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故障帯域に基づくスペクトルの特徴

回転機は、システムの高調波を反映するスペクトルを出力します。これらの高調波は、ギア比とベアリングのボール サイズなど、回転コンポーネント間の関係から生じます。ベアリングやギアの噛み合いコンポーネントの物理的特性が分かっている場合は、故障が起こり得るコンポーネントの特性周波数を特定できます。故障帯域は、これらの特性周波数の範囲を満たす周波数帯域です。周波数範囲全体でスペクトル メトリクスを計算するのではなく、アプリの解析を故障帯域内の周波数に集中させて、特定の機械的故障を示す、より焦点を絞った効果的な特徴を抽出することができます。

アプリには 3 タイプの故障帯域ベースのメトリクスが用意されています。

  • ベアリングの故障

  • ギアの噛み合いの故障

  • カスタムの故障

ベアリングまたはギアの噛み合いコンポーネントの物理パラメーターが分かっており、アプリでそれらのパラメーターから故障帯域を計算する場合は、[ベアリングの故障の特徴] および [ギアの噛み合いの故障の特徴] を使用します。故障帯域を直接に指定するには、[カスタムの故障の特徴] を使用します。これらオプションのいずれかを選択すると、パラメーターを指定するためのタブが開きます。[定常 (rpm)] または [Constant (Hz)] を使用して回転または基本周波数をそれぞれ指定すると、アプリは故障帯域のプレビューをスペクトル プロットに重ね合わせます。対応するタブでパラメーターを変更すると、アプリはプレビューを更新します。タブの [特徴] セクションで、対象とする特徴を選択できます。

[ベアリングの故障の特徴] タブと [ギアの噛み合いの故障の特徴] タブには、以下の表に示されるものと同様の仕様が含まれています。

タイプ回転物理パラメーター欠陥タイプ故障帯域設定特徴量
ベアリングの故障の特徴rpm 単位の回転

ベアリング パラメーター

  • ボール数

  • ボールとピッチの直径

  • 接触角

  • 外輪

  • 内輪

  • 転動体

  • ケージ

  • 高調波

  • 側波帯 (内輪、ボール)

  • 故障帯域幅

  • 故障帯域の折り返し

  • 生成される特徴の数

  • ピーク周波数

  • 帯域パワー

  • ピーク振幅

  • 合計帯域パワー

ギアの噛み合いの故障の特徴

ギアの噛み合いのパラメーター

  • 入力および出力の歯数

  • 入力シャフト

  • 出力シャフト

  • アセンブリ位相パス

  • ギアの噛み合い

  • 高調波

  • 側波帯 (入力ギア、出力ギア)

  • 故障帯域幅

  • 故障帯域の折り返し

  • 生成される特徴の数

[カスタムの故障の特徴] タブには、以下の表に示されている仕様が含まれています。

タイプ基本周波数故障帯域設定詳細設定特徴量
カスタムの故障の特徴Hz 単位の基本周波数
  • 高調波

  • 側波帯

  • 故障帯域幅

  • 側波帯分離

  • 側波帯分離タイプ (加法または乗法)

  • 故障帯域の折り返し

  • 生成される特徴の数

  • ピーク周波数

  • 帯域パワー

  • ピーク振幅

  • 合計帯域パワー

故障帯域メトリクスに使用されたパラメーターの詳細については、「スペクトル特徴の抽出」にあるライブ エディター タスクの説明を参照してください。アプリが使用するコマンドの詳細については、以下を参照してください。