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基本グリッド ワールドでの強化学習エージェントの学習

この例では、Q 学習エージェントと SARSA エージェントに学習させることにより、強化学習を使用してグリッド ワールド環境を解決する方法を示します。これらのエージェントの詳細については、Q 学習エージェントおよびSARSA Agentを参照してください。

このグリッド ワールド環境は次の構成とルールをもちます。

  1. 境界線で囲まれた 5 行 5 列のグリッド ワールド。4 つのアクション (北 = 1、南 = 2、東 = 3、西 = 4) が可能。

  2. エージェントはセル [2,1] (2 行目の 1 列目) から開始する。

  3. セル [5,5] (青) の終了状態に到達すると、エージェントは報酬 +10 を受け取る。

  4. 環境には、セル [2,4] からセル [4,4] への、+5 の報酬を伴う特別なジャンプが含まれる。

  5. エージェントは、障害物 (黒いセル) によってブロックされる。

  6. 他のすべてのアクションは報酬が -1 される。

グリッド ワールド環境の作成

基本グリッド ワールド環境を作成します。

env = rlPredefinedEnv("BasicGridWorld");

エージェントの初期状態が常に [2,1] になるように指定するには、エージェントの初期状態の状態番号を返すリセット関数を作成します。この関数は、各学習エピソードとシミュレーションの開始時に呼び出されます。状態には [1,1] の位置から番号が付けられます。最初の列を下に移動し、その後の各列を下に移動するにしたがって、状態番号が増加します。したがって、初期状態を 2 に設定する無名関数ハンドルを作成します。

env.ResetFcn = @() 2;

再現性をもたせるために、乱数発生器のシードを固定します。

rng(0);

Q 学習エージェントの作成

Q 学習エージェントを作成するには、まずグリッド ワールド環境からの観測仕様とアクション仕様を使用して Q テーブルを作成します。オプティマイザーの学習率を 0.01 に設定します。

qTable = rlTable(getObservationInfo(env), ...
    getActionInfo(env));

エージェント内で Q 値関数を近似するには、テーブルと環境情報を使用して rlQValueFunction 近似器オブジェクトを作成します。

qFcnAppx = rlQValueFunction(qTable, ...
    getObservationInfo(env), ...
    getActionInfo(env));

次に、Q 値関数を使用して Q 学習エージェントを作成します。

qAgent = rlQAgent(qFcnAppx);

ε-greedy 探索や関数近似器の学習率などのエージェント オプションを構成します。

qAgent.AgentOptions.EpsilonGreedyExploration.Epsilon = .04;
qAgent.AgentOptions.CriticOptimizerOptions.LearnRate = 0.01;

Q 学習エージェントの作成の詳細については、rlQAgentおよびrlQAgentOptionsを参照してください。

Q 学習エージェントの学習

エージェントに学習させるには、まず、学習オプションを指定します。この例では、次のオプションを使用します。

  • 最大 200 エピソード学習させる。各エピソードを最大 50 タイム ステップ持続するよう指定。

  • 連続する 30 個を超えるエピソードで 10 を超える平均累積報酬をエージェントが受け取ったときに学習を停止。

詳細については、rlTrainingOptionsを参照してください。

trainOpts = rlTrainingOptions;
trainOpts.MaxStepsPerEpisode = 50;
trainOpts.MaxEpisodes= 200;
trainOpts.StopTrainingCriteria = "AverageReward";
trainOpts.StopTrainingValue = 11;
trainOpts.ScoreAveragingWindowLength = 30;

関数trainを使用して Q 学習エージェントに学習させます。学習が完了するまでに数分かかる場合があります。この例の実行時間を節約するために、doTrainingfalse に設定して事前学習済みのエージェントを読み込みます。エージェントに学習させるには、doTrainingtrue に設定します。

doTraining = false;
if doTraining
    % Train the agent.
    trainingStats = train(qAgent,env,trainOpts);
else
    % Load the pretrained agent for the example.
    load("basicGWQAgent.mat","qAgent")
end

[強化学習の学習モニター] ウィンドウが開き、学習の進行状況が表示されます。

Q 学習の結果の検証

学習結果を検証するには、学習環境でエージェントをシミュレーションします。

シミュレーションを実行する前に、環境を可視化し、エージェントの状態のトレースが維持されるように可視化を構成します。

plot(env)
env.Model.Viewer.ShowTrace = true;
env.Model.Viewer.clearTrace;

関数simを使用して、環境内のエージェントをシミュレーションします。

sim(qAgent,env)

エージェントのトレースは、エージェントがセル [2,4] からセル [4,4] へのジャンプを正常に検出したことを示しています。

SARSA エージェントの作成と学習

SARSA エージェントを作成するには、Q 学習エージェントと同じ Q 値関数と ε-greedy 構成を使用します。SARSA エージェントの作成の詳細については、rlSARSAAgentおよびrlSARSAAgentOptionsを参照してください。

sarsaAgent = rlSARSAAgent(qFcnAppx);
sarsaAgent.AgentOptions.EpsilonGreedyExploration.Epsilon = .04;
sarsaAgent.AgentOptions.CriticOptimizerOptions.LearnRate = 0.01;

関数trainを使用して SARSA エージェントに学習させます。学習が完了するまでに数分かかる場合があります。この例の実行時間を節約するために、doTrainingfalse に設定して事前学習済みのエージェントを読み込みます。エージェントに学習させるには、doTrainingtrue に設定します。

doTraining = false;
if doTraining
    % Train the agent.
    trainingStats = train(sarsaAgent,env,trainOpts);
else
    % Load the pretrained agent for the example.
    load("basicGWSarsaAgent.mat","sarsaAgent")
end

SARSA の学習の検証

学習結果を検証するには、学習環境でエージェントをシミュレーションします。

plot(env)
env.Model.Viewer.ShowTrace = true;
env.Model.Viewer.clearTrace;

環境内のエージェントをシミュレーションします。

sim(sarsaAgent,env)

SARSA エージェントも、Q 学習エージェントと同じグリッド ワールドの解を見つけています。

参考

関数

オブジェクト

関連する例

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