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modalsd

モード解析用の安定化ダイアグラムの生成

説明

modalsd(frf,f,fs) は、現在の Figure に安定化ダイアグラムを生成します。modalsd は、1 ~ 50 モードの固有振動数と減衰比を推定し、最小二乗複素指数 (LSCE) アルゴリズムを使用してダイアグラムを生成します。fs はサンプル レートです。周波数 f はベクトルで、周波数応答関数 frf の行数と等しい要素数をもちます。このダイアグラムを使用して、計算モードと物理モードを区別できます。

modalsd(frf,f,fs,Name,Value) は、名前と値のペアの引数を使用してオプションを指定します。

fn = modalsd(___) は、一連のモデル次数間で安定だと識別された固有振動数 fn の cell 配列を返します。i 番目の要素には、安定した極の固有振動数の長さが i のベクトルが含まれます。不安定な極は NaN として返されます。この構文は、前の構文から入力の任意の組み合わせを受け入れます。

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ランダム ノイズで励起される 2 入力/2 出力システムの周波数応答関数を計算します。

データ ファイルを読み込みます。5000 サンプルのハン ウィンドウおよび隣接するデータ セグメント間に 50% のオーバーラップを使用して、周波数応答関数を計算します。出力測定値を変位として指定します。

load modaldata
winlen = 5000;

[frf,f] = modalfrf(Xrand,Yrand,fs,hann(winlen),0.5*winlen,'Sensor','dis');

安定化ダイアグラムを生成して、最大 20 の物理モードを特定します。

modalsd(frf,f,fs,'MaxModes',20)

計算を繰り返しますが、今回は安定性の基準を厳しくします。モデル次数の増加に伴う固有振動数の変化が 0.01% 未満の場合、周波数において安定しているものとして所定の極を分類します。モデル次数の増加に伴う減衰比の推定の変化が 0.2% 未満の場合、減衰において安定しているものとして所定の極を分類します。

modalsd(frf,f,fs,'MaxModes',20,'SCriteria',[1e-4 0.002])

周波数範囲を 0 ~ 500 Hz に制限します。安定化基準を周波数の場合は 0.5%、減衰の場合は 10% に緩めます。

modalsd(frf,f,fs,'MaxModes',20,'SCriteria',[5e-3 0.1],'FreqRange',[0 500])

最小二乗有理関数アルゴリズムを使用して計算を繰り返します。周波数範囲を 100 Hz ~ 350 Hz に制限して、最大 10 の物理モードを特定します。

modalsd(frf,f,fs,'MaxModes',10,'FreqRange',[100 350],'FitMethod','lsrf')

入力引数

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周波数応答関数。ベクトル、行列または 3 次元配列で指定します。frf のサイズは p × m × n です。ここで、p は周波数ビンの数、m は応答信号の数、n は伝達関数を推定するための励起信号の数です。

例: tfestimate(randn(1,1000),sin(2*pi*(1:1000)/4)+randn(1,1000)/10) は、発振器の周波数応答を近似します。

データ型: single | double
複素数のサポート: あり

周波数。ベクトルとして指定します。f の要素数は、frf の行数と等しくなければなりません。

データ型: single | double

測定値データのサンプル レート。ヘルツ単位の正のスカラーとして指定します。

データ型: single | double

名前と値の引数

オプションの引数のペアを Name1=Value1,...,NameN=ValueN として指定します。ここで、Name は引数名で、Value は対応する値です。名前と値の引数は他の引数の後に指定しなければなりませんが、ペアの順序は重要ではありません。

R2021a より前では、コンマを使用して名前と値をそれぞれ区切り、Name を引用符で囲みます。

例: 'MaxModes',20,'FreqRange',[0 500] は最大 20 の物理モードを計算し、周波数範囲を 0 ~ 500 Hz に制限します。

近似アルゴリズム。'FitMethod''lsce' または 'lsrf' のどちらかで構成されるコンマ区切りのペアとして指定します。

  • 'lsce' — 最小二乗複素指数法

  • 'lsrf' — 最小二乗有理関数推定法。この手法については、[2]で説明します。詳細については、連続時間周波数領域データを使用した連続時間の伝達関数の推定 (System Identification Toolbox)を参照してください。このアルゴリズムでは、通常は、ノンパラメトリックによる方法より必要なデータは少なくなります。

周波数範囲。コンマ区切りペアとして指定します。ペアは 'FreqRange' および f で指定した範囲内の増加する正の値から成る 2 要素ベクトルで構成されます。

データ型: single | double

モードの最大数。'MaxModes' と正の整数で構成されるコンマ区切りのペアとして指定します。

データ型: single | double

一連のモデル自由度間の安定した固有振動数および減衰比を定義する基準。'SCriteria' と正の値の 2 要素ベクトルから成るコンマ区切りのペアとして指定します。'SCriteria' には、安定として分類される極間の非整数の最大差が含まれます。ベクトルの最初の要素は固有振動数に適用されます。2 番目の要素は減衰比に適用されます。

データ型: single | double

出力引数

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安定として識別された固有振動数。行列として返されます。i 番目の行の最初の i 個の要素に固有振動数が含まれます。物理的でない極または周波数が不安定な極は、NaN として返されます。

参照

[1] Brandt, Anders. Noise and Vibration Analysis: Signal Analysis and Experimental Procedures. Chichester, UK: John Wiley & Sons, 2011.

[2] Ozdemir, Ahmet Arda, and Suat Gumussoy. "Transfer Function Estimation in System Identification Toolbox™ via Vector Fitting." Proceedings of the 20th World Congress of the International Federation of Automatic Control, Toulouse, France, July 2017.

[3] Vold, Håvard, John Crowley, and G. Thomas Rocklin. “New Ways of Estimating Frequency Response Functions.” Sound and Vibration. Vol. 18, November 1984, pp. 34–38.

バージョン履歴

R2017a で導入

参考

| | (System Identification Toolbox)