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gram

可制御性グラミアンおよび可観測性グラミアン

説明

gram は、可制御性グラミアンおよび可観測性グラミアンを構築するために使用します。グラミアンを使用して、状態空間モデルの可制御性、可観測性の特性、モデル低次元化を調べることができます。[1]グラミアンには、ctrbobsv によって作成される可制御行列および可観測行列よりも優れた数値プロパティがあります。

Wc = gram(sys,'c') は、状態空間モデル sys の可制御性グラミアンを計算します。

Wo = gram(sys,'o') は、状態空間モデル sys の可観測性グラミアンを計算します。

Rc = gram(sys,'cf') は、可制御性グラミアンのコレスキー因子を返します。

Ro = gram(sys,'of') は、可観測性グラミアンのコレスキー因子を返します。

W = gram(___,opt) は、時間または周波数を制限したグラミアンを計算します。opt は、計算用の時間間隔または周波数範囲を指定するオプション セットです。optgramOptions コマンドを使用して作成します。

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次の状態空間モデルの可制御性グラミアンを計算します。最大のエネルギーを含む周波数範囲に計算を絞り込みます。

sys = ss([-.1 -1;1 0],[1;0],[0 1],0);

このモデルは 1 rad/s でピークに達します。gramOptions を使用して、その周波数の周囲に範囲を指定します。

opt = gramOptions('FreqIntervals',[0.8 1.2]);
gc = gram(sys,'c',opt)
gc = 2×2

    4.2132   -0.0000
   -0.0000    4.2433

入力引数

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入力モデル。状態空間モデル、または状態空間モデルの配列として指定します。

入力モデルは安定していて、内部遅延がないものでなければなりません。記述子状態空間モデルの場合、行列 E は正則でなければなりません。

時間または周波数を制限したグラミアンの計算用のオプション セット。gramOptions オブジェクトとして指定します。

出力引数

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可制御性グラミアンまたは可観測性グラミアン。行列として返されます。

可制御性グラミアンまたは可観測性グラミアンのコレスキー因子。行列として返されます。

グラミアンのコレスキー因子は次のように定義されます。

  • 可制御性グラミアン — Wc=RcTRc

  • 可観測性グラミアン — Wo=RoTRo

制限

行列 A は安定でなければなりません (すべての固有値は連続時間で負の実数部をもち、大きさは離散時間で厳密に 1 未満です)。

詳細

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可制御性グラミアンおよび可観測性グラミアン

以下の連続時間状態空間モデルを想定します。

x˙=Ax+Buy=Cx+Du

可制御性グラミアンは次によって定義されます。

Wc=0eAτBBTeATτdτ

可制御性グラミアンは、(A, B) が可制御な場合に限り、正定値です。

可観測性グラミアンは次によって定義されます。

Wo=0eATτCTCeAτdτ

可観測性グラミアンは、(A, C) が可観測な場合に限り、正定値です。

可制御性グラミアンおよび可観測性グラミアンの離散時間の等価物はそれぞれ次のようになります。

Wc=k=0AkBBT(AT)k,Wo=k=0(AT)kCTCAk

時間または周波数を制限したグラミアンを使用して、特定の時間間隔または周波数範囲内の状態の可制御性または可観測性を調べます。これらのグラミアンの定義については、[2]を参照してください。

アルゴリズム

可制御性グラミアン Wc は連続時間リアプノフ方程式を解くことで得られます。

AWc+WcAT+BBT=0

またはその離散時間の等価物を解くことで得られます。

AWcATWc+BBT=0

同様に、可観測性グラミアン Wo はリアプノフ方程式

ATWo+WoA+CTC=0

を連続時間で解き、リアプノフ方程式

ATWoAWo+CTC=0

を離散時間で解きます。

時間および周波数を制限したグラミアンの計算の詳細については、[2]を参照してください。

参照

[1] Kailath, Thomas. Linear Systems. Prentice-Hall Information and System Science Series. Englewood Cliffs, N.J: Prentice-Hall, 1980.

[2] Gawronski, Wodek, and Jer-Nan Juang. “Model Reduction in Limited Time and Frequency Intervals.” International Journal of Systems Science 21, no. 2 (February 1990): 349–76. https://doi.org/10.1080/00207729008910366.

バージョン履歴

R2006a より前に導入