Fixed-Point Designer 入門
Fixed-Point Designer™ には、組み込みハードウェアの固定小数点と浮動小数点のアルゴリズムを最適化および実装するためのデータ型やツールが用意されています。これには、固定小数点データ型と浮動小数点データ型、およびターゲット固有の数値設定が含まれます。Fixed-Point Designer を使用すると、固定小数点に対してビットトゥルーであるターゲット対応のシミュレーションを実行できます。その後、設計をハードウェアに実装する前に、オーバーフローや桁落ちなどの量子化の影響をテストしてデバッグできます。
Fixed-Point Designer には、倍精度のアルゴリズムを解析し、精度を下げて浮動小数点または固定小数点に変換するためのアプリやツールが用意されています。最適化ツールを使用することで、数値精度要件やターゲット ハードウェア制約を満たすデータ型を選択できます。効率的な実装のために、計算量が多い設計の構成要素を圧縮されたルックアップ テーブルなどのハードウェアの最適なパターンに置き換えることができます。
固定小数点および浮動小数点の最適化されたモデルから C および HDL の量産コードを直接生成できます。
チュートリアル
- MATLAB における固定小数点データの作成
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オブジェクトのプロパティを調整して固定小数点データ型を作成する。 - 固定小数点演算の実行
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オブジェクトを使用してビットの成長とオーバーフローを制御する。 - 固定小数点 C コードの生成
MATLAB® Coder™ と Fixed-Point Designer を使用して固定小数点 C コードを生成します。 - MATLAB の浮動小数点アルゴリズムの固定小数点への手動変換
手動による固定小数点変換のベスト プラクティスを確認する。 - 固定小数点出力を使用したブロックの設定
固定小数点信号を出力する Simulink® ブロックを設定することで固定小数点モデルを作成する。 - Simulink モデルと MATLAB ソフトウェア間の固定小数点データの受け渡し
データを MATLAB から Simulink モデルにインポートし、固定小数点シミュレーション データをワークスペースに記録する。 - double から固定小数点へのキャスト
Fixed-Point Designer を使用してスケーリング、丸め、およびオーバーフローの処理を調整して、固定小数点データ型の連続信号をシミュレーションする。 - 浮動小数点モデルから固定小数点モデルへの変換
固定小数点ツールを使用して浮動小数点モデルを固定小数点モデルに変換する。
MATLAB ワークフロー
Simulink ワークフロー
固定小数点について
- 固定小数点ハードウェアの利点
固定小数点データ型でハードウェアを使用することによるメモリ、速度、およびコストの利点について説明する。
- 固定小数点データ型
固定小数点数がバイナリ ワードとしてどのように表現されるのかを学習する。
- 精度と範囲
Fixed-Point Designer を使用して丸め手法を選択してオーバーフローを処理する方法について説明する。
- スケーリング
2 進小数点のみのスケーリングおよび傾斜バイアス スケーリングを使用して固定小数点数がどのように表現されるかを理解する。
- 算術演算
固定小数点演算を実行するときに最良の結果が得られるようにデータ型とスケーリングを選択する。
- 物理量と測定スケール
固定小数点データ型で物理量を表す測定スケールを選択する。