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dwtest

残差の入力によるダービン・ワトソン検定

説明

p = dwtest(r,x) は、線形回帰からの残差が無相関であるという帰無仮説のダービン・ワトソン検定の p 値を返します。対立仮説は、残差間に自己相関があるとします。

p = dwtest(r,x,Name,Value) は、1 つ以上の名前と値のペア引数で指定された追加のオプションを使用したダービン・ワトソン検定の p 値を返します。たとえば、片側検定を実行するか、正規近似を使用して p 値を計算することができます。

[p,d] = dwtest(___) は、前の構文の入力引数のいずれかを使用して、ダービン・ワトソン検定統計 d も返します。

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国勢調査データを読み込みます。

load census

国勢調査データ (cdate) を予測子として使用して計画行列を作成します。定数項を含めるための 1 値の列を追加します。

n = length(cdate);
x = [ones(n,1),cdate];

データに線形回帰を近似します。

[b,bint,r] = regress(pop,x);

残差 r 間に自己相関がないという帰無仮説を検定します。

[p,d] = dwtest(r,x)
p = 3.6190e-15
d = 0.1308

戻り値 p = 3.6190e-15 は、有意水準 5% で帰無仮説が棄却されることを示します。

国勢調査データを読み込みます。

load census

国勢調査データ (cdate) を予測子として使用して計画行列を作成します。定数項を含めるための 1 値の列を追加します。

n = length(cdate);
x = [ones(n,1),cdate];

データに線形回帰を近似します。

[b,bint,r] = regress(pop,x);

回帰残差間に自己相関がないという帰無仮説を、自己相関が 0 を超えているという対立仮説に対して検定します。

[p,d] = dwtest(r,x,'Tail','right')
p = 1.8095e-15
d = 0.1308

戻り値 p = 1.8095e-15 は、残差間の自己相関が 0 を超えているという対立仮説を優先して、有意水準 5% で帰無仮説が棄却されることを示します。

入力引数

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線形回帰の計画行列。行列として指定します。モデルに定数項が含まれるように、計画行列に 1 値の列を含めます。

データ型: single | double

回帰残差。ベクトルとして指定します。regress などの関数を使用するか、バックスラッシュ演算子を使用して線形回帰を実行して r を取得します。

データ型: single | double

名前と値の引数

オプションの引数のペアを Name1=Value1,...,NameN=ValueN として指定します。ここで Name は引数名、Value は対応する値です。名前と値の引数は他の引数の後ろにする必要がありますが、ペアの順序は関係ありません。

R2021a より前では、名前と値をそれぞれコンマを使って区切り、Name を引用符で囲みます。

例: 'Tail','right','Method','approximate' では、右側仮説検定を指定し、正規近似を使用して p 値を計算します。

p 値を計算するためのアルゴリズム。'Method' と次のいずれかの値から構成されるコンマ区切りのペアとして指定します。

'exact'Pan のアルゴリズム[2]を使用して、厳密な p 値を計算します。これは、標本サイズが 400 未満の場合の既定値です。
'approximate'正規近似[1]を使用して p 値を計算します。これは、標本サイズが 400 以上の場合の既定値です。

例: 'Method','exact'

評価する対立仮説のタイプ。'Tail' と以下のいずれかで構成される、コンマ区切りのペアとして指定します。

'both'残差間の自己相関は 0 ではないという対立仮説を検定します。
'right'残差間の自己相関が 0 を超えるという対立仮説を検定します。
'left'残差間の自己相関が 0 未満であるという対立仮説を検定します。

例: 'Tail','right'

出力引数

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検定の p 値。[0,1] の範囲のスカラー値として返されます。p は、帰無仮説に基づく観測値と同様に、極端な検定統計量、またはより極端な検定統計量が観測される確率です。p の値が小さい場合、帰無仮説の妥当性に問題がある可能性があります。

仮説検定の検定統計量。非負のスカラー値として返されます。

詳細

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ダービン・ワトソン検定

ダービン・ワトソン検定は、時系列データの線形回帰残差は無相関であるという帰無仮説を、自己相関があるという対立仮説に対して検定します。

ダービン・ワトソン検定の検定統計量は次のようになります。

DW=i=1n1(ri+1ri)2i=1nri2,

ここで、ri は i 番目の生の残差、n は観測値の個数です。

ダービン・ワトソン検定の p 値は帰無仮説に基づく観測値と同様に極端な検定統計量またはより極端な統計量が観測される確率です。非常に小さい p 値は、帰無仮説の妥当性が疑わしく、残差間に自己相関があることを示します。

代替機能

  • fitlm または stepwiselm を使用して線形回帰モデル オブジェクトを作成し、オブジェクト関数 dwtest を使用してダービン・ワトソン検定を実行できます。

    LinearModel オブジェクトには、当てはめた線形回帰モデルを調べるためのオブジェクト プロパティおよびオブジェクト関数があります。オブジェクト プロパティには、係数推定値、要約統計量、近似法および入力データに関する情報が含まれています。オブジェクト関数を使用して、応答の予測と、線形回帰モデルの修正、評価および可視化を行います。

参照

[1] Durbin, J., and G. S. Watson. "Testing for Serial Correlation in Least Squares Regression I." Biometrika 37, pp. 409–428, 1950.

[2] Farebrother, R. W. Pan's "Procedure for the Tail Probabilities of the Durbin-Watson Statistic." Applied Statistics 29, pp. 224–227, 1980.

バージョン履歴

R2006a で導入

参考

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