PLL

PLLとは

PLLとは、Phase Locked Loopを略した表現です。日本語では位相同期回路と表記されていることもありますが、一般的にはそのままPLLまたはPLL回路と呼ばれています。PLLは、フィードバックを含んだ周波数制御システム (位相同期回路) です。

PLL の基本構成

PLLは、下図に示す様にPhase Detector (位相比較器) 、Loop Filter (ループフィルタ) 、VCO (電圧制御発振器) 、Divider (分周器) で構成されています。各構成要素の役割は以下になります。

  • Phase Detector (位相比較器): 入力される2信号の位相差を求め、位相差を電圧として出力します。最近は、電流出力型のチャージ・ポンプ回路が使われています。
  • Loop Filter (ループフィルタ): 基本はローパスフィルタになります。フィードバックループの安定化を図るための役割を担い、入力される信号のリップルを取り除き、リップルの少ないDC電圧を出力します。
  • VCO (電圧制御発信器): 入力電圧によって出力する周波数を制御します。
  • Divider (分周器): 入力された信号の周波数を整数分の1に落とします。
PLLの基本構成

PLL回路の基本動作は次のとおりです、入力の基準信号と分周されたVCOの出力信号の位相差を位相比較器で検出し、ループフィルタを通して得られるDC電圧を調整してVCOの出力周波数を制御します。VCO出力信号を分周器に通して、位相比較器に戻します。このループを通して、基準信号と出力信号の位相を同期させます。高周波信号生成や高速クロック信号生成等、高精度な信号を作成する上で、欠かせない回路となっています。

PLLの主な用途

  • 無線分野等での周波数シンセサイザ回路
  • デジタル回路用のクロック分周、逓倍回路
  • クロック・データ・リカバリ(CDR)回路

これまでは、アナログ回路で構成するアナログPLLや一部デジタル化されたPLLが主流でしたが、近年では、すべてデジタルで構成するADPLL (All Digital Phase Locked Loop)も開発が進んできています。

PLL設計でのMATLAB/Simulinkの活用

MATLAB/Simulinkはデジタル処理、制御設計において30年の実績をもつツールです。また特にここ何年かは、アナログ・デジタルが混在するシステムへの適用実績が増えており、システム設計ツールとしての認知が定着してきています。安定で高精度なPLL回路を実現するには、制御設計のノウハウが必要です。Control System Toolboxは、帰還ループの安定化解析および設計に広く使われおり、PLL設計の重要な設計要素である、ループフィルタの特性決めをサポートします。デジタル処理部について、Signal Processing Toolbox/DSP System Toolboxは、アナログ・ディジタルフィルタ設計やマルチレート処理を含むシステム設計環境を実現します。また、Mixed Signal Library は、PLLはもちろん、ADコンバータ、DC-DCコンバータ等の参照できる例題を提供します。 この例題を活用して早期にシミュレーションに使用いただく事を可能にします。

参考 : Control System Toolbox, Simulink, Simscape, Signal Processing Toolbox, DSP System Toolbox, 周波数解析, デジタルフィルタ, ボード線図