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伝播が継承サンプル時間に影響を与える方法

モデルを更新するとき (シミュレーションの開始時など)、Simulink® はサンプル時間の伝播と呼ばれるプロセスを使用して、サンプル時間を継承するブロックのサンプル時間を決定します。以下の図は、Gain ブロックを駆動している、サンプル時間の周期 Ts をもつ Discrete Filterブロックを示しています。

Gain ブロックの出力は入力の定数倍なので、出力はフィルターと同じレートで変化します。言い換えると、Gain ブロックは、フィルターのサンプルレートと等しい有効なサンプルレートをもちます。このような有効なレートの確立は、Simulink におけるサンプル時間の伝播の背後にある基本的なメカニズムです。

サンプル時間の伝播プロセス

Simulink は次の基本的なプロセスを使用して、サンプル時間をブロックに割り当てます。サンプル時間はこれらのブロックにより継承されます。

  1. 既知のサンプル時間情報を前方向に伝播します。

  2. 既知のサンプル時間情報を後ろ方向に伝播します。

  3. 追加のサンプル時間を決定するための一連のヒューリスティックを適用します。

  4. すべてのサンプル時間が決定されるまで操作を繰り返します。

サンプル時間を割り当てるための Simulink のルール

ブロックベースのサンプル時間をもつブロックは、その入力に接続されているブロックのサンプル時間に基づき、また次のルールに従って、サンプル時間を継承します。

ルール動作
すべての入力が同じサンプル時間で、ブロックがそのサンプル時間を受け入れることができる場合Simulink はサンプル時間をブロックに割り当てます。
異なる離散サンプル時間の入力があり、すべての入力サンプル時間が最速の入力サンプル時間の整数倍である場合Simulink は最速の入力のサンプル時間をブロックに割り当てます (この割り当てでは、ブロックが最速のサンプル時間を受け入れ可能であることが前提となります)。
異なる離散サンプル時間の入力があり、一部の入力サンプル時間が最速のサンプル時間の整数倍ではなく、モデルが可変ステップ ソルバーを使用している場合Simulink は固定マイナー ステップのサンプル時間をブロックに割り当てます。
異なる離散サンプル時間の入力があり、一部の入力サンプル時間が最速のサンプル時間の整数倍ではなく、モデルが固定ステップ ソルバーを使用し、ブロックにもたらされるサンプル時間の最大公約数 (GCD) を Simulink が計算できる場合Simulink は GCD サンプル時間をブロックに割り当てます。それ以外の場合、Simulink はモデルの固定ステップ サイズをブロックに割り当てます。
一部の入力のサンプル時間が不明であるか、ブロックがサンプル時間を受け入れられない場合Simulink は一連のヒューリスティックに基づいてブロックのサンプル時間を決定します。

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