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updateMetrics

インクリメンタル ドリフト認識学習モデルの新しいデータに基づくパフォーマンス メトリクスの更新

R2022b 以降

    説明

    Mdl = updateMetrics(Mdl,X,Y) は、インクリメンタル ドリフト認識学習モデル Mdl を返します。これは、入力予測子と応答データ (それぞれ XY) のモデル パフォーマンス メトリクスを含むように変更された入力インクリメンタル ドリフト認識学習モデル Mdl です。

    入力モデルが "ウォーム" (Mdl.IsWarmtrue) の場合、updateMetrics は以前に計算されたメトリクスを上書きし、Metrics プロパティに新しい値を保存します。それ以外の場合、updateMetrics は代わりに MetricsNaN 値を保存します。

    入力モデルと出力モデルのデータ型は同じです。

    Mdl = updateMetrics(Mdl,X,Y,Name=Value) は、1 つ以上の名前と値の引数によって指定された追加オプションを使用します。たとえば、予測子データ行列の列が観測値に対応するように指定したり、観測値の重みを設定したりできます。

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    HelperSineGenerator を使用してランダムな概念データを作成し、HelperConceptDriftGenerator を使用して概念ドリフト発生器を作成します。

    concept1 = HelperSineGenerator("ClassificationFunction",1,"IrrelevantFeatures",true,"TableOutput",false);
    concept2 = HelperSineGenerator("ClassificationFunction",3,"IrrelevantFeatures",true,"TableOutput",false);
    driftGenerator = HelperConceptDriftGenerator(concept1,concept2,15000,1000);

    ClassificationFunction が 1 の場合、HelperSineGenerator"x1" < "sin(x2)" を満たすすべての点に 1 のラベルを付け、それ以外に 0 のラベルを付けます。ClassificationFunction が 3 の場合はその逆になります。つまり、HelperSineGenerator は、"x1" >= "sin(x2)" を満たすすべての点に 1 のラベルを付け、それ以外に 0 のラベルを付けます。

    HelperConceptDriftGenerator は、概念ドリフトを確立します。このオブジェクトでは、シグモイド関数 1./(1+exp(-4*(numobservations-position)./width)) を使用して、データ生成時に 1 つ目のストリームが選択される確率を判定します [1]。この例では、位置の引数が 15000 で、幅の引数が 1000 です。観測値の数が位置の値から幅の半分を引いた値を超えると、データ生成時に 1 つ目のストリームから抽出される確率が低下します。このシグモイド関数により、一方のストリームからもう一方への滑らかな遷移が実現します。幅の値が大きいほど、両方のストリームがほぼ等しい確率で選択される遷移期間が大きいことを示します。

    インクリメンタル ドリフト認識モデルを次のように開始します。

    1. バイナリ分類用のインクリメンタル単純ベイズ分類モデルを作成します。

    2. 移動平均による Hoeffding 境界のドリフト検出法 (HDDMA) を使用するインクリメンタルな概念ドリフト検出器を開始します。

    3. インクリメンタル線形モデルと概念ドリフト検出器を使用して、インクリメンタル ドリフト認識モデルをインスタンス化します。学習期間を 5000 個の観測値として指定します。

    BaseLearner = incrementalClassificationLinear(Solver="sgd");
    dd = incrementalConceptDriftDetector("hddma");
    idaMdl = incrementalDriftAwareLearner(BaseLearner,DriftDetector=dd,TrainingPeriod=5000);

    データ ストリームの作成用に各チャンクの変数の数と反復回数を事前に割り当てます。

    numObsPerChunk = 10;
    numIterations = 4000;

    ドリフト ステータスとドリフト時間を追跡する変数、および分類誤差を格納する変数を事前に割り当てます。

    dstatus = zeros(numIterations,1);
    statusname = strings(numIterations,1);
    ce = array2table(zeros(numIterations,2),VariableNames=["Cumulative" "Window"]);
    driftTimes = [];

    それぞれ 10 個の観測値の入力チャンクを使用してデータ ストリームをシミュレートし、インクリメンタル ドリフト認識学習を実行します。各反復で次を行います。

    1. 予測子データとラベルをシミュレートし、補助関数 hgenerate を使用してドリフト発生器を更新します。

    2. updateMetrics を呼び出して、累積性能および観測値ウィンドウ内での性能を測定します。前のインクリメンタル モデルを新しいモデルで上書きして、パフォーマンス メトリクスを追跡します。

    3. fit を呼び出して、モデルを入力チャンクに当てはめます。前のインクリメンタル モデルを、入力観測値に当てはめた新しいモデルで上書きします。

    4. 可視化のためにドリフト ステータスと分類誤差を追跡して記録します。

    rng(12); % For reproducibility
    
    for j = 1:numIterations
     
     % Generate data
     [driftGenerator,X,Y] = hgenerate(driftGenerator,numObsPerChunk); 
    
     % Update performance metrics and fit the model
     idaMdl = updateMetrics(idaMdl,X,Y); 
     idaMdl = fit(idaMdl,X,Y);
    
     % Record drift status and classification error
     statusname(j) = string(idaMdl.DriftStatus); 
     ce{j,:} = idaMdl.Metrics{"ClassificationError",:};
     if idaMdl.DriftDetected
           dstatus(j) = 2;  
           driftTimes(end+1) = j; 
        elseif idaMdl.WarningDetected
           dstatus(j) = 1;
        else 
           dstatus(j) = 0;
        end   
      
    end

    累積とウィンドウごとの分類誤差をプロットします。ウォームアップ期間と学習期間、およびドリフトが発生した時点をマークします。

    h = plot(ce.Variables);
    
    xlim([0 numIterations])
    ylim([0 0.08])
    ylabel("Classification Error")
    xlabel("Iteration")
    
    xline((idaMdl.BaseLearner.EstimationPeriod+idaMdl.MetricsWarmupPeriod)/numObsPerChunk,"g-.","Estimation + Warmup Period",LineWidth=1.5)
    xline((idaMdl.MetricsWarmupPeriod+idaMdl.BaseLearner.EstimationPeriod)/numObsPerChunk+driftTimes,"g-.","Estimation Period + Warmup Period",LineWidth=1.5)
    xline(driftTimes,"m--","Drift",LabelVerticalAlignment="middle",LineWidth=1.5)
    
    legend(h,ce.Properties.VariableNames)
    legend(h,Location="best")

    Figure contains an axes object. The axes object with xlabel Iteration, ylabel Classification Error contains 5 objects of type line, constantline. These objects represent Cumulative, Window.

    プロットは次のことを示しています。

    • updateMetrics は、パフォーマンス メトリクスを推定とメトリクスのウォームアップ期間の後にのみ計算します。

    • updateMetrics は、累積メトリクスを各反復中に計算します。

    • updateMetrics は、ウィンドウ メトリクスを既定のメトリクス ウィンドウ サイズ (200) の観測値を処理した後に計算します。

    • ドリフト検出後、関数 updateMetrics は、idaMdl.BaseLearner.EstimationPeriod+idaMdl.MetricsWarmupPeriod の観測値を待ってからモデルのパフォーマンス メトリクスの更新を再開します。

    ドリフト ステータスと反復回数の関係をプロットします。

    gscatter(1:numIterations,dstatus,statusname,'gmr','o',4,'on',"Iteration","Drift Status","Filled")

    Figure contains an axes object. The axes object with xlabel Iteration, ylabel Drift Status contains 3 objects of type line. One or more of the lines displays its values using only markers These objects represent Stable, Warning, Drift.

    入力引数

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    ストリーミング データに当てはめるインクリメンタル ドリフト認識学習モデル。incrementalDriftAwareLearner モデル オブジェクトとして指定します。Mdl は関数 incrementalDriftAwareLearner を使用して作成できます。詳細については、オブジェクトのリファレンス ページを参照してください。

    モデルが当てはめられる予測子データ チャンク。n 個の観測値と Mdl.BaseLearner.NumPredictors 個の予測子変数で構成される浮動小数点行列として指定します。

    Mdl.BaseLearner が名前と値の引数 ObservationsIn を受け入れる場合、ObservationsIn の値で変数と観測値の方向が決まります。ObservationsIn の既定値は "rows" であり、予測子データの観測値が X の行に沿うことを示しています。

    観測値の応答 (またはラベル) Y の長さと X の観測値の数は同じでなければなりません。Y(j)X 内の観測値 j (行または列) の応答 (またはラベル) です。

    メモ

    • Mdl.BaseLearner.NumPredictors = 0 の場合、updateMetricsX から予測子の数を推測し、出力モデルの対応するプロパティを設定します。それ以外の場合、ストリーミング データ内の予測子変数の数が Mdl.BaseLearner.NumPredictors から変化すると、updateMetrics がエラーを生成します。

    • updateMetrics は、浮動小数点の入力予測子データのみをサポートしています。入力データに categorical データが含まれている場合は、エンコード バージョンの categorical データを準備する必要があります。dummyvar を使用して、各カテゴリカル変数をダミー変数で構成される数値行列に変換します。その後、すべてのダミー変数行列とその他の数値予測子を連結します。詳細については、ダミー変数を参照してください。

    データ型: single | double

    モデルを当てはめる応答 (またはラベル) のチャンク。次のいずれかとして指定します。

    • 回帰モデルの場合、n 要素の浮動小数点ベクトル。ここで、nX の行数です。

    • 分類モデルの場合、categorical 配列、文字配列、string 配列、logical ベクトル、または文字ベクトルの cell 配列。Y が文字配列の場合、各行に 1 つのクラス ラベルを含めなければなりません。それ以外の場合、Yn 要素のベクトルでなければなりません。

    Y の長さと X の観測値の数は同じでなければなりません。Y(j)X 内の観測値 j (行または列) の応答 (またはラベル) です。

    分類問題では次のようになります。

    • Mdl.BaseLearner.ClassNames が空以外の場合は、次の条件が適用されます。

      • YMdl.BaseLearner.ClassNames のメンバーではないラベルを含む場合、updateMetrics はエラーを生成します。

      • YMdl.BaseLearner.ClassNames のデータ型は同じでなければなりません。

    • Mdl.BaseLearner.ClassNames が空の場合は、updateMetrics がデータから Mdl.BaseLearner.ClassNames を推定します。

    データ型: single | double | categorical | char | string | logical | cell

    名前と値の引数

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    オプションの引数のペアを Name1=Value1,...,NameN=ValueN として指定します。ここで、Name は引数名で、Value は対応する値です。名前と値の引数は他の引数の後に指定しなければなりませんが、ペアの順序は重要ではありません。

    例: ObservationsIn="columns",Weights=W は、予測子行列の列が観測値に対応すること、およびインクリメンタル学習中に適用する観測値の重みがベクトル W に格納されていることを指定します。

    予測子データにおける観測値の次元。'ObservationsIn''columns' または 'rows' から構成されるコンマ区切りのペアとして指定します。

    updateMetrics は、Mdl.BaseLearner が名前と値の引数 ObservationsIn をサポートする場合にのみ ObservationsIn をサポートします。

    データ型: char | string

    観測値の重みのチャンク。正の値の浮動小数点ベクトルとして指定します。updateMetrics は、Weights 内の対応する値を使用して X 内の観測値に重みを付けます。Weights のサイズは X 内の観測値の数 n と同じでなければなりません。

    既定では Weightsones(n,1) です。

    例: Weights=w

    データ型: double | single

    出力引数

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    更新されたインクリメンタル ドリフト認識学習モデル。入力モデル Mdl と同じデータ型のインクリメンタル学習モデル オブジェクト incrementalDriftAwareLearner として返されます。

    モデルがウォームでない場合、updateMetrics はパフォーマンス メトリクスを計算しません。その結果、MdlMetrics プロパティは、NaN 値で構成された状態を完全に維持します。モデルがウォームの場合、updateMetrics は、新しいデータ XY における累積およびウィンドウのパフォーマンス メトリクスを計算し、Mdl.Metrics の対応する要素を上書きします。入力モデル Mdl の他のプロパティは、すべて出力モデル Mdl に引き継がれます。詳細については、パフォーマンス メトリクスを参照してください。

    アルゴリズム

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    バージョン履歴

    R2022b で導入