート] セクションで、[ワークスペースにエクスポート] または [ファイルへエクスポート] を選択します。波形を構造体として MATLAB ワークスペースまたは MAT ファイル (.mat) にエクスポートできます。波形をベースバンド ファイル (.bb) にエクスポートすることもできます。

MATLAB スクリプトへの波形構成パラメーターのエクスポート

波形構成パラメーターを MATLAB スクリプトとしてエクスポートするには、アプリのツールストリップの [エクスポート] セクションで、[MATLAB スクリプトのエクスポート] を選択します。エクスポートされた MATLAB スクリプトを実行して、アプリなしで波形を生成できます。

Simulink への波形構成パラメーターのエクスポート

波形構成パラメーターを Simulink ブロックとしてエクスポートするには、アプリのツールストリップの [エクスポート] セクションで [Simulink にエクスポート] を選択します。エクスポートされたブロックを使用して、アプリなしで Simulink モデルの波形を生成することができます。

5G NR 波形の送信

接続された無線または Lab テスト計器を使用して生成された波形を送信するには、アプリのツールストリップで [送信機] タブをクリックします。

  • 無線デバイスのフル レートで波形を無線送信するには、Wireless Testbench™ ソフトウェアを使用し、サポートされている無線をコンピューターに接続します。デバイスのフル レートをサポートする無線のリストについては、Supported Radio Devices (Wireless Testbench)を参照してください。この機能にはWireless Testbenchが必要です。

  • SDR を使用して波形を送信するには、サポートされている SDR (ADALM-Pluto、USRP™、USRP Embedded Series、および Xilinx® Zynq-Based Radios) の 1 つをコンピューターに接続し、関連するアドオンをインストールします。詳細については、SDR を使用した送信を参照してください。

  • Lab テスト計器を使用して波形を送信するには、関数rfsiggen (Instrument Control Toolbox)でサポートされている計器の 1 つをコンピューターに接続します。詳細については、Quick-Control RF Signal Generator Requirements (Instrument Control Toolbox)を参照してください。この機能にはInstrument Control Toolboxが必要です。

この例では、"無線波形発生器" アプリで利用可能な NI™ USRP™ N310、USRP N320、USRP N321、USRP X310、および USRP X410 無線送信機を使用して、アプリで生成された波形を無線で送信する方法を示します (Wireless Testbench™ が必要)。これらの無線送信機を使用すると、無線デバイスがサポートする最大ベースバンド サンプル レートで最大 2 GB の連続データを無線送信できます。

はじめに

無線波形発生器アプリは、波形の作成、劣化要因の追加、可視化、および送信を行うための対話型のツールです。このアプリで利用可能な無線送信機を使用して、生成された波形を無線で繰り返し送信できます。また、波形生成および送信パラメーターを実行可能な MATLAB® スクリプトにエクスポートできます。この例では、これらの無線送信機を構成する方法を示します。

この例では OFDM 波形を送信する方法を示していますが、アプリで生成できるすべての波形タイプに同じプロセスが適用されます。

無線送信の設定

アプリで無線送信機を使用するには、Wireless Testbench Support Package for NI USRP Radios アドオンをインストールし、アプリ外で無線を設定する必要があります。詳細については、Connect and Set Up NI USRP Radios (Wireless Testbench)を参照してください。

送信用波形の生成

[アプリ] タブの [信号処理と通信]"無線波形発生器" アプリのアイコンをクリックし、このアプリを開きます。あるいは MATLAB コマンド プロンプトで wirelessWaveformGenerator と入力します。

[波形タイプ] セクションで [OFDM] をクリックして OFDM を選択します。アプリの左端のペインで、選択した波形の構成パラメーターを調整します。次に、アプリのツールストリップで [生成] をクリックして構成を生成します。

無線送信機の構成

アプリのツールストリップから [送信機] タブを選択します。送信機ギャラリーで無線送信機を選択します。

アプリの左端のペインで、無線機セットアップ ウィザードを使用して保存した無線機セットアップ構成の名前を選択します。詳細については、Connect and Set Up NI USRP Radios (Wireless Testbench)を参照してください。

中心周波数、ゲイン、およびアンテナの構成パラメーターを設定します。アプリは、以前生成した波形に基づいて、波形のサンプル レートを自動的に設定します。無線送信機はオンボードのデータ バッファリングを使用して、無線デバイスがサポートする最大ベースバンド サンプル レートを上限とする連続したデータ伝送を確実に行います。指定されたサンプル レートを達成するために、無線機は Farrow レート コンバーターを使用します。必要に応じ、サンプル レートを設定するときに以下のリストを参照として使用してください。

  • USRP N310 -- 120,945 Hz ~ 76.8 MHz、または次のいずれか: 122.88 MHz、125 MHz、または 153.6 MHz

  • USRP N320 -- 196,851 Hz ~ 125 MHz、または次のいずれか: 200 MHz、245.76 MHz、または 250 MHz

  • USRP N321 -- 196,851 Hz ~ 125 MHz、または次のいずれか: 200 MHz、245.76 MHz、または 250 MHz

  • USRP X310 -- 181,418 Hz ~ 100 MHz、または次のいずれか: 184.32 MHz または 200 MHz

  • USRP X410 -- 241,890 Hz ~ 125 MHz、または次のいずれか: 245.76 MHz または 250 MHz

波形の送信

連続して波形を送信するには、[送信] をクリックします。連続送信を終了するには、[送信の停止] をクリックします。波形生成パラメーターおよび送信パラメーターを実行可能な MATLAB スクリプトにエクスポートするには、[MATLAB スクリプトのエクスポート] をクリックします。

制限

MATLAB Online™ では、5G 波形発生器が SDR デバイスまたはテスト計器による信号の送信をサポートしていません。

参照

[1] 3GPP TS 38.141-1. “NR; Base Station (BS) conformance testing Part 1: Conducted conformance testing.” 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network.

[2] 3GPP TS 38.141-2. “NR; Base Station (BS) conformance testing Part 2: Radiated conformance testing.” 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network.

[3] 3GPP TS 38.101-1. “NR; User Equipment (UE) radio transmission and reception; Part 1: Range 1 Standalone.” 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network.

[4] 3GPP TS 38.104. “NR; Base Station (BS) radio transmission and reception.” 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network.

バージョン履歴

R2020a で導入

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