Satellite Communications Toolbox には、衛星通信システムやリンクを設計、シミュレーション、および検証するための、規格に基づくツールが用意されています。このツールボックスにより、衛星軌道をモデル化および可視化して、リンク解析やアクセス計算を行うことができます。また、RF コンポーネントや地上局の受信機とともに物理層のアルゴリズムを設計し、テスト波形を生成して、ゴールデン リファレンス設計の検証を行うことができます。
このツールボックスを使用すれば、エンドツーエンドの衛星通信リンクの構成、シミュレーション、測定、解析を行うことができます。また、設計、プロトタイプ、および実装が、衛星通信やナビゲーションの規格である DVB-S2X、DVB-S2、CCSDS、GPS に準拠していることを検証するためのテストを作成し、再利用することができます。
詳細を見る:

軌道の伝播および可視化
二体、SGP4、SDP4 などの軌道伝播関数で衛星をモデル化します。2D および 3D の衛星軌道を、視野、グラウンドトラック、スカイプロットを含めて可視化し、ナビゲーションに活用します。TLE ファイルやエフェメリスデータから衛星コンスタレーションを生成します。
アクセスおよびリンク解析
LOS (見通し) アクセスを解析します。衛星から地上局へ、または衛星間のリンククロージャを計算します。地上局間のマルチホップ通信リンクをシミュレーションします。
Link Budget Analyzer アプリ
衛星通信のリンクバジェットを解析、設計、および可視化します。自由空間の経路損失、パワーアンプの増幅率、リンク距離などのパラメーターをカスタマイズして、リンクバジェットのトレードオフを評価します。ユーザー指定の入力パラメーターを追加して、解析をカスタマイズできます。
稼働率解析および感度解析
アップリンク、ダウンリンク、クロスリンクを解析します。リンクマージンを計算します。ITU-R P.618 の伝搬損失モデルに基づいて、さまざまな環境条件下で望ましい稼働率を実現するために必要な送信電力を推定します。
衛星通信波形
テレコマンド (TC) やテレメトリ (TM) を含む CCSDS 波形を生成します。DVB-S2 (第 2 世代) および DVB-S2X (第 2 世代拡張) 規格の伝送を含むデジタルビデオ放送衛星の波形を生成します。
衛星ナビゲーション波形
エフェメリスおよびアルマナックデータを使用して、フレーム構造を含む GPS レガシー ナビゲーション (LNAV) データを生成します。
チャネルモデリング
ITU-R P.618 伝搬損失モデルを使用して、衛星通信システムの地球 - 宇宙間リンクを設計します。静止軌道 (GEO) 衛星のリンクレベル・シミュレーションに、ETSI 仕様のライスチャネルと陸上移動衛星 (LMS) チャネルを使用します。
受信機の設計
DVB-S2、DVB-S2X、CCSDS の受信波形を復調および復号化します。これには、RF フロントエンドの損失と補正の影響を含めることができます。ビットエラーレート (BER) とパケットエラーレート (PER) を測定し、性能を評価します。
リファレンス設計の MATLAB コード
オープンでカスタマイズ可能な MATLAB® コードで表現された送信機、チャネルモデル、および受信機のリンクレベルの処理を探求し使用します。 リンクバジェット、リンク稼働率、およびリンク感度解析の計算に使用されるアルゴリズムをカスタマイズします。
C または C++ コード生成
移植可能な C または C++ ソースコード、またはスタンドアロン アプリケーションを Satellite Communications Toolbox を使用する MATLAB アプリケーションから生成します。生成された C や C++ ソースコード、または実行可能ファイルを使用して、MATLAB 環境外で設計を検証します。