モデルメトリクス

モデルメトリクスはモデルを解析し、サイズ、アーキテクチャ、可読性、および標準への準拠についてモデルを評価できるようにします。Simulink^® Check™ には、以下のメトリクスタイプのメトリクスが用意されています。

メトリクスダッシュボードを使用することで、モデルメトリクスを収集および表示して、プロジェクト品質ステータスの評価を得ることができます。詳細については、メトリクスダッシュボードを使用したメトリクスデータの収集と確認を参照してください。

モデルメトリクス API を使用して、モデルメトリクスをプログラムによって実行し、結果をファイルにエクスポートできます。詳細については、プログラムによるモデルメトリクスの収集を参照してください。

また、会社のガイドラインおよび標準について、モデルメトリクス API を使用して独自のモデルメトリクスを作成して計算し、メトリクスデータをエクスポートすることもできます。詳細については、非バーチャルブロックをカウントするカスタムモデルメトリクスの作成を参照してください。モデルアドバイザーチェック用のカスタムメトリクスを作成することもできます。詳細については、Change Model Advisor Checks in Metrics Dashboardを参照してください。

メトリクスエンジンで利用可能なメトリクスのメトリクス ID を取得するには、slmetric.metric.getAvailableMetrics を使用します。

availableMetricIDs = slmetric.metric.getAvailableMetrics()

slmetric.metric.getAvailableMetrics() は、カスタムメトリクスも含め、メトリクスエンジンで利用可能なメトリクスを返します。ダッシュボードをカスタマイズするためにカスタムメトリクスを構成して使用する方法の詳細については、メトリクスダッシュボードのレイアウトおよび機能のカスタマイズを参照してください。

サイズメトリクス

モデルまたはサブシステムのメトリクスデータを収集するには、以下のメトリクスを実行します。

メトリクス	説明
Simulink ブロックメトリクス	モデル内のブロックの数を計算する。
サブシステムのメトリクス	モデル内のサブシステムの数を計算する。
ライブラリリンクのメトリクス	モデル内のライブラリにリンクされたブロックの数を計算する。
MATLAB コードの有効行数のメトリクス	MATLAB^® コードの有効行数を計算する。
Stateflow チャートオブジェクトのメトリクス	Stateflow^® オブジェクトの数を計算する。
Stateflow ブロックメトリクスのコード行数	モデル内の以下の Stateflow ブロックのコードの行数を計算する。 Chart (Stateflow) (遷移および内部ステートのコードをカウントする) State Transition Table (Stateflow) ブロック Truth Table (Stateflow) ブロック
サブシステムの深さのメトリクス	モデルのサブシステムの深さを計算する。
入出力メトリクス	モデルの入力と出力の数を計算する。
明示的な入出力メトリクス	モデルの入力と出力の数を計算する。
ファイルメトリクス	モデルファイルおよびライブラリファイルの数を計算する。
MATLAB Function のメトリクス	モデル内の MATLAB Function ブロックの数を計算する。
モデルファイル数	モデルファイルの数を計算する。
パラメーターメトリクス	モデルの動作をパラメータ化するデータオブジェクトのインスタンスの数を計算する。
Stateflow チャートのメトリクス	モデル内の Stateflow チャートの数を計算する。

モデルメトリクスの詳細については、モデルとテストメトリクスの収集を参照してください。

アーキテクチャメトリクス

モデルまたはサブシステムのアーキテクチャの詳細を確認するには、以下のメトリクスを実行します。

メトリクス	説明
循環的複雑度のメトリクス	モデルの循環的複雑度を計算する。
クローンの内容のメトリクス	クローンであるサブコンポーネントの合計数の割合を計算する。
クローン検出のメトリクス	モデルの階層構造全体でコンポーネント内のクローンの数を計算する。
ライブラリの内容のメトリクス	リンクされているライブラリブロックであるコンポーネントの合計数の割合を計算する。

モデルメトリクスの詳細については、モデルとテストメトリクスの収集を参照してください。

準拠メトリクス

モデルまたはサブシステムが標準およびガイドラインに準拠しているかどうかを判別するには、以下のメトリクスの 1 つ以上を実行します。

メトリクス	説明
MATLAB コードアナライザーの警告	モデル内の MATLAB コードブロックの警告を判別する。
診断の警告のメトリクス	レポートされた診断の警告の数を計算する。
高信頼性システムのモデルアドバイザーチェックでの準拠	モデルアドバイザーの DO-178C/DO-331 標準における、モデルでパスしたチェックの割合を返す。
MAB のモデリング標準のモデルアドバイザーチェックでの準拠	モデルアドバイザーの MAB 標準における、モデルでパスしたチェックの割合を返す。
高信頼性システムのモデルアドバイザーチェックでの問題	モデルアドバイザーの DO-178C/DO-331 標準での問題の数をレポートする。
MAB 標準のモデルアドバイザーチェックでの問題	モデルアドバイザーの MAAB 標準での問題の数をレポートする。

モデルアドバイザー構成で準拠および問題のメトリクスデータを取得する準拠メトリクスの詳細については、モデルアドバイザー構成の準拠メトリクスを参照してください。

モデルメトリクスの詳細については、モデルとテストメトリクスの収集を参照してください。

可読性メトリクス

モデルまたはサブシステムの可読性を判別するには、以下のメトリクスを実行します。

メトリクス	説明
説明的ではないブロック名のメトリクス	説明的ではない Inport、Outport、および Subsystem ブロック名を判別する。
データと構造体レイヤーの分離のメトリクス	データと構造体レイヤーの分離を計算する。

モデルメトリクスの詳細については、モデルとテストメトリクスの収集を参照してください。

モデルアドバイザー構成の準拠メトリクス

メトリクスダッシュボードおよびメトリクス API では、モデルアドバイザー構成の、または MISRA チェックなどの既存のチェックグループの準拠および問題のメトリクスデータを取得できます。独自のモデルアドバイザー構成を設定するには、モデルアドバイザー構成エディターを使用したモデルアドバイザーのカスタマイズを参照してください。

カスタムモデルアドバイザーメトリクスのメトリクス ID を作成して、モデルアドバイザーの準拠メトリクスおよびモデルアドバイザーの準拠問題メトリクスを構成できます。詳細については、Change Model Advisor Checks in Metrics Dashboardを参照してください。

モデルアドバイザーの準拠メトリクス

メトリクスタイプ:準拠

ファミリ ID: mathworks.metrics.ModelAdvisorCheckCompliance

メトリクス ID: <ファミリ ID>.<モデルアドバイザーの "チェックグループ ID">

選択したチェックグループにおいてパスしたモデルアドバイザーチェックの割合を計算するには、このメトリクスを使用します。

モデルアドバイザーの準拠メトリクスでは、"ファミリ ID" は mathworks.metrics.ModelAdvisorCheckCompliance です。

モデルアドバイザーの [チェックグループ ID] を取得するには、モデルアドバイザー構成エディターを開いて、目的のチェックのグループが含まれるフォルダーを選択します。[チェックグループ ID] は [情報] タブに表示されます。モデルアドバイザー構成エディターの詳細については、モデルアドバイザー構成エディターを使用したモデルアドバイザーのカスタマイズを参照してください。

モデルアドバイザーの準拠メトリクスを使用する方法の例については、Change Model Advisor Checks in Metrics Dashboardを参照してください。

モデルアドバイザーの準拠問題メトリクス

メトリクスタイプ:準拠

ファミリ ID: mathworks.metrics.ModelAdvisorCheckIssues

メトリクス ID: <ファミリ ID>.<モデルアドバイザーの "チェックグループ ID">

モデルアドバイザーチェックの選択したグループでレポートされた問題の数を計算するには、このメトリクスを使用します。このメトリクスは、モデルアドバイザーチェックの選択したグループにおける、警告または失敗を生成する各モデルアドバイザーチェックをカウントします。

モデルアドバイザーの準拠問題メトリクスでは、"ファミリ ID" は mathworks.metrics.ModelAdvisorCheckIssues です。

モデルアドバイザーの準拠メトリクスを使用する方法の例については、Change Model Advisor Checks in Metrics Dashboardを参照してください。