モーダル解析

モーダル解析とは

モーダル解析とは、構造体およびシステムの動的振る舞いの調査に使用される手法です。これは、エンジニアが振動の固有モードおよび外力に対する応答を理解するのに役立ちます。この手法により、エンジニアはシステムの安全性、効率性、快適性を高めることができます。

エンジニアは多くの場合、実験的モーダル解析を使用して設計対象となる構造体の動的応答を測定します。モーダルテストには、既知の入力信号による構造体の励起およびセンサーを使用したその応答の測定が含まれます。実験的手法の 1 つである衝撃試験では、構造体は衝撃ハンマーによって励起され、結果として得られる振動は加速度計で取得されます。収集したデータはその後、システムの固有振動数を抽出するために処理されます。

  左は翼長 3 メートルの柔軟翼機。右は実験的モーダル解析のボード線図。

柔軟全翼機の 2 つの周波数応答関数の MATLAB プロット。周波数応答ダイアグラムに見られるピークにより、翼構造体における一部の固有振動数を特定します。

MATLAB® を使用すると、周波数応答関数、固有振動数、減衰比、モード形状の推定により、実験的モーダル解析を実行できます。

モーダル解析では、固有振動数は、構造体またはシステムが外乱を受けた際に自然に振動する周波数を表しています。モード形状は、これらの固有振動数に関連した変位と変形の空間分布で表されます。Signal Processing Toolbox™ には、実験データから周波数応答とモード形状を特定するための関数が用意されています。

モーダル解析の産業用途

モーダル解析は、多くの製品および産業分野の開発プロセスで重要な部分を占めています。

  • 航空宇宙: 空気力学と構造力学の相互作用の調査により、安定性を確保し、フラッターやその他の現象を防止しやすくなります。構成要素を継続して解析することで、問題の予測と検出が可能になるため、信頼性および安全性を向上できます。
  • 自動車: ノイズ、振動、およびハーシュネスを軽減すれば、乗り心地、車両の快適性、乗車体験が向上します。
  • 建築: 風などの自然現象、歩行や運転などの人間の活動によって橋や超高層ビルなどの大規模な建造物が影響を受け、崩壊に至る可能性があります。適切な減衰を考慮して建造物を設計することが、安全面において不可欠です。
  • 電化製品: 適切な振動制御により、機器が動いたり過度なノイズを発生したりするのを防ぎます。

参考: 信号処理, System Identification Toolbox™, 周波数応答

信号処理入門

スペクトル解析に関する実践的な信号処理技術を対話形式で学びます。