カーネギーメロン大学の教授が医用生体工学のための計算手法の授業にオンライン MATLAB チュートリアルを活用

課題

医用生体工学アプリケーションに必要な計算手法への関心を高め学習量を増やす

ソリューション

MATLABの基本が身につくMATLABオンラインチュートリアルを授業の前に修了させる反転授業を採用

結果

  • 反転授業が可能
  • 積極的な授業参加
  • プログラミング効率が向上

「反転授業を行う場合、適切な教材なしに生徒が自分で勉強し予習してくることを期待することはできません。 対話型のMATLABチュートリアルは、学生の関心を高めてすばやく習得させるのに最適です。」

Dr. Yu-li Wang, CMU

K-meansクラスタリングを使用した、正常および悪性乳房組織サンプルの電気インピーダンス測定に基づいたクラスターの同定。散布図は、これらの主成分のペアの関係を示し、各クラスターの分布をそれぞれに色分けして示しています。


プログラミングの経験が比較的少ない学生にとって、計算手法や数値解析法に関する大学院レベルのコースは非常に難解な場合があります。このような学生の関心を引き、学期内にエンジニアリング タスクを実践できるレベルに引き上げるために、教員は、学生が詳細レベルのコーディングに煩わされることなく短期間でレベルアップできるように、各学生の工学分野への興味関心に合わせた有意義な演習を用意する必要があります。</p>

カーネギーメロン大学の医用生体工学の教授である Yu-li Wang 博士は、反転授業と MATLAB® ベースの演習課題を組み合わることで、この難題に対応しました。学生は、講義に出席する前に対話型の MATLAB チュートリアルを修了します。講義では、チュートリアルで習得した基本スキルを、より高度なレベルの問題や、医用生体工学に関連する問題に応用します。Wang 博士は、このアプローチによって学生の関心を高め、将来ぶつかるであろう工学的問題へ取り組む準備の助けになると実感しました。

Wang 博士は次のように話しています。「従来の、教科書ベースのアプローチで数値解析法を教えることは、学生にとって無味乾燥で特別面白くもない内容になる可能性があります。私のコースでは、いきなり MATLAB を使用する課題から始めます。コースの終わりまでに、学生は、従来の数値解析法の授業を受けた学生よりも有能なエンジニアになる準備ができています。」

課題

Wang 博士の新しいコース Fundamentals of Computational Biomedical Engineering は、全面的に MATLAB と Simulink® をベースとした、CMU 初の大学院レベルの医用生体工学コースです。Wang 博士が授業の初期に行ったアンケートでは、学生たちはプログラミングの素養が十分ではありませんでしたが、大半は MATLAB の "パワーユーザー" になり、医用生体工学の授業でも、就職してからも使いたいと回答しました。

Wang 博士はアセンブリ言語から C++ まで、他の言語で何十年ものプログラミング経験がありましたが、MATLAB のエキスパートではありませんでした。各講義の準備をするために、博士は自分自身が習熟し、学生が使用する教材を見極める必要がありました。

ソリューション

Wang 博士は、MathWorks のオンライン トレーニング コースを使用して MATLAB を学び、自身の新しい計算手法のコースに反転授業を導入しました。学生にチュートリアルの受講を課す前に、Wang 博士自身がチュートリアルを受講して、進行速度や、学生がサポートを必要としそうな部分を確認しました。

Wang 博士は、指定したチュートリアルを講義前に修了するように学生に求めたことで、講義で基本構文の指導に費やす時間を最小限に抑えられることに気づきました。講義では、チュートリアルに出てくる主な概念を簡単に確認してから、それらを医用生体工学でどのように応用するかを学生に説明しました。たとえば、最初の課題の1つに、学生が MATLAB を使用して患者のデータを分析し、血圧、コレステロール、全体的な健康状態の相関関係を見つけるものがありました。画像解析の授業では、学生は MATLAB Central の File Exchange からダウンロードしたアルゴリズムを実行し、米粒の写真の画像セグメンテーションを行い、細胞核を数えて測定するように修正しました。

Wang 博士はチュートリアルを完了した後、いくつかの重要なトピックを同様の方法で拡張しました。たとえばトピックが線形代数の場合、固有ベクトル、特異値分解、および主成分分析への応用をカバーする演習資料を追加しました。学生は、MATLAB チュートリアルで基礎を身につけたおかげで、難度の高い抽象的で複雑な概念も容易に理解できました。

常微分方程式 (ODE) を取り扱った際、Wang 博士は学生に MATLAB のソルバーを使用して ODE を解くチュートリアルを修了するよう求めました。学生たちはさらに、同じ ODE を Symbolic Math Toolbox™ を使用してシンボリックに、また Simulink を使ってグラフィカルに解くよう求められました。

このコースの最後はMATLAB による機械学習のチュートリアルでした。その後、多くの学生が、選択したテーマに関する最終プロジェクトに、従来の機械学習もしくはニューラル ネットワークベースの深層学習を使用することを選択しました。テーマには、肺炎を検出するための胸部 X 線画像の分類、認知症を検出するための脳波記録、心不整脈を検出するための心電図記録、自動血球数計測のための白血球画像などがありました。多くのプロジェクトで、単純な回帰から深層学習まで、分類手法の比較が行われました。

今後の学期に向けて、Wang 博士は、学生のフィードバックや最終プロジェクトでの分類器の広範な利用状況から、機械学習と深層学習にさらに多くの時間を充てることを検討しています。

結果

  • 反転授業が可能。Wang 博士は次のように述べています。「MATLAB チュートリアルは、計算手法を教える技術に大きな変化をもたらし、反転授業で結果を最大限に高めることができました。たとえばPython で指導していたら、基本を教えるために講義に時間をかけたり、同じようなチュートリアルを自分で作成したりする必要があったでしょう。」
  • 積極的な授業参加。「MATLAB 基礎が、退屈で時間のかかる一連の講義に取って代わりました。スキルが上がるにつれて、学生たちはより積極的に参加するようになり、私の出した課題に対して、以前よりもより良い、興味深い回答を返すようになりました。」
  • プログラミング効率が向上。「MATLAB は、学生でも私のような現役の専門家でも、問題を簡単かつ迅速に解けるようになる、非常に効率的なエンジニアリング ツールです。C や C++ を使用してプロトタイプを作成した場合、優れたライブラリがあったとしても、MATLAB を使用した場合よりも結果を確認するのにかなりの時間と労力がかかるでしょう。」