制限付きオーバークロックによる最適化
制限付きオーバークロックを使用する理由
面積およびタイミングの最適化を指定することにより、設計の速度がアップサンプリングされることがあります。たとえば、リソース共有最適化を使用すると、コード ジェネレーターは、オーバークロック係数 (OCF) を使用して共有リソースをオーバークロックします。OCF は、共有可能なリソースの数、N
と、指定する [SharingFactor] すなわち SF
によって決まります。クロック レートが速い場合、オーバークロックによって設計クロック レートがターゲット ハードウェアの最高クロック レートを超えることがあります。オーバークロックを制約するには、[オーバーサンプリング係数] と共にクロックレート パイプラインを使用して、設計のオーバークロックに制約を設けます。
リソースをオーバークロックする最適化
面積および速度の最適化、特定のブロックの実装を指定することで、設計上のリソースがオーバークロックされます。たとえば、次の最適化と実装では設計で速度がアップサンプリングされる可能性があります。
RAM マッピング
ストリーミング
リソース共有
ループのストリーム
カスケード アーキテクチャ、Newton-Raphson アーキテクチャおよび一部のフィルター実装などの特定のブロック実装
制限付きオーバークロックの使用方法
面積と速度の最適化を使用する場合、oversampling
パラメーターを使用してオーバークロックに制約を指定できます。シングルレート設計が必要な場合は、これらのパラメーターを使用してオーバークロックを防止するか、オーバークロックを一定の範囲内に制限できます。
現時点ではターゲット ハードウェアに収まらない設計があると仮定します。既にターゲット デバイスの最大クロック周波数で実行しており、設計への入力は最大で N
サイクルに 1 回変化する可能性があると分かっているとします。この場合、リソース共有などの面積の最適化を有効にし、[オーバーサンプリング係数] を使用してシングルレート実装を指定できます。[コンフィギュレーション パラメーター] ダイアログ ボックスの [HDL コード生成] 、 [グローバル設定] ペインで、[オーバーサンプリング係数] を指定できます。
既定では、クロックレート パイプライン最適化が有効になっており、[オーバーサンプリング係数] と合わせて動作して、DUT サンプル時間を実際のクロック レートより遅くします。基本サンプル時間でモデルを設計した後、[オーバーサンプリング係数] を N
に設定できます。この設定により、HDL Coder™ による計算の実行時に最大 N サイクルのレイテンシを許可することができます。この場合、共有リソースをオーバークロックして共有の最適化を実装する代わりに、N サイクルの間、元のクロック レートで共有リソースを再利用できます。
制限付きオーバークロックの制限
[オーバーサンプリング係数] に 1
より大きい値を指定して制限付きオーバークロックを使用する場合、[クロックの入力] は [単一]
に設定されていなければなりません。