メインコンテンツ

Colored Noise

カラード ノイズ信号の生成

  • Colored Noise block

ライブラリ:
DSP System Toolbox / Sources

説明

Colored Noise ブロックは、周波数範囲全体で 1/|f|α のパワー スペクトル密度をもつカラード ノイズ信号を生成します。逆パワー スペクトル密度成分 α は、区間 [-2 2] 内の任意の値を取ることができます。ブロックが生成するカラード ノイズのタイプは、ブロック ダイアログ ボックスで選択した [ノイズ カラー] オプションによって異なります。[ノイズ カラー][カスタム] に設定すると、[周波数の逆べき乗] パラメーターでノイズのパワー密度を指定できます。

すべて展開する

Colored Noise ブロックから 2 チャネルのピンク ノイズを生成し、50 個の PSD 推定値のランニング平均に基づいてパワー スペクトルを計算します。

Colored Noise ブロックは、2 チャネルのピンク ノイズを 1024 サンプルで生成します。Spectrum Analyzer は、ハミング ウィンドウと 50% のオーバーラップを使用して修正ピリオドグラムを計算します。PSD のランニング平均には 50 個のスペクトル平均が使用されます。

端子

出力

すべて展開する

カラード ノイズ出力信号。信号のサイズとデータ型は、[出力チャネル数][出力チャネルあたりのサンプル数]、および [出力データ型] の各パラメーターの値によって異なります。

データ型: single | double

パラメーター

すべて展開する

ブロックが生成するノイズの色。このパラメーターは以下のように設定できます。

  • ピンク — ピンク ノイズを生成します。このオプションは、[周波数の逆べき乗]1 に設定することと同じです。

  • — ホワイト ノイズ (平坦なパワー スペクトル密度) を生成します。このオプションは、[周波数の逆べき乗]0 に設定することと同じです。

  • 茶色 — ブラウン ノイズを生成します。レッド ノイズまたはブラウニアン ノイズとも呼ばれます。このオプションは、[周波数の逆べき乗]2 に設定することと同じです。

  • — ブルー ノイズを生成します。アジュール ノイズとも呼ばれます。このオプションは、[周波数の逆べき乗]-1 に設定することと同じです。

  • — バイオレット (パープル) ノイズを生成します。このオプションは、[周波数の逆べき乗]-2 に設定することと同じです。

  • カスタム[周波数の逆べき乗] パラメーターを使用してノイズのパワー密度を指定します。

逆パワー スペクトル密度成分 α。区間 [-2 2] 内の実数値スカラーとして指定します。逆指数は、1/|f|α によってランダム過程のパワー スペクトル密度を定義します。このプロパティの既定値は 1 です。[周波数の逆べき乗]0 より大きい場合、ブロックは f= 0 で特異性 (極) をもつローパス ノイズを生成します。これらの過程では長期記憶性が見られます。[周波数の逆べき乗]0 未満の場合、ブロックは負の相関があるインクリメントをもつハイパス ノイズを生成します。これらのプロセスは反持続的と呼ばれます。周波数関数としてのパワーの両対数プロットでは、Colored Noise ブロックによって生成されたプロセスは、傾斜が –α に等しい線形関係の近似を示します。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[ノイズ カラー][カスタム] に設定します。

パラメーターを選択すると、出力範囲が +1 ~ -1 になります。

パラメーターを選択すると、ノイズを生成する内部ランダム ソースが一様になります。[ノイズ カラー][白] に設定されている場合、ランダム ソースの出力にカラー フィルターは適用されません。出力は、振幅が +1 ~ -1 の一様なノイズになります。[ノイズ カラー] が他のオプションに設定されている場合、カラー フィルターがランダム ソースの出力に適用され、その後、絶対最大出力が 1 を超えないことを確実にするゲインが適用されます。

パラメーターを選択しない場合、内部ランダム ソースはガウス型になります。出力の制限がなくなります。

出力チャネル数。正の整数スカラーとして指定します。このパラメーターは、生成される信号の列数を定義します。

出力データ型。[double] または [single] として指定します。

出力信号の各フレームのサンプル数。正の整数スカラーとして指定します。このパラメーターは、生成される信号の行数を定義します。

出力信号のサンプル時間。秒単位で、正のスカラーとして指定します。

乱数生成器のアルゴリズムの初期シード。実数値の正の整数スカラーとして指定します。

実行するシミュレーションのタイプを指定します。このパラメーターは以下のように設定できます。

  • インタープリター型実行 –– MATLAB® インタープリターを使用してモデルをシミュレートします。このオプションで起動時間が短くなります。

  • コード生成 –– 生成された C コードを使用してモデルをシミュレートします。シミュレーションの初回実行時、Simulink® は対象ブロックの C コードを生成します。この C コードは、モデルが変更されない限り以降のシミュレーションで再利用されます。このオプションでは起動に時間がかかりますが、その後のシミュレーションは速くなります。

ブロックの特性

データ型

double | single

多次元信号

いいえ

可変サイズの信号

いいえ

詳細

すべて展開する

アルゴリズム

次の図に、カラード ノイズを生成する全体的なプロセスを示します。

乱数ストリーム ジェネレーターは、ガウス分布または一様分布に従うホワイト ノイズのストリームを生成します。ホワイト ノイズに適用されるカラー フィルターは、次のようなパワー スペクトル密度 (PSD) 関数に従うカラード ノイズを生成します。

S(f)=L(f)|f|α

α (周波数の逆べき乗) が 0 に等しい場合、カラー フィルターは乱数ストリーム ジェネレーターの出力に適用されません。範囲のオプションが有効になっている場合、出力は振幅が +1 と -1 の間にある一様なホワイト ノイズになります。範囲のオプションが有効になっていない場合、出力はガウス型のホワイト ノイズになり、値は +1 と -1 の間に制限されません。α が他の値に設定されている場合、カラー フィルターが乱数ストリーム ジェネレーターの出力に適用されます。範囲のオプションが有効になっている場合、絶対最大出力が 1 を超えないように、ゲイン g がカラー フィルターの出力に適用されます。

カラード ノイズ過程の詳細と、α の値がカラード ノイズの PSD にどのような影響を与えるかについては、カラード ノイズ過程を参照してください。

周波数の逆べき乗 α が正である場合、カラード ノイズは次数 63 の自己回帰 (AR) モデルを使用して生成されます。AR の係数は、次のようになります。

a0=1,ak=(k1α2)ak1k,k=1,2,,63

ピンク ノイズとブラウン ノイズは特殊なケースであり、それぞれ次数 12 および 10 の特別に調整された SOS フィルターから生成されます。これらのフィルターは、パフォーマンスが向上するように最適化されています。

周波数の逆べき乗 α が負である場合、カラード ノイズは次数 255 の移動平均 (MA) モデルを使用して生成されます。MA の係数は、次のようになります。

b0=1,bk=(k1+α2)bk1k,k=1,2,,255

パープル ノイズは 1 次フィルターから生成され、B = [1 −1] です。

適用されるカラー フィルター (ピンク、ブラウンおよびパープルを除く) の詳細については、[2]の pp. 820 ~ 822 を参照してください。

参照

[1] Beran, J., Feng, Y., Ghosh, S., and Kulik, R. Long-Memory Processes: Probabilistic Properties and Statistical Methods. Springer, 2013.

[2] Kasdin, N.J. "Discrete Simulation of Colored Noise and Stochastic Processes and 1/fα Power Law Noise Generation". Proceedings of the IEEE®. Vol. 83, No. 5, 1995, pp. 802–827.

拡張機能

すべて展開する

C/C++ コード生成
Simulink® Coder™ を使用して C および C++ コードを生成します。

バージョン履歴

R2015a で導入