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Kinematic Steering

アッカーマン ステアリング機構、ラックアンドピニオン ステアリング機構、およびパラレル ステアリング機構の運動学的ステアリング

  • Kinematic Steering block

ライブラリ:
Vehicle Dynamics Blockset / Steering

説明

Kinematic Steering ブロックは、ステアリング モデルを実装して、アッカーマン ステアリング機構、ラックアンドピニオン ステアリング機構、およびパラレル ステアリング機構の左右の車輪の角度を決定します。このブロックは車両座標系を使用します。

ステアリング タイプを指定するには、[タイプ] パラメーターを使用します。

設定ブロック実装

アッカーマン

アッカーマン率で調整された理想的なアッカーマン ステアリング。車輪の角度の旋回円中心が共通しています。

ラック アンド ピニオン

理想的なラックアンドピニオン ステアリング。ギアはステアリングの回転を線形運動に変換します。

パラレル

パラレル ステアリング。車輪の角度は等しくなります。

ステアリング機構のデータのタイプを指定するには、[パラメーター化の基準] パラメーターを使用します。

設定ブロック実装

定数

ステアリング機構では定数パラメーター データが使用されます。

ルックアップ テーブル

ステアリング機構ではパラメーター データのテーブルが実装されます。

[ステアリング車軸] パラメーターを使用して、前車軸と後車軸のいずれをステアリングするかを指定します。

設定実装
フロント

前車軸のステアリング

Figure of front steering turning right

リア

後車軸のステアリング

Figure of rear steering turning right

ステアリング タイプ

アッカーマン

理想的なアッカーマン ステアリングでは、車輪の角度の旋回円が共通しています。

Figure of Ackerman steering turning right around turning circle

理想的な車輪の角度を計算するために、このブロックでは次の方程式を使用します。

cot(δL)cot(δR)=TWWBδAck=δinγδL=tan1(WBtan(δAck)WB+0.5TWtan(δAck))δR=tan1(WBtan(δAck)WB0.5TWtan(δAck))

理想的な車輪の角度を計算した後、ブロックはアッカーマン率を使用して外側車輪角度を調整します。

δo=δipAck(δiδAck)

外側車輪角度は転換方向によって異なります。

  • 右折

    • 外側角度 δo は左車輪角度 δL

    • 内側角度 δi は右車輪角度 δR

  • 左折

    • 外側角度 δo は右車輪角度 δR

    • 内側角度 δi は左車輪角度 δL

図と方程式では次の変数を使用しています。

δin

ステアリング角度

δL

左車輪角度

δR

右車輪角度

δo外側車輪角度
δi

内側車輪角度

pAckアッカーマン率
TW

トラック幅

WB

ホイール ベース

γ

ステアリング比

ラックアンドピニオン

理想的なラックアンドピニオン ステアリングでは、ギアはステアリングの回転を線形運動に変換します。

Figure of rack, rod, and arm in rack and pinion steering mechanism

Figure of rod in rack and pinion steering mechanism

ステアリング角度を計算するために、このブロックでは次の方程式を使用します。

l1=TWlrack2ΔPl22=l12+D2ΔP=rδinβ=π2tan1[Dl1]cos1[larm2+l22lrod22larml2]

図と方程式では次の変数を使用しています。

δin

ステアリング ホイールの角度

δL

左車輪角度

δR

右車輪角度

TW

トラック幅

r

ピニオン半径

ΔP

ラック位置の線形変化

D

軸とラック間の距離

lrack

ラック ケーシングの長さ

larm

ステアリング アームの長さ

lrod

タイ ロッドの長さ

パラレル

パラレル ステアリングでは、車輪の角度は等しくなります。

Figure parallel steering where wheel angles are equal

ステアリング角度を計算するために、このブロックでは次の方程式を使用します。

δR=δL=δinγ

図と方程式では次の変数を使用しています。

δin

ステアリング ホイールの角度

δL

左車輪角度

δR

右車輪角度

γ

ステアリング比

端子

入力

すべて展開する

ステアリング角度 δin (rad 単位)。

[ステアリング範囲、StrgRng] パラメーターを使用して、ステアリング角度の範囲を指定します。既定では、この値は 1.25*pi に設定されます。この場合、ステアリング角度は -1.25*pi ~ 1.25*pi の範囲に制限されます。

アッカーマン率 δin (パーセント単位)。

依存関係

この入力端子を作成するには、次のようにします。

  • [タイプ][アッカーマン] に設定します。

  • [アッカーマン ステアリング] ペインで、[Input percent Ackerman] を選択します。

出力

すべて展開する

バス信号には次のブロック計算が含まれます。

信号説明変数単位

InstStrgRatio

瞬時ステアリング比

γ

NA

左車輪角度 δL (rad 単位)。

右車輪角度 δR (rad 単位)。

パラメーター

すべて展開する

ステアリング タイプを指定するには、[タイプ] パラメーターを使用します。

設定ブロック実装

アッカーマン

理想的なアッカーマン ステアリング。車輪の角度の旋回円中心が共通しています。

ラック アンド ピニオン

理想的なラックアンドピニオン ステアリング。ギアはステアリングの回転を線形運動に変換します。

パラレル

パラレル ステアリング。車輪の角度は等しくなります。

ステアリング機構のデータのタイプを指定するには、[パラメーター化の基準] パラメーターを使用します。

設定ブロック実装

定数

ステアリング機構では定数パラメーター データが使用されます。

ルックアップ テーブル

ステアリング機構ではパラメーター データのテーブルが実装されます。

[ステアリング車軸] パラメーターを使用して、前車軸と後車軸のいずれをステアリングするかを指定します。

設定実装
フロント

前車軸のステアリング

Figure of front steering turning right

リア

後車軸のステアリング

Figure of rear steering turning right

ブロックがステアリング比 γ またはピニオン半径 r の調整に使用する係数 NrmFctr。ブロックで正規化できるのは、[パラメーター化の基準][定数] に設定されている場合だけです。

ステアリング比またはピニオン半径を調整するには、[正規化] をクリックします。

ステアリング タイプ正規化

アッカーマン

パラレル

ブロックは、[ステアリング比、StrgRatio] パラメーターを次の方程式で指定される正規化された値 γnrm に更新します。

γnrm=1NrmFctr

ラック アンド ピニオン

ブロックは、[ピニオン半径、PnnRadius] パラメーターを正規化係数 NrmFctr を使用するように更新します。

一般

トラック幅 TW (メートル単位)。

依存関係

このパラメーターを作成するには、[タイプ][アッカーマン] または [ラック アンド ピニオン] に設定します。

ホイール ベース WB (メートル単位)。

依存関係

このパラメーターを作成するには、[タイプ][アッカーマン] に設定します。

ピニオンがギアと噛み合う前の不感帯のステアリング角度 (rad 単位)。

ステアリング ホイールの角度の入力範囲 (rad 単位)。ブロックは、ステアリング ホイールの入力角度がステアリング範囲内に留まるように制限します。

ステアリング比 γ (無次元)。

依存関係

このパラメーターを作成するには、次のようにします。

  • [タイプ][アッカーマン] または [パラレル] に設定します。

  • [パラメーター化の基準][定数] に設定します。

ステアリング角度のブレークポイント (rad 単位)。

依存関係

このパラメーターを作成するには、[パラメーター化の基準][ルックアップ テーブル] に設定します。

ステアリング比テーブル γ (無次元)。

依存関係

このパラメーターを作成するには、次のようにします。

  • [タイプ][アッカーマン] または [パラレル] に設定します。

  • [パラメーター化の基準][ルックアップ テーブル] に設定します。

ラックアンドピニオン

ステアリング アームの長さ larm (メートル単位)。

依存関係

このパラメーターを作成するには、[タイプ][ラック アンド ピニオン] に設定します。

ラック ケーシングの長さ lrack (メートル単位)。

依存関係

このパラメーターを作成するには、[タイプ][ラック アンド ピニオン] に設定します。

タイ ロッドの長さ lrod (メートル単位)。

依存関係

このパラメーターを作成するには、[タイプ][ラック アンド ピニオン] に設定します。

軸とラック間の距離 D (メートル単位)。

依存関係

このパラメーターを作成するには、[タイプ][ラック アンド ピニオン] に設定します。

ピニオン半径 r (メートル単位)。

依存関係

このパラメーターを作成するには、次のようにします。

  • [タイプ][ラック アンド ピニオン] に設定します。

  • [パラメーター化の基準][定数] に設定します。

ピニオン半径テーブル r (メートル単位)。

依存関係

このパラメーターを作成するには、次のようにします。

  • [タイプ][ラック アンド ピニオン] に設定します。

  • [パラメーター化の基準][ルックアップ テーブル] に設定します。

アッカーマン ステアリング

PctAckIn 入力端子を作成する場合に選択します。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[タイプ][アッカーマン] に設定します。

アッカーマン率の定数値 (パーセント単位)。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、次のようにします。

  • [タイプ][アッカーマン] に設定する

  • [パラメーター化の基準][定数] に設定する

  • [Input Percent Ackerman] をオフにする

ステアリング角度 δin の関数としてのアッカーマン率値のテーブル (パーセント単位)。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、次のようにします。

  • [タイプ][アッカーマン] に設定する

  • [パラメーター化の基準][定数] に設定する

  • [Input Percent Ackerman] をオフにする

参照

[1] Crolla, David, David Foster, et al. Encyclopedia of Automotive Engineering. Volume 4, Part 5 (Chassis Systems) and Part 6 (Electrical and Electronic Systems). Chichester, West Sussex, United Kingdom: John Wiley & Sons Ltd, 2015.

[2] Gillespie, Thomas. Fundamentals of Vehicle Dynamics. Warrendale, PA: Society of Automotive Engineers, 1992.

[3] Vehicle Dynamics Standards Committee. Vehicle Dynamics Terminology. SAE J670. Warrendale, PA: Society of Automotive Engineers, 2008.

拡張機能

C/C++ コード生成
Simulink® Coder™ を使用して C および C++ コードを生成します。

バージョン履歴

R2018a で導入