Park Transform
abc から dq0 への変換を実装
ライブラリ:
Simscape /
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Mathematical Transforms
説明
Park Transform ブロックは、abc 基準座標系における三相システムの時間領域成分を回転基準座標系の直軸、横軸、ゼロの各成分に変換します。このブロックでは、不変バージョンの Park 変換を実装することで、有効電力と無効電力を abc 基準座標系におけるシステムの電力と同じに保持できます。平衡システムの場合、ゼロ成分はゼロに等しくなります。
このブロックでは、三相システムの a 軸を時間 t = 0 において回転基準座標系の d 軸または q 軸のいずれかに揃えるように構成できます。次の図は、abc 基準座標系と回転 dq0 基準座標系における固定子巻線の磁気軸の向きを示しています。
a 軸と q 軸が最初に揃っています。
a 軸と d 軸が最初に揃っています。
どちらの場合も、角度は θ = ωt です。
θ は、q 軸に揃える場合は a 軸と q 軸の間の角度、d 軸に揃える場合は a 軸と d 軸の間の角度です。
ω は、d-q 基準座標系の回転速度です。
t は、最初の配置からの時間 (秒数) です。
次の図は、同等の平衡な abc と dq0 の各成分の時間応答を示しています。
a 相のベクトルを q 軸に揃える
a 相のベクトルを d 軸に揃える
方程式
Park Transform ブロックは、a 相を q 軸に揃える変換を次のように実装します。
ここで、
a、b、および c は、abc 基準座標系における三相システムの成分です。
d と q は、回転基準座標系における 2 軸システムの成分です。
0 は、静止基準座標系における 2 軸システムのゼロ成分です。
パワー不変の a 相を q 軸に揃える場合は、ブロックは次の方程式を使用して変換を実装します。
a 相を d 軸に揃える場合は、ブロックは次の方程式を使用して変換を実装します。
パワー不変の a 相を d 軸に揃える場合は、ブロックは次のように実装します。
例
電気エンジン動力計
この例では、電気自動車の動力計テストをモデル化する方法を説明します。テスト環境には、機械シャフトを介して背面合わせに連結された非同期機 (ASM) と埋込永久磁石同期機 (IPMSM) が含まれています。高圧バッテリーから、制御された三相コンバーターを通して両方のマシンに電力が供給されます。164 kW ASM が負荷トルクを生成します。35 kW IPMSM がテスト対象の電気機です。Control Machine Under Test (IPMSM) サブシステムは、IPMSM のトルクを制御します。コントローラーにはマルチレートの PI ベース制御構造が含まれています。開ループのトルク制御のレートは、閉ループの電流制御のレートより遅くなっています。コントローラーのタスク スケジューリングは、Stateflow® ステート マシンとして実装されます。Control Load Machine (ASM) サブシステムは、シングル レートを使用して ASM の速度を制御します。Visualization サブシステムには、シミュレーション結果を確認できるスコープが含まれています。
48 V 始動発電機のエネルギー バランス
この例では、単純化された 48 V の車載システムにおいて始動機/発電機として使用される埋込永久磁石同期機 (IPMSM) を説明します。このシステムには、48 V の電気回路網と 12 V の電気回路網が含まれています。内燃エンジン (ICE) は、基本的な機械ブロックで表されます。IPMSM は、ICE がアイドリング速度に達するまでモーターとして動作し、その後は発電機として動作します。IPMSM は、R3 の電力消費源を含む 48 V 回路網に電力を供給します。48 V 回路網は次の 2 つの消費源を含む 12 V 回路網に電力を供給します。R1 および R2。合計シミュレーション時間 (t) は 0.5 秒です。t = 0.05 秒で ICE が始動します。t = 0.1 秒で R3 がオンになります。t = 0.3 秒で R2 がオンになり、12 V 電気回路網の負荷が増加します。EM Controller サブシステムには、外側の電圧制御ループと内側の 2 つの電流制御ループをもつ、マルチレートの PI ベース カスケード制御構造が含まれています。Control サブシステムのタスク スケジューリングは、Stateflow® のステート マシンとして実装されます。DCDC Controller サブシステムは、12 V 回路網に電力を供給する DC-DC 降圧コンバーター用の単純な PI コントローラーを実装します。Scopes サブシステムには、シミュレーション結果を確認できるスコープが含まれています。
HESM トルク制御
この例では、ハイブリッド励磁同期機 (HESM) をベースとする電気牽引駆動装置において、トルクを制御する方法を説明します。永久磁石および励磁巻線が HESM を励磁します。高電圧バッテリーは、制御された固定子巻線用三相コンバーターと制御された回転子巻線用 4 象限チョッパーを通して SM に電力を供給します。理想的な角速度源が負荷を提供します。Control サブシステムは、トルク制御に開ループ アプローチを使用し、電流制御に閉ループ アプローチを使用します。各サンプル瞬時において、トルク要求は関連する指令電流に変換されます。電流制御は PI ベースです。シミュレーションでは、モーター モードと発電機モードの両方で、複数のトルク ステップを使用します。Visualization サブシステムには、シミュレーション結果を確認できるスコープが含まれています。
HESM の速度制御
この例では、ハイブリッド励磁同期機 (HESM) をベースとする電気牽引駆動装置において、回転子の角速度を制御する方法を説明します。永久磁石および励磁巻線が HESM を励磁します。高電圧バッテリーは、制御された固定子巻線用三相コンバーターと制御された回転子巻線用 4 象限チョッパーを通して HESM に電力を供給します。理想的なトルク源が負荷を提供します。Control サブシステムには、マルチレートの PI ベース カスケード制御構造が含まれています。制御構造には、外側に 1 つの角速度制御ループがあり、内側に 3 つの電流制御ループがあります。Visualization サブシステムには、シミュレーション結果を確認できるスコープが含まれています。
IPMSG の電圧安定化
この例では、埋込永久磁石同期発電機 (IPMSG) をベースとしたハイブリッド電気自動車 (HEV) 用低電圧発電機システムを制御する方法を説明します。Control サブシステムには、外側の電圧制御ループと内側の 2 つの電流制御ループをもつ、マルチレートの PI ベース カスケード制御構造が含まれています。Control サブシステムのタスク スケジューリングは、Stateflow® のステート マシンとして実装されます。Scopes サブシステムには、シミュレーション結果を確認できるスコープが含まれています。内燃エンジンを表す理想的な角速度源が IPMSG を駆動します。IPMSG は、負荷 R1 および R2 に低電圧電力を供給します。t = 0.4 秒で、スイッチが閉じ、負荷が増加します。
並列 HEV における IPMSM トルク制御
この例では、単純化された並列ハイブリッド電気自動車 (HEV) を説明します。埋込永久磁石同期機 (IPMSM) と内燃エンジン (ICE) が車両に推進力を与えます。IPMSM は、モーター モードと発電機モードの両方で動作します。車両のトランスミッションと差動装置は、ギア減速比の固定されたモデルを使用して実装されています。Vehicle Controller サブシステムは、運転者の入力をトルク指令に変換します。車両制御の手法は、Stateflow® のステート マシンとして実装されます。ICE Controller サブシステムは内燃エンジンのトルクを制御します。Drive Controller サブシステムは IPMSM のトルクを制御します。Scopes サブシステムには、シミュレーション結果を確認できるスコープが含まれています。
直列 HEV における IPMSM トルク制御
この例では、単純化された直列ハイブリッド電気自動車 (HEV) を推進する埋込永久磁石同期機 (IPMSM) を説明します。高電圧バッテリーに接続された理想的な DCDC コンバーターは、制御された三相コンバーターを通して IPMSM に電力を供給します。内燃エンジン駆動の発電機により高電圧バッテリーが充電されます。車両のトランスミッションと差動装置は、ギア減速比の固定されたモデルを使用して実装されています。Vehicle Controller サブシステムは、運転者の入力を、IPMSM と発電機用の関連指令値に変換します。Drive Controller サブシステムは IPMSM のトルクを制御します。コントローラーにはマルチレートの PI ベース制御構造が含まれています。開ループのトルク制御のレートは、閉ループの電流制御のレートより遅くなっています。コントローラーのタスク スケジューリングは、Stateflow® ステート マシンとして実装されます。Scopes サブシステムには、シミュレーション結果を確認できるスコープが含まれています。
直並列 HEV における IPMSM トルク制御
この例では、単純化された直並列ハイブリッド電気自動車 (HEV) を説明します。埋込永久磁石同期機 (IPMSM) と内燃エンジン (ICE) が車両に推進力を与えます。ICE はまた運転中に、発電機を使用して高電圧バッテリーの再充電も行います。車両のトランスミッションと差動装置は、ギア減速比の固定されたモデルを使用して実装されています。Vehicle Controller サブシステムは、運転者の入力をトルク指令に変換します。車両制御の手法は、Stateflow® のステート マシンとして実装されます。ICE Controller サブシステムは内燃エンジンのトルクを制御します。Generator Controller サブシステムは発電機のトルクを制御します。Drive Controller サブシステムは IPMSM のトルクを制御します。Scopes サブシステムには、シミュレーション結果を確認できるスコープが含まれています。
車軸駆動 EV における IPMSM トルク制御
この例では、単純化された車軸駆動電気自動車を推進する埋込永久磁石同期機 (IPMSM) を説明します。高圧バッテリーは、制御された三相コンバーターを通して IPMSM に電力を供給します。IPMSM は、モーター モードと発電機モードの両方で動作します。車両のトランスミッションと差動装置は、ギア減速比の固定されたモデルを使用して実装されています。Vehicle Controller サブシステムは、運転者の入力を、関連するトルク指令に変換します。Drive Controller サブシステムは IPMSM のトルクを制御します。コントローラーにはマルチレートの PI ベース制御構造が含まれています。開ループのトルク制御のレートは、閉ループの電流制御のレートより遅くなっています。コントローラーのタスク スケジューリングは、Stateflow® ステート マシンとして実装されます。Scopes サブシステムには、シミュレーション結果を確認できるスコープが含まれています。
IPMSM の速度制御
この例では、埋込永久磁石同期機 (IPMSM) をベースとする自動車の電気牽引駆動装置において、回転子の角速度を制御する方法を説明します。高圧バッテリーは、制御された三相コンバーターを通して IPMSM に電力を供給します。IPMSM は、負荷に応じてモーター モードと発電機モードの両方で動作します。理想的なトルク源が負荷を提供します。Scopes サブシステムには、シミュレーション結果を確認できるスコープが含まれています。Control サブシステムには、外側の角速度制御ループと内側の 2 つの電流制御ループをもつ、マルチレートの PI ベース カスケード制御構造が含まれています。Control サブシステムのタスク スケジューリングは、Stateflow® のステート マシンとして実装されます。1 秒間のシミュレーション中、角速度要求は 0 rpm、500 rpm、2000 rpm、3000 rpm になります。
SM トルク制御
この例では、同期機 (SM) をベースとする電気牽引駆動装置において、トルクを制御する方法を説明します。高電圧バッテリーは、制御された固定子巻線用三相コンバーターと制御された回転子巻線用 4 象限チョッパーを通して SM に電力を供給します。理想的な角速度源が負荷を提供します。Control サブシステムは、トルク制御に開ループ アプローチを使用し、電流制御に閉ループ アプローチを使用します。各サンプル瞬時において、トルク要求は関連する指令電流に変換されます。電流制御は PI ベースです。シミュレーションでは、モーター モードと発電機モードの両方で、複数のトルク ステップを使用します。タスク スケジューリングは Stateflow® ステート マシンとして実装されます。Visualization サブシステムには、シミュレーション結果を確認できるスコープが含まれています。
SM の速度制御
この例では、同期機 (SM) をベースとする電気牽引駆動装置において、回転子の角速度を制御する方法を説明します。高電圧バッテリーは、制御された固定子巻線用三相コンバーターと制御された回転子巻線用 4 象限チョッパーを通して SM に電力を供給します。理想的なトルク源が負荷を提供します。Control サブシステムには、外側の角速度制御ループと内側の 3 つの電流制御ループをもつ、マルチレートの PI ベース カスケード制御構造が含まれています。Control サブシステムのタスク スケジューリングは、Stateflow® のステート マシンとして実装されます。Visualization サブシステムには、シミュレーション結果を確認できるスコープが含まれています。
スイッチト リラクタンス機の速度制御
この例では、スイッチト リラクタンス機 (SRM) をベースとする電気駆動装置において、回転子の速度を制御する方法を説明します。DC 電圧源は、制御された 3 アーム ブリッジを通して SRM に電力を供給します。コンバーターの点弧角と消弧角は一定に保たれます。
同期リラクタンス機の速度制御
この例では、同期リラクタンス機 (SynRM) をベースとする電気駆動装置において、回転子の角速度を制御する方法を説明します。高電圧バッテリーは、制御された三相コンバーターを通して SynRM に電力を供給します。理想的なトルク源が負荷を提供します。Control サブシステムには、マルチレートの PI ベース カスケード制御構造が含まれています。制御構造には、外側に 1 つの角速度制限ループがあり、内側に 2 つの電流制御ループがあります。Visualization サブシステムには、シミュレーション結果を確認できるスコープが含まれています。
センサー制御を使用した三相非同期ドライブ
この例では、センサー付き回転子ベクトル制御を使用して非同期機 (ASM) の操作の制御と解析を行う方法を説明します。このモデルには、メインの電気回路に加えて、制御、測定、スコープを含む 3 つの付加的サブシステムが表示されています。Controls サブシステムには 2 つのコントローラーが含まれています。1 つは送電系統側コンバーター (AC/DC) 用で、1 つはマシン側コンバーター (DC/AC) 用です。Scopes サブシステムには 2 つの時間スコープが含まれています。1 つは送電系統側コンバーター用で、1 つは ASM 用です。モデルが実行されるとスペクトル アナライザーが開き、A 相供給電流の周波数データが表示されます。
センサーなし制御を使用した三相非同期ドライブ
この例では、センサーなし回転子ベクトル制御を使用して非同期機 (ASM) の操作の制御と解析を行う方法を説明します。このモデルには、メインの電気回路に加えて、制御、測定、スコープを含む 3 つの付加的サブシステムが表示されています。Controls サブシステムには 2 つのコントローラーが含まれています。1 つは送電系統側コンバーター (AC/DC) 用で、1 つはマシン側コンバーター (DC/AC) 用です。Scopes サブシステムには 2 つの時間スコープが含まれています。1 つは送電系統側コンバーター用で、1 つは ASM 用です。モデルが実行されるとスペクトル アナライザーが開き、A 相供給電流の周波数データが表示されます。
三相 PMSM 駆動
この例では、Y 結線およびデルタ結線構成内の永久磁石同期機 (PMSM) と、一般的なハイブリッド車両用にサイズ設定されたインバーターを説明します。インバーターは車両バッテリーに直接接続されていますが、中間に DC-DC コンバーター段階を実装することもできます。このモデルを使用すると、望ましい性能を達成するためのアーキテクチャとゲインを選択することにより、PMSM コントローラーを設計できます。IGBT をオンまたはオフにするタイミングをチェックするために、IGBT デバイスをより詳細な N-Channel IGBT ブロックに置き換えることができます。車両全体のモデル化には、Motor & Drive (System Level) ブロックを使用して、PMSM、インバーター、およびコントローラーを、エネルギーベースのモデルで抽象化することができます。Gmin 抵抗は、非常に小さなコンダクタンスを接地に与え、可変ステップ ソルバーを使用する場合にモデルの数値的な特性を改善します。
端子
入力
abc — a 相、b 相、および c 相の成分
ベクトル
abc 基準座標系における三相システムの成分。
データ型: single
| double
θabc — 回転角度
スカラー | ラジアン単位
回転基準座標系の角度位置。このパラメーターの値は、abc 基準座標系の a 相から dq0 基準座標系の最初に揃っている軸への極距離に等しくなります。
データ型: single
| double
出力
dq0 — d-q 軸成分とゼロ成分
ベクトル
回転基準座標系におけるシステムの直軸成分、横軸成分、およびゼロ成分。
データ型: single
| double
パラメーター
パワー不変 — パワー不変変換
オフ (既定値) | オン
abc 基準座標系の有効電力と無効電力を保持するオプション。
A 相の軸配置 — dq0 基準座標系の配置
Q 軸
(既定値) | D 軸
abc 基準座標系の a 相のベクトルを回転基準座標系の d 軸または q 軸に揃えます。
参照
[1] Krause, P., O. Wasynczuk, S. D. Sudhoff, and S. Pekarek. Analysis of Electric Machinery and Drive Systems. Piscatawy, NJ: Wiley-IEEE Press, 2013.
拡張機能
C/C++ コード生成
Simulink® Coder™ を使用して C および C++ コードを生成します。
バージョン履歴
R2017b で導入
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